(幾多の困難を乗り越えやっと昼休みになった……あぁ……疲れた)
ロク。
あ……何？サツキ。
お昼になったの、私今日弁当持ってるから一緒に食べよう。
いいよ、じゃあ一緒に食べようか。
ちょっと待ったぁ！！
な、何……どうしたの凛。
私も一緒に食べる。
え？いつも僕と一緒に食べるのを嫌がってた凛が？ キミ本物の凛？
歯ぁ食いしばんなさい。 その考えを修正してやるから。
だ、だっていつもそうだったじゃないか！！ 何で今日になって急に一緒に食べるって言い出すんだよ！！
あうー……本当に殴らなくてもいいだろう……。
背中ちょっと叩いたぐらいで何言ってんのよ、気合入れただけじゃない。
人によって解釈が違うの、貴女は軽くやったと言ってもロクはそう思っていないの、与えた傷は思ったよりも大きいの。
こんなのいつもの事よ……って何でアンタがここに居るのよ？
元々はロクと一緒に食べる約束をしたの、そこに貴女が割り込んできただけ。
言い方を変えなさい！割り込んでないわよ！！人聞きが悪い！！
聞いた話だとロクと食べるのを嫌がってたみたいなの、それが今日になって急に一緒に食べると言い出すなんて変なの。
うんうん。
何さりげなく同意してんのよロク！！それに今まで別に嫌がってた訳じゃないわ！！
ただ……その……いつもこんな扱いしてるから……誘いにくくて。
自業自得なの、自覚しているのなら早く直した方がいいの。
わ、分かってるわよそんなの！！ 仕方ないでしょ！どうしてもこうなっちゃうんだから！！
たちの悪いツンデレなの。
だぁれがツンデレだコラァ！！！
(賑やかだなぁ……さっきに比べたら平和だ……。意外とこの二人合ってるかもしれない……)
ちょっとロク！何一人で先に食べてるのよ！！
そりゃあお腹空いてるからだよ、毎時間誰かさんが追い掛け回すから……。
うっ！！ ……で、でもいい運動にはなるでしょ？アンタ自分では気付いてないと思うけど結構足速いよ？
誰かさんのせいでね、逃げ足だけは速くなったんだよ。
追い掛け回される様な事をするアンタが悪いんでしょうが！！
そんな怒んなくてもいいだろ……。
ロクの足が速くなったのは結果論なの、結局追い回してロクに迷惑をかけているのは変わってないの。
め……迷惑なんてかけてないわよ！！
あー……うん、そうだね。 サツキ、庇ってくれるのはありがたいんだけど……あまり凛の事、悪く言わないで欲しいな。
……っ！
確かに凛は乱暴で凶暴だけど、これは小さい頃から分かっているしもう既に慣れてるからそこまで問題にしてないんだ。
乱暴で凶暴って何よ！！ どう見てもおとしやかでしょうが！！
それに……せっかくサツキも転校して来たんだし……皆で仲良くしようよ。 こんなにいがみ合っていたら楽しい思い出とか作れなくなっちゃうし。
……ごめんなさいなの。
あ……う……うん、わ、私の方こそ何か突っかかる様な言い方して……ごめん……。
はい、これでこの話はおしまい。
……ロクって凄いの。
……アイツは気付いてないだけで本当は凄い奴よ、どこか頼りないけど。
私達で鍛えてあげればいいの、ムキムキマッチョなイイ男に。
あ、アンタそんな趣味だったの……？ 人は見かけによらずって事なのね……。
貴女にお似合いなの、ゴリラ男と……。
ゴリラ女って言いたいって事か！！ 歯ぁ食いしばれ！！その性格修正してやる！！
修正されたくないの、ここは全力で逃げるの。
逃がすか！待てぇ！！
早速仲良くやってる……やっぱりあの二人似合ってるなぁ……。
待ちなさい！サツキ！！
鬼さんこちらー手の鳴る方へー。 凛にはゴリラより鬼がお似合いなの。
よく言った！！もうこれは絶対に捕まえて往復ビンタの刑にするわ！！
あーれー。
……いつの間にか名前で呼び合ってる……、いい傾向だなぁ……。 この調子でもっと仲良くなってくれたらいいんだけど。
～続く～
