“クリスマスだよ!紗希ちゃん!!”

フッフッフ……遂に来たぞ……この日が……。

おい何だいきなり、薄気味悪い笑いをするな。 で、何が来たんだ?

これより「第一回紅白クリスマスパーティ」を開催する!! 今日は無礼講だ!じゃんじゃん人も呼ぶぞ!!

唐突だなオイ!!

紗希、歩夢、ちょっとお買い物に行ってきて頂戴。

はい、メイド長。

メイド長ー、急に買出しに行けって何かあったんですか?

ええ、御主人様が「クリスマスパーティ」をやると言っていたから準備に取り掛からないといけないのよ。

あらま!それは急な話ですね! というか今日クリスマスだったのね……。

クリスマス……。

あーあ、今日がクリスマスだと分かっていたら紗希ちゃんと二人で遊びに行ってたんだけどなー。

いやそれは駄目だよ……、御主人様のお世話もしないといけないし……。

あーん!健気な紗希ちゃん可愛いよー! 抱いてお持ち帰りするー!!

きゃっ!! だから抱きつかないでってばぁ!!

……貴女達、仲がいいのは結構だけど遊んでる暇はないのよ?

皆の者!! 今日は年に一回のクリスマスだ!! 飲んで騒げ!!食べて叫べ!! 存分に楽しんでいくがいい!!

(場所まで用意してあったとは……ドケチな癖して今日はやけに大盤振る舞いだな……)

ム?何をしている息子よ!! お前も今日は飲んで騒げ!食べて叫べ!!

いや……何だ、今日はやけにハイテンションだな。

ほほう?さてはお前、まだ酒を飲んでないな!? よし飲め!!今日は俺が絶対的に許してやる!!

俺は未成年だよ!!酒は飲めねぇ!!

硬い!!硬いぞ息子よ!! いつからそんなガッチガチな中学生になってしまったんだ!!

小学生みたいな親父に言われたくねぇよ!!とにかく未成年の飲酒は駄目だ!!

うおおおおぉぉぉぉん!! 息子と杯を交わすのが夢だったのにいいいいいぃぃぃぃ!!!

(うわぁ……面倒臭ぇ……つーか何だ?酔ってんのか親父は?)

はい!次はこれを持って行って!!

は、はい!!

歩夢!!遅いわよ!! 次はこれよ!!

む、無茶言わないで下さいよ……さっき会場から戻ってきたばかりなんですから……。

口答えしない!!そんな暇があるんだったら早く料理を運びなさい!!

は、はいぃ!!

うーん……完全にメイド長火がついちゃってるよ……。

あーあ……今頃旦那様とかは美味しいご馳走を食べて盛り上がってるんだろうなぁ……これが私のクリスマス……?

歩夢ちゃん、どうしたの?

きゃーん!!紗希ちゃーん!!

ストップ!!

ピタッ!!

だから……急に抱きつこうとしないでよ。

仕方ないじゃん!紗希ちゃんが可愛すぎて仕方ないんだから!! それより会場の方は盛り上がってた?

うん、旦那様がかなり酔っていて凄い事になってた。

あーあ……旦那様達は酔って騒いで私達はいつも通り仕事かぁ……。

そんな事言っちゃ駄目だよ歩夢ちゃん、ここに居られるのも全部旦那様のお陰なんだから。

分かってるけどさー……旦那様の為にもちゃんと仕事はするよ? でも……クリスマスなんだからちょっとだけ遊びたいと思わない?

うーん……私はそうでもないかな。 メイドなんだし、御主人様のお役にも立てるし。

出たな!御主人様命発言!! まあ仕方ないかぁ……私もあのご馳走食べたいなぁ……。

……つまみ食いは駄目だからね?

何故ばれたし!!

そんな事より早く戻らないとメイド長に怒られちゃうよ、早く行こう。

あ、待ってよ紗希ちゃん!!

あーもう疲れたー!! 今日はもう働きたくなーい!!

本当に……今日は忙しかったね。

普通片付けまでやらせる!? 私達は料理運んで物凄く疲れてたのに!!

いやメイドなんだから……。

ですよねー。

ま、この方が私達らしくていっか。 お風呂出たらご飯食べて寝よう!

……今日はあんまり御主人様の側に居られなかったのが残念。

本当に御主人様が好きなんだね紗希ちゃんは! 大丈夫大丈夫、また明日一緒に居られるでしょ!!

う……ん、そうなんだけどね……はぁ……。

二人ともお疲れ様、今日はよく頑張ってくれたわね。

メイド長ー、流石にあの激務は辛いですよー。

まあまあ、頑張ってくれた二人にはクリスマスプレゼントを用意したからそれで許してね。

え!?クリスマスプレゼント!?

紗希。

はい、何でしょう。

お坊ちゃまが言ってたわよ、歩夢ちゃんと一緒に自分の部屋に来るようにって。

っ!!ご、御主人様が!?

というか私も!? 何かしでかしたかなぁ……? 取り合えず言って見ようよ。

失礼します。

失礼しまーす。

おう、来たな二人とも。

……はい、御主人様。

御主人様ー、急に私達を呼びつけてどうしたんですか? もしかして……クリスマスプレゼントをくれるとか?

お、正解だ。

え!?マジで!?

御主人様からの……クリスマスプレゼント……。

とはいえ……大した物じゃないが……これだ。

こ、これは!!

さっき会場に運んでいた……料理?

いや何と言うか……今日、お前達が物凄く頑張っていたのを見ててな。

歩夢も食べたがっていただろ? 悪いがあの話は聞かせてもらっていた。

あ、あのつまみ食いの話ですか!? き、聞かれてたとは……。

俺も親父に絡まれていてな、あまり食えなかったんだ。 だから……一緒に食べようよと思っていたが……嫌だったか?

いいえ!そんな事ありません!! 是非御主人様と一緒にお食事をしたいです!!

お、おう。

……って事はこのご馳走……全部私達が食べていいって事ですか!?

ああ、もちろんだ。

御主人様ー!!

歩夢ちゃん!ずるい!!

わー!! お前ら急に抱きつくなー!!

この日、私達にとってはとても大変な一日でしたが夕食は今まで食べた中でも一番美味しいと思いました。 御主人様と一緒に過ごせる……私にとっては最高のクリスマスプレゼントです。

メリークリスマス!御主人様!紗希ちゃん!!

メリークリスマス、紗希、歩夢。

……メリークリスマス……歩夢ちゃん……御主人様……。

ありがとうございます、御主人様。 ……ずっと……ずっと……大好きです。

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Posted at 2012/12/25 23:27 Viewed 10 times

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親父が急に「第一回紅白クリスマスパーティ」を開催すると宣言した。慌てて準備に取り掛かるメイド長達。クリスマスなのに仕事に追われる紗希と歩夢は御主人様の部屋に呼ばれて……。「クリスマスだよ!紗希ちゃん!!」

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