『【7月第三週】煩悩まみれの七月七日』

クラスの行事で七夕の短冊に 願い事を書くことになったんだけど ・・・

いったいどんな事を お願いしたらいいかなぁ・・・

・・・そうだ! 「体が丈夫になりますように」 っと・・・

その程度のお願い事で ほんとにいいの?

そんな言い方しないでよ・・・ 体の弱い僕にとっては 大事なことなんだから。

それで、 君はどんな事を?

私のお願い? そんなのとっくに決まってるわよ。

私はね・・・ 「ブランド物のバッグが  手に入りますように」

・・・ツァネルの新作バッグが どうしても欲しいのよ! 値段ン十万するけど!

あらあら、あなたもずいぶん 慎ましやかなお願いだこと。

な、何よいきなり!? じゃ、あなたは何を お願いしたって言うの?

私のを教えてほしいの?

教えて!教えて!ひとの話を 立ち聞きしておいて、自分の願いだけ 秘密にするのはずるいわ!

はいはい、分かったわよ。

私の願いはね・・・ 「年末ジャンボ1等前後賞が  当たりますように」

賞金総額の3億円に比べたら、 ン十万円のバッグの値段なんて はした金みたいなものよ!

うぐぐ・・・確かに。 一枚上手だわ!

そうでしょ? そうでしょ?

あらあら、あんたも 人の事言えた話じゃないわね。 ずいぶんシケた願いだこと!

な、何よ!? あんたは一体、何を・・・

私の願いはね、 ま、言うまでもないかもしれない けど・・・

「世界一のイケメン・金持ちと  結婚できますように」

・・・どう考えても、 これしかないじゃない?

(この子、女の欲望の権化のような  存在だわ・・・)

人間、欲あってこその生き物 なんだから、七夕の時ぐらい 素直にお願いをぶちまけなさいよ!

私は彦星。 あなたは・・・

私は織姫。 彦星さま、一年ぶりに会えましたね。 私、うれしゅうございます。

おお、織姫。私もだよ。 七月七日。一年に一度、 この日だけはお前に会える・・・

ささやかな願いだが、 今年も叶ってうれしいよ。

私もですよ、彦星さま。

さて、豊かな文明社会に生きる 今の世の者たちは・・・

いったいどのような願いを しているんだろうか・・・?

確かに気になりますね。 ちょっと調べてみましょうか。

分かった、そうしよう。 願い事検索エンジンで引っかかった ある学校の生徒のものを見てみる。

どれどれ。

ブランド物のバッグ・・・ 年末ジャンボ一等前後賞・・・ 世界一のイケメン・金持ち・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

この子たち、なんだか あんまり満たされていない ような気が・・・

そうですねぇ 言われてみれば確かに・・・

欲望は満たされるどころか、 ますます無限に増えていく・・・ どうやらそういうものらしい。

おまけ

まだまだ子供っぽさが抜けない私が 叶えてほしいお願いごと、 それはね・・・

「私のおっぱいが  大きくなりますように」

貧乳萌えの俺としては、 願いごとはこれしかないだろう・・・

「あの子のおっぱいが  大きくなりませんように」

ちょっと待ったァ!! あの子の願いとお前の願い、 明らかに矛盾しているぞ!

お前はあの子の切実なる願いと、 自分のフェチ的自己満足な願いの、 いったいどちらが大切なんだ?

・・・仕方ない。涙をのんで、 俺は自分の願いをあきらめる。 この短冊は破棄するよ。

お前、めっちゃいい奴だなぁ。 ・・・ロリコンだけど。

最後の一言が余計だよ。

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公開日 2013/07/08 00:18 再生回数 42

作者からのコメント

(貧乳ネタもあるよ)

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