“【4コマ】ナビタイム君 3巻”

「松茸狩り」

すごいすごい! こんな穴場スポット知ってるなんて、さすがナビタイム君だね!

おかげで見て! こんな大きな松茸採れたよぉ!

ハハハ、僕のマツタケの方が…(チラッ 大きいですよ

下ネタかよ!!

「東京タワー」

到着しました。ここが目的地の東京タワーです。

うわぁ! すごいすごい! おっきーい!

ハハハ、僕のタワーの方が…(チラッ

って言わせねーよ!?

「見間違い(5コマ)」

ありがとう! 浮き輪借りてきてくれるなんて、今日はちょっぴり紳士だね!

浮き輪 貸出(1日) シングル600円 ダブル1000円

!!? そ、そんなもの貸出していたのか…知らなかった。

あ、あの… 乳輪貸して下さい。 だ、ダブルで。 えへへ

お前もう捕まっちまえよ!!

「懐かしの制服」

ねぇ見て見てー 高校の時の制服着てみちゃったー♪

お嬢様っておいくつでしたっけ?

25歳だよ。

露骨に嫌な顔すんなよ!

「子猫ちゃん拾いました」

あのー子猫ちゃん拾ったんですが…うちで面倒見てもいいですか?

うん、いいよ~。 どんな子猫?

これです!     ぶるぶるぶる

その子猫ちゃんはアカーーーン!!!

「童話の中の少女(8コマ)」

君、お名前は?

は、ハルです。 マッチ売りの仕事してます。

マッチ売り? もしかしてアンデルセン童話の…?

はい…。

と、ということは…童話の世界から抜け出しちゃったってこと? どうしよう…。

ここは僕に任せて下さい。 話はすべて聞かせてもらったよ。 君はマッチ売りなんだってね?

ところで… ハルちゃん自身はいくらで買えるんだい?

お前は本当にブレないな。 はるは買ったらいかんだろう…

「お利口さん」

あ、あのう…お部屋のお掃除終わりました。

うわ、いつの間に!?しかも超ピカピカ! どっかの変態と違ってすごいなぁ!

スッ… ちょっとハルさん、まだここに…ほこりが残っていますよ?

お前はどこの姑だよ!

「お姉さま」

お、お姉さま 今日もお美しいですね。

キャー! 美しいだなんて嬉しい!

おいおいハルちゃん…寝言は寝てからいいなさい。

お前は一生寝てろ!

「幸せって(9コマ)」

あの、私そろそろ童話の中に帰らないと…

でもハルちゃん… 童話の中に戻ったらハルちゃん死んじゃうんだよ?

お姉さまはお優しいですね。まるで本当のお姉さまができたみたいで嬉しいです。

ハルちゃん…

でも、あの結末が私にとってのハッピーエンドなのです。死の直前に私はいっぱい不思議な…いや幸せな体験ができましたから。

それに、童話の中の幸せとこの現実での幸せ…私は人の何倍、何十倍もの幸せを感じることができました。これ以上はもったいないくらいです。

強いなぁハルちゃんは…。 でもさ、童話の中へはどうやったら戻れるの?

ああ、それでしたら僕帰り道知ってますよ。アンデルセン童話で検索すれば出てきますし。

お前最初から知ってたのかよ!

「君が残していったもの(前編)」

この湖の中に入れば、童話の中へ戻れます。

行っちゃうんだねハルちゃん…

はい… お姉さま…

本当に幸せな時間をありがとうございました。 私、お姉さまのこと絶対忘れません。

私も、私も忘れないから!ハルちゃんのことずっとずーっと覚えているから!

うふふ、ありがとうございます。 それじゃ、またいつか――

そう笑って彼女は湖の中へと消えていった。またいつか、なんてもうこないのに…。思えば、彼女の笑顔を見たのはこれが最初で最後だ。

おや?何か浮かんできましたね。 これは…本だ。

もしかしてそれ、マッチ売りの少女が書かれているんじゃない?

いえ、エロ本です。

いいかげんにしろ!

「君が残していったもの(後編)」

ごめんなさい。エロ本というのは冗談です。お嬢様の言う通り、マッチ売りの少女が書かれています。

やっぱり! ちょっと読んでみてよナビタイム君。

ハイ。 翌朝、街には少女の遺体がありました。近くにはマッチの燃えかすが一束おちて…

は、ハルちゃん… やっぱり…

まだ最後まで聞いて下さい。 人々は「あまりの寒さにマッチで温まろうとしたのか」と哀れんでいました。

しかし少女は口元に微笑みを浮かべ、幸せそうな顔でいました…とさ。

ほら、見てください。 最後のページに挿絵が付いていますよ。

本当だ… すごく綺麗。それに、本当に幸せそうな顔してる。

僕らがこうして今を生きていること。そんな、ありふれた日常の中に幸せっていっぱい存在しているんですよね。

でも、あまりに幸せが近くにありすぎて僕らは気が付かない。だからもっと高いレベルの幸せを求めてしまう。

身近な幸せを感じることができたら、人生もっと楽しくなりますよね。それこそ最後の一瞬まで。彼女は、僕らにそう教えてくれたのだと思います。

ふ、ふん… こんなまじめな発言するなんて…らしくないぞ。

そうですね。ただ、僕もハルちゃんのおかげで大事な気持ちに気づかされたんですよ。お嬢様と一緒にいる時間が、どれだけ幸せかって。

ば、ばか! 急にそんなこと言わないでよ!

ね、ねぇ… ナビタイム君は、ずっと私と一緒にいてくれるよね?

バッテリー残量が残り少ないためアプリを強制終了しました。

はぁ…本当いいところで決まらないなあいつは。

ご覧いただきありがとうございました。              おわり

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Posted at 2012/09/14 21:44 Viewed 82 times

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コメント見ると終わった感が出てるけど…続きますよ。え、終わった方がいいですか?前作→http://www.kimip.net/play/Qti0D

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