“輪廻と転生 月明かり編 10話”

ん…ん……

アリス 「ん…ん…」

侍 「チッ…なんだってんだ」

侍 「おい嬢ちゃん!大丈夫か!?」

アリス 「うん…なんとか…」

侍 「たく、言わんこっちゃない」

アリス 「う…うん まさか穴に落ちるなんて…」

侍 「俺だって予期してなかったよ…」

アリス 「う~ん… ずいぶん落ちたみたい」

侍 「だな… 明かりが全く見えねぇし…」

アリス 「ちょい待ち」

カチッ

ボワァァ

侍 「おお なんだそれ!?」

アリス 「発煙筒、懐中電灯もあるけど もしもの時のために電池を節約したいからこっちにした」

侍 「なんか 熊が出てきても勝てそうだな」

アリス 「う~んちょっと無理かな」

ちゃららららん

楓 「アリスゥゥーーー!!!」

楓 「はぁはぁ… ダメ…返事がない…」

春香 「楓!! アリスちゃんは!?」

楓 「この穴に落ちたみたい…」

春香 「うわッ 中が全然見えない…」

楓 「どうしよう… アリス…」

春香 「楓 落ち着いて」

楓 「落ちつけるわけないでしょ!! 友達が無事かどうかもわからないのよ!!」

春香 「落ちつきなさいッ!!」

楓 「…ッ!!」

春香 「まず状況を整理しましょう ケータイはつながりそう?」

楓 「えっと…」

プルプルプル……

楓 「ダメ…繋がらないわ…」

春香 「そっか… う~ん…この穴 どうやら洞窟みたいね…」

春香 「草場の影になってて落ちたのね、おそらく中は洞窟になっていると思うわ」

楓 「洞窟…?」

春香 「井戸にしては形がいびつだし 声が反響してるところからするとおそらくね」

春香 「それに中が全く見えないのは 穴の形状が緩やかに屈曲してるから」

春香 「ただ結構深そうね…」

楓 「どうすればいいの?」

春香 「まずは地形から推測して 下に落ちたのだからここより標高の低い場所に移りましょう」

楓 「でも出口がここしかないかもしれないじゃない…」

春香 「大丈夫よ 風がかすかにするでしょ?」

楓 「え…うん…」

春香 「風は他に逃げ道がないと起こらないから、出口は他にもあるわよ」

楓 「あ、そっか…!!」

春香 「よしッ そうと決まれば出口を探すわよ!!」

楓 「え うん!!」

トコトコ

侍 「こっちの方に歩いていって大丈夫なのか?」

アリス 「大丈夫 風がこっちから流れてるから おそらく出口はこっち」

アリス 「しかもかなり大きな出口だと思う」

侍 「う~ん あんまりあてにならないな…」

アリス 「私を信じなさい」

侍 「大丈夫かよ…ホントに」

ちゃららららん

アリス 「ん?」

侍 「ん?どうした?」

アリス 「道が広くなってきた」

アリス 「懐中電灯に切り替えてみる」

カチッ

「…ッ!!」

アリス 「ひぃッ…!!」

侍 「……骸骨が山積みに……」

侍 「なんだよこれ… ここは墓場かなんかかよ…」

アリス 「なんでこんなに…」

侍 「生き倒れってわけじゃなさそうだな…」

アリス 「……どうして…」

侍 「さぁな…それより…」

アリス 「どうして……」

侍 「…?嬢ちゃん?」

アリス 「………」

からん

!?

侍 「嬢ちゃん!!」

アリス 「うん!!」

タッタッタッタ

タッタッタッタ

侍 「チッ見失ったか…」

アリス 「けど出口は2つしかないから 上はないということは…」

侍 「このまま風の方向に進めば自然と 追いつける!!」

アリス 「うんっ!!」

タッタッタッタ

アリス 「明かりが見えてきた!」

侍 「よしっ このまま突っ切るぞ」

タッタッタッタッタ

二人 「出れたあああ!!!」

ざざぁーーーー

へ?

楓 「春香!! ホントにここで大丈夫なの!?」

春香 「地形から考えてこのあたりで間違いないはずよ!!」

楓 「けど 滝があるだけで洞窟なんてないわよー!!」

春香 「おかしいなぁ この辺なんだけどな…」

ざざぁーーーー

アリス「出れたあああ!!!」

楓「アリス!?」 春香「アリスちゃん!?」

アリス 「あれ…」

ずざざざざーーーーー

アリス 「ああ~れぇ~~~~」

楓「アリスーーーーー」 春香「アリスちゃぁぁぁんーー」

ざぶん…

ざざざあーーー

アリス 「お目目ぱちりんこ…」

楓 「アリス!? 怪我はない!?どこか痛いところはない!?」

アリス 「大丈夫快調快調…」

楓 「もう!!! 心配したんだからね!!!」

アリス 「う、うん ごめんなさい…」

楓 「はぁ… 本当によかった…」

春香 「しかし おったまげ―しょん まさか滝の中から出てくるなんて」

アリス 「それは私も予想外」

侍 (俺だってびっくりだわ)

アリス 「二人とも…」

二人「うん?」

アリス 「心配かけてごめんなさい… 今後は気をつけます…」

春香 「アリスちゃん…」

楓 「もういいわよ 無事にアリスが帰って来られたんだもん…」

楓 「それだけで十分よ」

春香 「いやぁ 今日はずいぶんとスリリングな体験だったね」

楓 「笑いごとじゃないわよ!!」

アリス 「けど 今日は目的を果たせた…」

楓 「目的?」

アリス 「うん…洞窟発見という目的」

楓 「あんたねぇ… 最初からそれが目的だったの?」

アリス 「うん あくまで洞窟の存在を確認したかっただけ」

アリス 「中に入るつもりまではなかった…」

楓 「そっか… まぁ今日は目的が果たせてよかったわね」

楓 「でも もう今後危ないことはさせないからね」

アリス 「うん 気をつける…」

楓 「ならよし」

この後すぐに帰り 家に着くと同時に寝てしまった…

洞窟の中でみたものについては 二人には話すことができなかった…

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Posted at 2012/10/26 01:44 Viewed 19 times

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お魚さん獲れないです…。侍さんは意識体なのでご飯を食べることができない。(案内)序章はこちらhttp://www.kimip.net/play/kVULi、序章→1~4話→序章の終わり→月明かり編の順番で読んで頂けるといいかと

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