『夜のお供といえば』

お嬢様はどこに行かれたのだ? ん? 図書室に灯りが。もしや?

そこにおられましたか。お嬢様、そろそろお休みになりませんと。

うーん……。

お嬢様?

一人寝の夜は寂しいのよ。

寂しい? 寂しいのですか?

うん。夜のお供が欲しい……。満足して眠れるように。

では僭越ながら、今宵この私めがお嬢様の下僕となりましょう。

下僕? 何のこと?

私はこの屋敷の召使です。どんな要求でもお応えします。お嬢様が満足されるよう誠心誠意努力します。

だからなんの事?

ですから私が夜のお相手を。どんなプレイを要求されてもかまいません。

悪いけど、あなたじゃ夜のお供にはならないわ。

たしかに、私はその、あまり経験がありません……。ですが召使として誠心誠意最大限の努力はするつもりです。

ふふ……。

なにかおかしいでしょうか?

あんたって本当面白いわね。

そうでしょうか?

うん。とってもおかしい。

あのね、私は寝る前に読む本を探してただけなの。

えっ?

なのにあんたってば。夜のお相手だって……。ぷっ、くくくく……。

失礼いたしました。とんだ早合点でした……。なんとお詫びしていいものか。

そう落ち込まないで。

はぁ……。

そうだ。この本なんだけど、私が寝入るまで朗読してくれない?

え? 私がですか?

そう。それも一応夜のお相手ってことになるのかしら?

かしこまりました。それでは寝室に参りましょう。

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公開日 2012/04/24 03:57 再生回数 28

作者からのコメント

うなぎパイ

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