“最強の二人”

アイス~、アイス~。

ぺろ。

ん~! 美味しい!

おいテメ―。

はい?

何見せつけてんだコラ。

そーだそーだ!

へ!? 別に私は!

うるせー! とりあえず有り金とそのアイスを寄こせ!

そ、そんな~!

おい、何やってる。

おお! 阿加井さん!

今この女から金を巻き上げていて…

小さいことしてんじゃねえよ! 潰すぞ!

ひい! すいません!

怖い思いをさせてすまない。 あいつらなりにあたしのためを思ってやったことなんだ。 許してやってくれ。

怖かったですけどわかりました。

あたしは阿加井 天と言うんだ。

あ、私は志樹我 落葉香といいます。

ん? 志樹我?

とりあえず私は用があるのでこれで。

(さっさと立ち去ろう)

あーーー! そうか!

うひゃあ!

唐突なんだが、君はこういう伝説を知ってるかい?

伝説ですか?

この街には昔、神速の白い剣と神速の黒い盾が存在した。

二人はタッグを組むと誰も止められない、まさに最強の二人だった。 あたしも昔から白い剣の部下として今ここにいる。

そうなんですか。

だが二人は結婚してすぐに引退したよ。 そして子供と一緒に楽しい家族団らんを過ごしている。

いい話ですね。

この街に住んでるなら会ってみたいですね。 そんな伝説を持つ人に。

何を言ってるんだい? 君の両親じゃないか。

・・・。

はい?

その二人の名前はねこ尚とねこ美という。

お母さん達の名前だ!?

ちょうどいい! 今から久しぶりに会いに行こうとしていたんだ! あたしもついていかせてもらおうじゃないか!

そして、

お母さん! どういうこと!

あんたただいまが先…って、阿加井?

お久しぶりです! ねこ美さん!

お久しぶり。 あれからどう?

いまではトップを務めさせてもらってます!

それはよかったわ。

よくないわ! 親が元暴走族って結構受け入れるのに時間がかかりそうなこと何で隠してたの!?

落葉香、私達は暴走族じゃないわ。 善良な市民を守る集まりよ。

でもさっきかつあげされた。

そう…。

ね、ねこ美さん! そいつらは私が言って聞かせましたからどうかお慈悲を!

それならいいわ。 あなたプリン食べてく?

あたしの好物! さすがねこ美さん!

私が買っておいた奴。

ところであなたは何の用?

おお、そうだった!

実は…

(お、急に顔がこわばった! シリアスな展開!)

(きっと倒せない奴が居るから助けて欲しいとかかな? ドキドキ)

そろそろ落葉香ちゃんをください!

本日二度目のどういうこと!

そーよ、こんな赤点ばっかり取るような子のどこがいいのよ。

これでもあなたの娘ですよ!? しかもばっかりなんて決めつけないでよ!

じゃあいい点取ったの?

ごめんなさい。

そう! まさにそれですよ!

えっと? つまり?

つまり、場を楽しい雰囲気にしてくれるところですよ。 あたしはそこに惚れたんです!

落葉香ちゃんがまだ小さい頃ねこ美さんが私達のところに連れて来てくれましたよね?

あー。 あの時のね。

実は、その時のメンバーとちょっと意見違いがあって空気がピリピリしてたんですよ。

その時、落葉香ちゃんが喧嘩は駄目っと一言言った瞬間、みんなやんわりとなって。

そして血を見ることなく喧嘩は収まりました。 あたしはこれはきっと落葉香ちゃんのカリスマだと思ってます。

そして落葉香ちゃんが大きくなったらお嫁にもらいにこようとはせ参じて来たということです!

ふーむ。

検討する必要がどこにあるの!?

いやあんたにそっちの気があるならいいかなと思って。

ないよ! 私は男の子の方が…

そいつ、今から部下にバイクで引きずらせます。

いや好きな人はいないけど男の子の方がいいって言おうとしただけじゃん!

よほど落葉香のこと好きなのね。

はい!

それにあたしの好みの顔つきと体つきをしてるからでもあります!

じゅるり♡(落葉香の方を向いて)

ひいい!

じゃあ…

私に一か所でも傷をつけられたら考えてあげる。

わかりました! 本気で挑みます!

久しぶりに血が騒ぐわねお父さん。

下の猫「・・・」

地面にキスさせてやんよって言ってるわ。

意外にお父さんの言葉のチョイスがすごい。

お父さん「・・・」

お前はさっさとウエディングドレスでも着てろっと言ってるわ。

娘だよ! 守ってよ!

そして、

ここはいいわね。 いつ来ても。

さあ、やりますよ! あたしと落葉香ちゃんの未来のために!

どうぞ。

お母さん達が勝ってくれないと私の人生が!

引退したからってそう簡単には負けないわよ。

隙あり!

よっと。

ぼぐっ!

ぐはっ!

そんなんじゃ落葉香を任せられないわ。

負けるもんか!

甘いわ!

ベキッ!

がふっ!

あらら、この程度?

すごい! さすがお母さん!

ならこれで!

お父さん!

お父さん「・・・」

何!?

お父さんのガードはあいかわらず鉄壁ね。

さっきお父さんなんて言ったの?

弱い! 弱いわ! そんなんじゃこのダイヤモンドの腕を突破できないぜと言ったわ。

そんなに硬いんだ。

私よりふにゃふにゃよ。

お父さんは戦ってる時だけ硬くなるのよ。

隙あり!

見え見えよ。

ボスっ!

あうっ!

そろそろ終わりにしましょうかお父さん。

お父さん「・・・」

孫の顔が見たかったと言ってるわ。

お父さん馬鹿でしょ!

なんのーーー!

おっと。

今のはいい攻撃ね。 でももう…

私の勝ちです。

あ! 私の尻尾の毛!

今尻尾って言った!? 尻尾の毛って言った!?

なるほど。 強くなったわね。

でももう立っているのが辛いです。

わかったわ。 あなたに落葉香を託します。 守ってあげてね。

はい!

こんにゃろー! 私の意思を無視するなーーー!

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Posted at 2012/07/20 13:59 Viewed 32 times

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赤い髪のキャラの登場です! 頭に浮かんでくる台詞をたたきこんでいます。

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