今宵は瘴気が濃いな……
……居るか?
何よ、この様な時間に呼び出して。
貴様はこの社に祀られる神であろう? ならば何も感覚していない筈が無い。
……ふん。 随分とぞんざいな口の利き方ね。 あなたを魂もろとも消し飛ばす事など、私には造作も無いのだけれど。
それは済まなかったな。 で、どうなのだ?
……仕方ないわね。
霊的通信接続…… 認証……完了。 広域索敵開始……
……ほう。 成程。
特定したか?
五千円。
それは、私が貧困だと知っての所存か。
神の力を借りるのよ、安い対価でしょう?
仕方ないな。
ふふん。分かれば良いのよ。 ついてきなさい。
斯様な空間に瘴気の原因が在ると?
相違無い。
まあいい。 案内してくれ。
はいはい。
グヘヘヘヘヘお嬢ちゃん可愛すぎるブヒッ……
うわっ何この変態! 消え失せろ!
食べちゃうブヒッ!
キモッ! この変態男! 近づくな!
成程、"熊"か。
変態である事位しか特徴の無い、下級妖族ね。
おい、あんた。
えっあんたら何? 揃いも揃ってコスプレですか?
はぁ……
そっちの子も可愛いブヒッ!
私に触れた瞬間、其の魂は永劫回帰に囚われ、二度と解脱しなくなるわよ。
なあ、もういいか?
ええ。この熊にはもう消えてほしいと思っていた所よ。
ならば契約の詞を。 何、今貴様は此処に居るのだから構わんだろう。
仕方ないわね。
力とは道。道とは選択。
其を掌握する者すなわち覇天。
幾億の枝を折り、那由他もの流れを断つ。
汝が契りし我の刃、宣名せよ。
断導剣―――阿摩羅式
あれ? キモい熊は? しんだ?
殺した訳じゃないわ。 奴が消滅する以外の可能性を斬っただけよ。
何かよく分からんけどありがとう! んじゃあたしの嫁の家に行ってくるわ! ばいばい。
やれやれ……
お疲れ様。 あと何か貢物を寄越しなさい。 私はお腹が空いたわ。
……
っていう感じで、うちの先生と委員長が退魔師やってる夢を見たんだ!
あっそ。 何にしても、私が出てこなかった様で助かったわ。
おや? 誰も"この続きが無い"なんて言ってないよ?
な、何よ。
キミはね、ビルの屋上に立って 「この程度の街なら、私の操術能力"マギカ・コンソール"で如何様にも出来る」とか言ってたんだよ。
あーあー聞こえない―。
というか、"あんたの嫁"って何なのよ。
それは……
むー……
何故こっちを見るの?
だって……