お兄ちゃんに近づくと許さないんだから！！
何を言ってるの。お兄ちゃんに一番近いのは、あなたじゃない
え？
だって、家でも一緒なんだよ？ しかも私は他人で貴方は血縁じゃない。私の方がどう見たって、負けてるよ
え、え、そ、そうかな……
そうだよ！ でも私も負けないもん！
え？ あれ！？
頑張ればきっと……
だ、だから、お兄ちゃんに近づくなって……
大丈夫！ 貴方とも仲良くやっていける！
仲良くなんてなりたくない！！
……な、なんで！？
お兄ちゃんを私から盗るやつは、みんな敵なんだから
……私は敵じゃないよ？
え、でも、お兄ちゃんのこと……
うん。好き
だったら……
私はあなたの事も好きだよ？ 彼の妹だからじゃなくて、純粋に可愛いと思うし。一途な女の子って素敵だと思うし
あ、う……と、とにかくお兄ちゃんに近づくな！！ これ以上近づくと……
お兄ちゃんが悲しむ事はしちゃダメよ？ 私も悲しいよ……？
お兄ちゃんは悲しまないもん。あんたが消えて清々するもん！！
でも、警察にお世話になるような事になったら、お兄ちゃんに会えなくなっちゃうよ？
…………ぐぬぬ
ね、だから仲良くしよう？
うぅ～……むかつく、むかつく、むかつく、むかつく、むかつく、むかつく、むかつく、むかつく、むかつく、むかつく！！ お前なんて消えちゃえ～！！！！！！
脱兎の如く逃げさる妹ちゃん。
あぁ、なんて可愛い妹なんだろう。いいな～、私にもあんな妹欲しいな～
こうして主人公の居ない所で、バッドエンドが一つ回避されたのであった。
