“高校生初日2”

(前回の話は作者コメント欄から)

二人の絶叫から二時間後、

入学式を終えて、二人は少しだけ打ちとけたようだった。

へぇ、家は弁当屋なんだ

ああ、だから何があっても昼飯には困らないんだ。

昼飯を忘れたら、うちに来れば売ってやるよ。

いや、普通に学食で買うからいいよ。

おっと、そうだったな。こりゃ悪かった。

(よかった。最初はどうなるかと思ったけど、なんとか普通に話せるようになったぞ。まだ微妙に噛みあってないけど)

・・・・・・。

ん・・・・・・

・・・・・・あれ、ひょっとしてあの子、こっち見てる?(ヒソヒソ)

(あぁ、さっきからずっと見てるぞ)ヒソヒソ

ちゃんと喋れ

(うわああこっち来た!どうしよう女の子と喋ったことなんてほとんどねええええ!)

(「道原くん、先生が呼んでたよ。・・・・・・というか、君が道原くんだっけ?」ぐらいしかねえええええ)

なんだよ、さっきからジロジロと

(えええええええ!?ケンカ腰だ!?こいつ初対面の相手には基本ケンカ腰だ!? 口下手なのに!)

べっつにー。あんたに友達ができて良かったなぁって思って

はぁ!? そんな理由かよ。

(・・・・・・って、え?)

あれ、知り合い?

あぁ、こいつは俺の幼馴染なんだ。

はじめまして、私は物部 沙紀(ものべ さき)。この高校のマドンナよ。

そうなんだ・・・・・・、よろしくね(すげえ、入学初日でマドンナ名乗ってるよこの人)

こいつの母方の婆ちゃんちは居酒屋をやってるんだ。

そうなんだ(ばあちゃん家から紹介するの好きだなこいつ・・・・・・)

幼馴染ってことは、二人は中学も一緒だったの?

あぁ、幼稚園の頃からずっと一緒なんだ。

幼稚園は別々だったと思うけど。

おっと、これは失礼。

うふふ

あっはは

(・・・・・・入り辛い)

そんな風に思う由紀斗(青い眼鏡の方です)であったが、沙紀の気さくな性格に惹かれて、由紀斗(青い眼鏡の方です)も次第に彼女と打ち解けてい

った。

ちゃんと収めろ

そして、時は流れて一週間後

きーんこーんかーんこーん

(ガタッ) お昼休みになったわ!急いで購買部に行きましょう!

え、ちょ、早いよ物部さん!

まったく、しょうがない奴だな。急ごうぜ、俺は弁当を持ってきてるけど、沙紀には逆らえないんだ。

うん、そうだね。俺たちも急ごう。

(突っ込めない程度に喋り方がおかしいのは元からなのか)

ここは購買部。

何やってるの! 早くしないと売り切れちゃうわよ!

はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。物部さん、なんであんなに速いんだ・・・・・・。

あいつは陸上部だからな。県内でもトップクラスの実力なんだぜ。

へぇ・・・・・・すごいね。・・・・・・はぁ、駄目だ・・・・・・もう息・・・・・・が・・・・・・。

そう言ってる割には涼しい顔してるな。

疲れてる立ち絵が見当たらなくて・・・・・・。

はい到着! まったく、なんで購買部が学校の外付近にあるのよ!

(背景がなかったんだろうな・・・・・・)

で、何がお目当てなんだ?やっぱり焼きそばパン?

え、別に焼きそばパンは欲しくないけど。・・・・・・あ

ひょっとして知らないの?

ん、なにをだ?

この高校は焼きそばの名産地、群馬県と隣接しているから焼きそばパンなんてあり余ってるのよ。

そうなのか?

えぇ。だから焼きそばパンを求めて来る人なんて一人もいないわ。

学校の裏に蕎麦畑があるでしょ? 欲しければあそこから取ってくればいいのよ。

それに、焼きそばパンの立ち絵がないから使えないしね。

(たぶん全部適当に喋ってるんだろうな・・・・・・)

さぁ、グズグズしてないでさっさと買いに行くわよ。お目当てはあの一日限定一個の―――――ッ!

電信柱を模したパンよ!

う・・・・・・うわああほんとだ!電信柱を模したパンだ!

おぉ、全然違和感ないな。

モブA「わーわー!」

モブB「わーわー!」

すごい人だかり・・・・・・。なんて人気なんだ・・・・・・。

あぁ、みんなわーわー言ってるぞ!

わーわー!

もぅ、なによ! 全然進んでくれない!

ほら、ぼさっとしてないで二人も手伝って!

んな無茶な・・・・・・こんなに人が多いとまともに動けないよ・・・・・・。

仕方ない・・・・・・。それじゃあ元水泳部の俺が行くしかないか。

・・・・・・何する気なの?

晃は人ごみの中を見据えると、地面を足で軽く叩き、そのまま人ごみへと入水していった。

う、うわああああ!まるでクロールのように人を掻き分けて進んでるぞ!(こう言っちゃなんだけど気持ち悪いぃいいい!)

モブA「え、ちょ・・・・・・いやあああ何この人ぉおおお!」

モブB「キャーーーーーー!キャァアアアア!」

晃「ほーら道を開けないと掻き分けちまうぞぉおおおお!」

「「「「イヤアアアアアア!」」」」」

二年「おいお前一年だろ!先輩を掻き分けるとはどういうつもりだ!」

晃「すいませんっしたぁああああああ!」

すごいや・・・・・・信じられないスピードで前に進んでいってる。

さすがは晃だわ・・・・・・。県内トップクラスの実力は伊達じゃないわね!

いや行けよ

必要ないわ。晃が本気になったら、私なんて足でまといだから。

ぶっはー! ようやくたどり着いたぜ!

近くで見るとでけぇな。まるで本物の電信柱だ。

よし、距離はあと一メートルもないぞ! 晃の勝ちだ!

いっけぇええええええ!

その時である!

晃「・・・・・・って・・・・・・え?・・・・・・」

ヒュンッ・・・・・・ドゴォオオオオオオオン!

晃「ぐ・・・・・・が・・・・・・ッ―――――――――――ハッ!?」

あ・・・・・・ああああ晃が一回転して地面に叩きつけられた!?

え・・・・・・な、何が起こったの!?

い・・・・・・てててて・・・・・・。 だ、誰だよいきなり!

・・・・・・。

!?

あ・・・・・・あの女の子が晃をぶん投げたのか?

あ・・・・・・あの子は

え、知り合いなの?

えぇ、あまり話したこ・・・・・・・あ、ごめん。なんか100ページ超えてるから今日はここまで。

せめて言い切れよぉおおおおお!

突如として現れたこの少女は一体何者なのか!?

そしてこの髪の毛もやはり高校デビューなのか!?

散りばめられた伏線は、忘れない限り後に語られることになる。

つづく

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Posted at 2012/04/17 11:22 Viewed 6,815 times

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