いっててて…、
あ…、私たち階段から落ちたのね…。
ってあれ、俺…。
私…。
入れ替わっちゃったーッ？！
それも、腕の部分だけ！
じゃあ、この問題わかる人ー。
（ちぇっ、何で俺がよりによってガリ勉女の平田の腕となんか入れ替わって…）
スゥ…っと、石田の腕が上がった。
おわっ、俺の腕ッ？！
石田、そんなに自信があるなら前に出て答えてみろ。
えっ、あっ、いやっ！ 先生、この腕俺のじゃないンスよッ？！ 話せば長くなるんですけど
何言ってるんだ、その腕は誰がどう見たってお前の腕だろう。早くこの問題答えてみろ。
わ…、わかりません。
わからないなら、手を挙げるな。
ハハハハハハ。
くっそぉ、平田の野郎！（ﾁﾗｯ
（ごめん…、ついいつもの癖で…）
（そっちがその気なら、俺にだって考えがある！）
でさー、その男がねー♪
平田の腕が、女友達の胸をわしっと掴む。
ひゃっ！ （ﾓﾐﾓﾐ
私の腕が勝手にィ！？ （ﾓﾐﾓﾐ
こ…、これは私の意志じゃないんだ！ 話せば長くなるんだが、実は…（ﾓﾐﾓﾐ
そ・・・、それよりこの手、早く何とかしてぇ…、やぁんっ♡（ﾓﾐﾓﾐ
石田の奴めェ…！ どこかできっと見ているに違いない！
ｶｼｬｯ
変態女激写ですぅ。明日の校内新聞の一面に飾るですぅ。
あっ！ こら、ちょっとォ！？
終わった…。私の高校生活が…。
すっげえ…、女友達の胸の感触が手に取るようにわかる…（俺の手じゃないけど）
キッ！（睨み付ける音）
ぐえええええええええっっ！！
く…、苦しィィ…ッ！
そこで自害しなさい。
首を絞めてるのは私だけど、傍から見ればアンタが自分自身で首を絞めてるようにしか見えないから、
私は疑われない。警察も自殺で片をつけるでしょうね。
わ…、わかった…。もう悪さはしない…！ だから、ゆ…許してェ…。
本当ね？ じゃあ信じてあげる。でも覚えておきなさい？ 私はいつでもアンタを殺せるんだから。
…はい。
それにしても、どうやったら俺達の腕は元に戻るんだろうな？
…もう一回、階段から落ちてみるとか？
…それしかなさそうだな。
うわあああああああああっっ！ （ｶﾞﾗｶﾞﾗﾄﾞｯｽﾝ！
うぅ…、大丈夫か、平田？
何とかね。あれ…？ 腕が戻ってる？
やった！ 腕の感触があるぞ！ おかえり、俺の腕！
これで一件落着だな！
そうでもないみたいよ。
えっ、何で目の前に俺がいるの？
…どうやら、私達、
お互いの視界が入れ替わっちゃったみたいね…。
うそおぉんっっ？！
終
