“THE 怪談。Σ(゜Д゜)”

夏休みを利用して落葉香と眞流山は開藤姉妹の家に泊りに来ていた。

ふぅ、いいお湯でした♪

二人とも、おまたせ。

湯上りの正奈さんもいいですねぇ♡

これでみんな入ったな。

そうだね。

よし。

じゃあ寝るか。

異議あり!

うん? なんだ?

当初の目的がまだだよ。 みんなで怪談するって言ったじゃん。

そんなのは知らん。 お休み。

異議あり!

却下する!

うう、なんで駄目なの?

あ、なるほど!

もしかして怖いんですね。

な! 違う! 別に怖くなんか…

そうだったの。 もう解ちゃんってば可愛いね♪ お姉さんが付いてるから安心して。

だ、だから怖くないって言ってるだろ。

じゃあ始めましょうか♪

し、しかしこの手の話は正奈が苦手…

私は大丈夫だよ。

きょ、今日はさ、あまり暑くないし、他の暑い時にでも…

じゃあ私から。

おい! 勝手に始めるな!

聞きたくなければ耳を塞げばいいじゃないですか。

うぐぐ。

でわ参ります。

眞流山「これは私が体験した話なんですが…」

お! 体験談とは、流石だね!

何が流石なの?

眞流山「話を進めます」

帰りが遅くなった私は近道しようと、森の方へと歩いたんです。

もうこんな時間だよ。

忘れ物を取りに戻ったのはいいけどクラスの仕事を手伝わされることになるとは。

早くしないとドラマが始まっちゃう!

眞流山「ですがその時、私は気づいてしまったんです」

眞流山「後ろから誰かが付いてきてる事に!」

きゃーーーー!!

うわ! な、何!? 敵襲!?

敵襲って…

まだ話の本題にすら入ってないですよ。

だ、だって! 誰かが付いてきてるんだぞ! なんで平然としてられる!

と、とりあえずお姉ちゃんは放っておいて続けて。

そうさせていただきます。

眞流山「ゴホン、話を再開します」

眞流山「私は気のせいだと思いその時は何も思いませんでした」

眞流山「ですがその足音は私が移動すると共に聞こえ、止まると聞こえなくなる」

眞流山「流石の私も気味が悪くなり足早に歩いたんです」

眞流山「それでも私に合わせるようにその足音も追ってきました」

眞流山「私は走りました! 振り向くのが怖くて無我夢中で走りました!」

どうして! どうして追って来るの!

ザッ ザッ ザッ。

はあ、はあ! 痛!

眞流山「私はこけてしまい、起き上がろうとしました」

眞流山「しかしすぐ後ろに気配を感じました」

眞流山「私は勇気を出して振り向きました!」

眞流山「するとそこには目が赤く光っていて息を荒くしているものが!」

二人「「きゃああああ!!」」

怖がってもらえて何よりです。

私は平気だった。

正奈さんは慣れてましたか?

すごく慣れているわけじゃないですけど、前に読んだ本にそういう内容があったなと思いまして。

そうですか… ちなみにオチを言うと追って来たのは兄でした。 目が赤かったのは夕日が眼鏡に反射してたからです。私を脅かすつもりだったとか

なるほど。 それを聞いて安心したよ。

も、もうそろそろ寝よう! 正奈! 今日はお姉ちゃんが一緒に寝てやるから。

何で?

そうだよ! 盛り上がってきたじゃん!

お前一人でやってろ!

そういえば次は私だね!

だから無視する…

これは聞いた話なんだけど。

うう~。

落葉香「学校のトイレにまつわる話、昔トイレで自殺した女の子の話」

けっこう定番ね。

私たちの学校にもその類の話があったんですか?

落葉香「そう。 それは右から5番目のドアの前でノックするの」

落葉香「そしてノックしながらこう言うの。 のりこちゃん、あなたはどうしてここにいるのって」

のりこちゃんって、新しい展開だね。

普通はいますかと聞くのに今回のはいる前提なんですね。

落葉香「そしてその後に入って、またそこで言うんだって」

落葉香「でも決して言った後、上を向いたらいけないの」

どうして?

落葉香「なぜなら、死んだのりこちゃんが青ざめた顔で見て睨んでるから!」

ぎゃあああああ、もうやめてー!

え? そ、そんなに怖かったかな?

お姉ちゃん…。

ちなみにオチは?

のりこちゃんはその日、返ってきたテストが0点ばかりで怒られると思ってトイレに籠ってたとか。 その子も普通に卒業してったらしいし。

青ざめてたのは親に怒られる恐怖に対してなんだろうね。きっと他にもいろいろ言われてそうな話っぽいね。

もう、ほんと…。 勘弁して。

次、正ちゃんだよ。

うう~。

じゃあ、とっておきのやつ。

楽しみです。

正奈「これは私が読んだ話なんだけど」

正ちゃん、雰囲気でてるー!

それでそれで!

正奈「ある男の人が車で道を走行中、ふと居眠りをしてしまったの」

正奈「気付いた時にはもう道に突っ込む手前」

正奈「でもそこにはお地蔵さんがあってそこにぶつかったの」

正奈「お地蔵さんを壊してしまった運転手はそこからすぐに逃げてしまったの」

正奈「その夜、男の人が寝てると…」

正奈「ふと体が重くなる感覚に襲われたんだって」

正奈「自分に何が起きたか解らなくて目を見開いたらそこには!」

よくも壊したなー!

ぎぃややややや!!

お、お姉ちゃん!

ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!

ふう、今日はもうお姉ちゃんが一人でトイレに行けなくなると困るから終わりね。

その、ごめんね。

正奈さんがそういうなら仕方ないですね。

ほら、お姉ちゃん。 もう寝るよ。

えううっ、せ、正奈! えっぐ、 お姉ちゃんを、ひっぐ、見捨てないで。

二人「「(あ、可愛い♡)」」

(日ごろ邪魔してくれたお礼です!)

ああ! 今解羅さんの肩に謎の手が!

ひぃややややや!!

え! ちょっと!

眞流山「やめ! もぷ!」

あ、出た。

ど、どどどどいうこと!?

お姉ちゃん、恐怖が許容量超えると相手の口を塞ぐ癖がでるの。

しかも自分の口で。

じゃ、じゃあもしかして正ちゃんのファーストキスは!?

うん。 お姉ちゃん。

ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!

せっかく正奈さん用にとって置いたのに!

今のは流石に眞流山さんの自業自得。

がーん! ショックです。 もう忘れるために寝ましょう。

わ、私も刺激しないようにもう寝るよ。

ほら、お姉ちゃん。 こっち来てもう寝よ。 こないと一緒に寝ないよ。

正奈~! お姉ちゃんを見捨てないで~!

(やっぱりこの解ちゃん可愛いかも♡)

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Posted at 2012/07/13 01:12 Viewed 29 times

From Author

そろそろあの季節ですね♪

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