（でも… なんで楓に見えるの…?）
（俺が知るわけないだろ… 俺はお前の意識体じゃなかったのか…?)
（それは私にもわからないよ… ずっとそういうものだと思ってたから…）
（ん…？待てよ）
（…？）
（俺のことが見えてるならなんで部室で会議してた時に気付かないんだ?）
（あ…）
（もし見えてるならその時に普通気付くよな…?なんで…）
じーーーー
なんか すげー見てるぞ
それにしても わからないなぁ なんで前世が急に現れたのか
それになんで同じ場所に 別個体として存在してるのか
それは私たちにもわからない…
俺らも詳しいことはなんも聞かされてねぇからな
聞かされる…?
夢の中に出てくる人
どんな人なの?
さぁ…?
さぁ…って 誰かもわからないまま話してたの?
「うん…」 「ああ…」
……… （ああ……なんとなく前世と来世なのがわかったわ…）
で これからアリスはこの侍の清算をするつもりなの？
一応… けど 何をどうすればいいのかわからない
前世では非道な限りを尽くしたんだから 逆に善良な行いをすることだとは思うけど…
正直言うと それで清算できるとは到底思えない
してきたことがことだからねぇ
ん？ 俺がなんかあったか?
駄目だありゃ… まるで罪の意識を感じてない…
ああいう性格だから…
仮に清算できなかったらどうなるのよ?
そこまでは聞いてないからわからない
この世からもあの世からも消えるとか?
そうやって 言ってた部分もあった気がする
とにかく 今はまだ考える必要なんてないんじゃない?
うん それは思う…
人にとっての善悪なんて 簡単にしきりを引けるものじゃないし…
人助けなんかも そんなホイホイあるわけじゃないしね…
俺としちゃあ 清算してさっさと 成仏したいんだが
あのね!! もとはと言えばあなたの生前の行いが 招いた結果なのよ!!
それをこの子に押しつけるとか どんだけ性格悪いのよ!!
あのなぁ 俺は別に頼んでもいねぇし 人がどう生きようがとやかく言われる 義理はねぇぞ
俺がそうやって選び 取捨選択したんだ 俺の行動に文句なんて言わせねぇよ
前世であろうとなかろうと 俺とこいつ生き方は違ぇ ただそれだけだろうが
そんなの無責任すぎるじゃない あんたのせいでこの子が苦労しなきゃ ならないのよ!!
こいつの人生が不幸だとか苦労するだとか そんなもん こいつに限った話じゃねぇだろ
他に苦労してる奴なんてこの世の中 探せば 腐るほどいると思うがな
……ッ
二人とも落ち着きなさい…
何をどう言おうと 最後には自分に返ってくるんだから
あんたねぇ…
侍さんも私も間違いなく 私自身なんだから
この先の事なんて どうこう言っても仕方ない…
自分のしたいように 私はするだけだから…
……… あんたがそういうなら…
というわけで おやつにしましょう☆
（なんだこのテンションの落差は…）
こうして 楓にも侍さんの存在を知られてしまいましたとさ…
