“サムライうさみ 1st contact サムライドリーム”

第一話 侍の時間

むにゃむにゃ……はっ!

ん?ここはどこでござるか? おや、あそこに村人が。

もし、そこのお嬢さん。

え〜と、どちら様で?

拙者、五右衛門と申す。

かっこいい名前ですね。 私に何か用ですか?

この辺りに城はござらぬか?

城?城跡ならあるけど……

ははは、ご冗談を、この辺りは城下町のはず。

確かに250年ほど前には城下町でしたよ。

なにぃ!城下町ではないだとっ!

はっ……はい。

今は一体何年でござるか?

平成24年、2012年ですけど……

そのような年号、聞いたこともござらん!

えっ!じゃあ、もしかして本物の侍ですか?

もちろん、『疾風(はやて)の剣客』五右衛門と言えば拙者のことでござる。

どうやら時空を超えてしまっているようでござるが……

す……すごいです。タイムスリップだなんて。一体何があったのですか?

拙者昼寝をしておったらいつの間にかここにいたでござる。 拙者はどうすればいいでござるか?

私に聞かれても…… そうだ!良い所がありますよ。 ついてきてください。

かっ、かたじけない。

着きました。稲荷神社です。

ほほう、稲荷神社でござるか。 狐につままれる、という 言葉があったでござるな。

拙者のことも稲荷様の仕業かもしれぬしな。

では、私はこれで。

せっ、拙者を置いてけぼりにするでござるか?

ごめんなさい、私も忙しいので。 では。

行ってしまわれたか。 これからどうしよう。

ひょっとしてお侍様ですか?

誰だ?拙者を呼ぶのは?

ここの神社に祭られている狐です。

ほほう、稲荷様でござるか。 何の用にございましょうか?

そのですね、最近この辺りで熊が出没するのです。それでお侍様に退治していただこうかと。

ふむ、困っている人、いや、稲荷様を見捨てては置けないでござるな。 早速引き受けるなり。

して、どんな熊でござろうか?

くまー!

でたな!切るっ!

くまっ!?くまー……く…ま…

せめて安らかに眠れ。

あ〜あ〜何してくれてるのかな〜?

む?なにやつ?

呼ばれて飛び出る兎ちゃん! 喰らえ、魔法!えぃっ!

ぐはっ!不意打ちとは卑怯なり!

引っ掛かる方が悪いのよ。

五右衛門は死んでしまった!

はっ!夢か!

フライングドロップキーック!

ぐはあ!

宇佐美殿、もう少し優しく起こしていただけないか?

何言ってんの?せっかく私があんたを元の時代に返してあげるっていうのに。 感謝してほしいわ。

拙者、頼る人物を間違えたでござるか……

ああん?

なんでもないでござる。

はたして五右衛門は元の時代に戻れるのだろうか? つづ……く。

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Posted at 2012/09/22 22:21 Viewed 16 times

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現代にタイムスリップした侍のお話。キミPでの二作目なり。この話だけ短くなってんなオイ。あ、他のが長過ぎるだけか。

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