男 「お待たせ」
幼 「もー! 遅いよ」
男 「ごめんごめん。ほら、早く行こう」
腕時計 「あと五分だぞ。間に合うか?」
男 「あと五分だそうだ」
男 「つまり、遅刻決定!」
幼 「甘いね、男。私の足なら三分あれば楽勝だよ」
男 「知ってるよ。でも、幼は僕を置いて一人で遅刻回避するような子じゃないよね?」
幼 「遅刻しないように頑張ってね」
幼 「久しぶりに本気を出さなきゃね」
幼 「スーパーダッシュ!」
通行人A 「な、なんだ今の速さ!?」
通行人B 「あの速さ、まさかボルトか!?」
通勤中の会社員 「ふっ、元日本代表の俺に本気を出させるとはな。久々に楽しめそうだ!」
男 「まさか、本当に行っちゃうとは……」
男 「ま、気にしてもしょうがない。僕も急がないと」
??? 「あ、男先輩!」
男 「え? 誰か呼んだ?」
??? 「おはようございます」
男 「あ、後輩。おはよう」
後輩 「先輩、遅刻ですか?」
男 「幼に置いて行かれちゃってね。もう完全に遅刻だよ」
後輩 「そうですか」
後輩 「遅刻してよかったですね。こんな美少女に出会えたんですから」
男 「自分で美少女と言うのはどうかと(まあ、美少女だけどね)」
後輩 「先輩、もしかして美少女に興味がないとか?」
男 「え!?」
後輩 「先輩はブス専なんですね。分かりました」
男 「違うよ!?美少女大好きだよ!」
後輩 「あ、先輩が私のこと大好きって……」
男 「なんでそうなるの!?」
後輩 「だって美少女って言ったら私しかいないじゃないですか」
男 (なんという自意識過剰! だがそれもまたイイ!)
腕時計 「オメーラ、ラブコメってんじゃねえよ。早く学校行けよ」