“全力で彼女を振り向かせ隊”

彼女いない暦=年齢 趣味はアニメ鑑賞 要するにキモオタ。それが僕。

一応クラスに好きな人がいるが、しゃべったことはない。こんな醜い僕じゃ相手なんかしてくれないだろう。

はぁ、どうやったら彼女ができるんだろうか。

ほっほっほ お困りのようだね。この童貞めがね。

ひどいなおい てゆーか、あんた誰だ?

わしは仙人じゃ。 わしのもとで修行すれば彼女の一人や二人簡単にできるぞい。

ぜひ、あなたの下で修行させて下さい!

がっついてるのお! さすが童貞じゃ! 気に入ったぞい!

よし、じゃあまず貴様の童貞力を測らせてもらうぞ。

童貞力? はッこの僕に敵う奴なんていないさ。

ドヤ顔で言うなオタメガネ。 まあいい、とりあえずわしが今から美少女に変身するから上手いこと口説いてくれ。

ふ、面白いじゃねーの? あーん?

(キャラ崩壊しとるぞこいつ) では、始めるぞい。

こんにちはー。

あのー、こんにちはー。

ここここここ、こんちゃあああす

おまえ… さっきまでの余裕はどうした…

…りですよ

ん? 何か言ったか?

むりですよおおおお! こんな美少女としゃべれませんよおおおお!

はあ、お前って奴は。 じゃあ、紙になんか書いてみろ。

サラサラサラ はい、書けました。

「どんなパンツ履いてるの?」

いっぺん死ねこの童貞!

はあ、まったくあきれたもんじゃのー。

今まで数々の童貞と会ってきたが、ここまでひどいのは初めてじゃ。

しょーがないじゃないですかああ! 僕は画面を通さないとちゃんとしゃべれないんですよお!

仙人ならなんとかして下さいよお!

しょーがないのお。 まずはその、三次元限定美少女恐怖症を治す必要があるの。

どーやって治すんですかその病気?

とりあえず、お前が美少女になってみろ。

!?

そーれ ちちんぷいぷいのぷーいぷい。

!? か、体が女に!! ちょっと仙人!鏡みせてくれ!

ほい。

うおおおおおお 美少女きたーーーーーーーー!

やべぇ人生始まった! とぅっとぅるー♪

おい、これは修行の一貫だからな。 そこんとこ忘れるでないぞ。

あいむおーけー♪

こいつ…全然分かってねえ。

そいじゃ仙人、さっさと修行やっちゃいやしょ!

…まあいいわい。 では始めようかの。

やあ、僕仙人 君の名前は?

ちょっとおおおお! なんで僕に変身するんですかあ!

まあまあこれが修行なのじゃよ。

(うう、なんだか変な感じだなぁ) 名前は…じゃあ、ユズキです。

ユズキさんって言うのか♪ とっても素敵な名前だね~

ひゃ、あ、ありがとうございます! (ってなに自分にドキッとしてんだ!)

ユズキさんの趣味ってなんだい?

ええっと、その、アニメ鑑賞です! (あああ、思わず自分の趣味言ってしまった!)

そうなのかぁ。 僕はアニメよくわからないけど、どんなのがおすすめなのかな?

ええっと、どんなジャンルが好きですか?

そうだなぁ… 笑えるやつがいいかな。

そ、それでしたら ○○とゆうのがいいかもしれません!

へえ~♪ もしかしてDVDとか持ってたりする?

は、はいッ! 持ってます!

よかったら今度それ貸してくれない?

も、もちろんですぅ!

よかったぁ じゃ明日そのDVD持ってきてくれるかな?

は、はいッ!

見終わったら、感想言うね♪

はいッ 楽しみにしてます!

あ、そうだ! 電話で感想伝えてもいいかな?

ひゃ!?で、電話!? は、はい、よろこんで(って俺は何で喜んでるんだ)

じゃあ、連絡先教えてくれる? 僕のも教えとくから、登録しといてね♪

はいいッ (や、やられたああああ)

ふっふっふ どうじゃったかメガネボーイ

しょ、正直、僕のことちょっといいなって思ってしまいました。

そうじゃろー。 これはな、お前の美少女恐怖症を取り除く修行だといったがな、

実は、お前自身の劣等感を取り除く修行だったのじゃ。

僕自身の劣等感?

そうじゃ。 お前は長いこと彼女がいなかったからな、自信をなくしていたのじゃよ。

それで、自分のこと醜い醜いと思い、悪いのは全部見た目のせいにして何も努力してこんかった。

たしかに…そうかもしれません。

じゃが、今回やってみてわかったじゃろ?見た目以上に大切なものがあるってことを。

はいッ 大事なことに気づかされました。

ほっほっほ それに気づけたのなら合格じゃ。

あ、元に戻った。

ふ、クソメガネよ。 お前さんは修行始める前と比べて、ずいぶんいい表情になったな。

そ、そうですか? ありがとうございます!

なんだか、今なら彼女を作れそうな気がします!

よし、じゃ貴様の気になっているユズキちゃんとやらにアプローチしてもらおうか。

げっ、なんでそれを…

ユズキって名前をつけたとき、ぴーんときたわい。

ハハハッ 何でもお見通しだな。

ほっほっほ

では、本番じゃ。もうすぐここへユズキちゃんがやってくる。そこを狙うのじゃ!

はいッ!仙人!

や、やばい緊張してきた

タッタッタッタ(走ってくる音) ガラッ

(き、きたーーーーーーーーー)

(よ、よし、やるぞ) あの、僕の名前はコウタ。君の名前は?

……ユズキだけど。 てか、同じクラスじゃない。今さらどうしたのよ。

(やっちまったあああ) はは、そうですよね。ああそうだ、ユズキさんの趣味は何ですか?

クラシックバレエだけど。

そっかー。 僕あんまりしらないんだけど、おすすめってある?

へっ? おすすめ?

あ、ええっとそのDVDとかあれば…

D、DVD?

持ってるよね?

家族が撮ってくれたやつで、私が写ってるのしかないけど…

そうそれ! それ今度貸してくれない?

は、はあ?? あなた何言ってるの?

それで今度感想言うねハァハァ(緊張で息があがってしまった)

あ、そうだ!電話で感想伝えるよ!だからさ、ユズキちゃんのハァハァ電話番号教えてハァハァ

あんた、さっきからなんなの!?気持ち悪い! もしかしてからかってるつもり?

いいえ、からかってません。 これが僕の気持ちです! 受け取ってください!

ん? 何この紙・・・

「どんなパンツ履いてるの」って! やっぱりからっかってるじゃねえーかあ!

(しまったあああ!渡す紙間違えたあああ!)

てめぇ、二度とその面見せんじゃねーぞこのクソ虫がッ

しゅ、しゅいましぇええええん!!

~2分後~

せーんにん♪ねぇねぇ、せーんにん♪ 振られたから、また修行おねがいしゃーす!

もうお前いっぺん死んだ方がいいわ

てへッ

―ーおわり―ー

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Posted at 2012/04/18 02:24 Viewed 194 times

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