“※実話です”

はぁ・・・・・・。

おいおい、どうした? 白昼堂々ため息なんてついて。

・・・あぁ、きみか。

いや、今朝ちょっと嫌なモノを見てしまって・・・・・・。

また鳩の死体でも見たのか? お前鳥の死体、嫌いだもんな。

いや、そこまで直接的なモノじゃないんだ。

じゃあ、何を見たんだ?

・・・通学路の駅前に、いつも二人組のチアリーダーがいてね。

パフォーマーらしくて、いつも踊っているんだ。

その二人組が、お前の見たモノとどう関係があるんだ?

・・・なぜあの二人が、あそこまで一生懸命に踊っているのか、見当がつかないんだ。

なんのために踊っているのか、なんの利益があるのか・・・・・・。

ほら、大して理由が無いのに何かを目指したり・・・。

見返りも無いのに自分を犠牲にしたがる人を見るとイライラしてくるだろう?

・・・・・・人にもよるんじゃないか?

彼女たちを見ていると・・・、心が疼くんだ。

姿も見たくないし、声も聞きたくない。

いっそ、この世からいなくなってしまえばいい。

・・・・・・そう思えてならないんだ。

おいおい、まさか嫌なモノってその娘たちのことを言ってんのか!?

筋違いもいいとこだぜ!

・・・・・・今日、あれを見るまではそう思ってたんだ。

・・・?

今朝も、彼女たちはいつものところにいたんだ。

その日も僕は目を逸らして、耳を塞いで走り去ろうとしたんだ。

でも・・・・・・。

でも?

その日、彼女たちは踊っていなかった。

男の人にからまれていたんだ。

えぇ!?

その人は、彼女たちに酷い言葉を浴びせかけてたんだ。

辛辣なこと、下品なこと、あることないこと・・・。

たくさん、ね。

うわぁ・・・・・・。

僕が見たのは騒ぎが収まりかけてた頃で、別の男の人が仲裁に入ってたんだ。

しばらくして、からんできた男の人は吐き捨てるように下品なことを言って去っていった。

彼女の顔は笑顔のままだった。でも・・・・・・。

・・・でも?

・・・手が、震えてた。

その光景を見て、僕は気持ちが沈んだよ。

まぁ、そこまでタチの悪いDQNを見たら、ヲタクのお前は気持ちよくないだろうな。

・・・違う、そうじゃないんだ。

は?

僕は、あの男の人が自分のように見えたんだ。

僕も彼女たちを、陰で馬鹿にしてた。

彼が、僕の陰口を代弁していたように見えたんだ。

・・・・・・。

ひょっとしたら、あそこに立って彼女たちを嘲っていたのは、一歩間違えてたら僕だったんじゃないかって。

そう思った時、僕は・・・・・・。

・・・。

・・・自分が、とてもみすぼらしく見えてきたんだ。

勉強もせず、バイトも探さず、ただネットで誰かの悪口ばかり。

何かに一生懸命になったのなんて、数えるほどしかない。

・・・こんな僕が、彼女たちを馬鹿にできることなんて何もない。

僕は卑怯者だ。

・・・・・・。

よく話してくれたな。

え・・・?

普通そんな嫌なこと、そんなにはっきりと話せるもんじゃないぜ。

自分の嫌なとこなんて見つけたら、みんなすぐ忘れちまおうとするぜ?

・・・・・・。

何より、お前は自分を見つめ直せた。

それって、けっこう難しいことなんだよ。

もっと悩めばいい。苦しめばいい。

そしたら、今まで見えなかった”自分”ってやつがひょっこり顔をだすもんサ。

よかったじゃねぇか。

・・・。

ありがとう。

さて、じゃあ早速自分を変えていこうぜ!

うん!

でも・・・。

クズルを弄るのはやめないけどね!

だって厨房が大好きなんだもん。

アイラヴ厨房ッ!!

・・・・・・。

ホントにお前ってわっかんねぇなぁ。

おしまい

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Posted at 2012/04/20 23:06 Viewed 289 times

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それでも私は、立ち止まらない。

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