ガチャッ バタン
ただいま~
母「おかえり~」
スタスタスタ
あっ!妹ちゃん おかえり
……………………………
………
スタスタスタ
えっ、ちょっ、ちょっと!!
(最近妹の様子がおかしい)
(いや、それは今に始まった事じゃない)
(前までは俺に対して毒舌を吐いたり、ちょっと睨まれたり、さけられたり、ただ、ただそれだけだったけど…)
(最近無視され始めちゃった…)
(反抗期……ってやつかな)
(うん、分かる、その気持ちは十分分かるよ。妹よ)
(妹ももう高校受験を控えてナーバスなのだろう。それに女の子は友達付き合いも大変だと聞く)
(それは家の中ぐらい静かに過ごしたいだろう)
(でも、でもだ、俺たちはこの世でただ2人の兄妹だ)
(このまま気まずい空気を引きずってわ今後の家族としての絆すら危うくなる)
(それどころかこれを機に妹ちゃんが男に対して不安感を抱き、それが原因で彼氏を作れず
友達から「高校生にまでなって処女とかありえなくね~www」
(なんて言われ純粋無垢な妹ちゃんはそれを気にして援助交際に手を出し始め
(挙句の果てにはクラブのホストに借金までして貢ぎ始めたりしたら…)
(いっ、いかん、それだけはなんとしても回避しなくては!!!)
(そのためには、どんなに拒まれようとも話かけ続けねば!)
(よし、そうと決まれば即実行だ)
(妹ちゃん、安心して、絶対に暗黒面になんか落とさないからね)
スタスタスタ
(うううう、最近兄貴の様子がおかしい)
(兄貴が前にも増して話かけてくるようになった)
(しかも、前よりも優しくしてくれるようになったし)
(この前なんか慣れてないのにお茶淹れようとしてくれて、あたふたしながら準備してる姿を見てた時は可愛すぎてキュン死にするかと思った)
(そんなんだから最近照れ隠しで兄貴をバカにするみたいな態度とっちゃってるけど…)
(こんなんじゃいずれ兄貴が怒って)
妄想兄「おい!お前最近俺のことなめてるだろ」
妄想兄「ここらで関係をはっきりさせないとな」
妄想兄「ちょうどいい、この前母さんにエロ本捨てられて溜まってたんだ」
妄想兄「その体に直接誰が偉いのか教えてやるぜ、グエッヘッへー」
(だ、だめ、兄妹でそんな…あーーれーーー)
…………ヤバッ、鼻血でそう
もんもんもんもん(妄想中)
スタスタスタ
(何か妹ちゃん考え込んでる?)
(ハッ!! もしかして何か悩み事でもあるのか?)
(よし、ここは兄が計画通り優しく余裕を持って…)
おかえり、どうした黙りこくって。
疲れてんのか?ココアでも飲んで機嫌直せよ
ビクッ!!!!!
なっ、何よ、いっ、家の中だからって気軽に話かけないでよねこの変態!!
……………………
(って、のおおおおおおおおおん)
(突然優しく話しかけられたから思わず妄想の中のセリフが出ちゃった!!!)
(うん、分かってる、分かってたよ反抗期…反抗期なんだよな)
(分かってるはずなのに………何だろうこの頬を流れるものは)
(え!!ちょっと、ちょっと、兄貴目頭押さえちゃってるよ)
(な、なな、何とかしないと)
(こうゆう時は素直に、今の気持ちを)
もお、何うじうじしてるのよ!男でしょ……全く女々しいわね
そんなんだと母性本能くすぐられて押し倒したくなるでしょう
それともアレですか!わざとですか?そんな小賢しいことしてくるなんて…もう………
で、子供は何人欲しいの?まさか一姫二太郎なんて情けない事言わないでしょうね
最低でも野球出来るくらいは欲しいわね、それで私たちが加わってサッカーするんだから
あーもう、こんな話してたらムラムラしてきたじゃない。どうしてくれるのよバカ、変態、イケメン、大好き!
(って素直を意識しすぎたら、いつもの減らず口が出ちゃった!!)
(クソッ、頭では理解してるつもりだけど…)
(ショック過ぎて頭痛くなってきた)
(は~~、まったく俺は自分の妹の愚痴を聞いてやる事もできんのか)
(思えば幼稚園のあの時もそうだったなー………)
ボソボソボソボソ
(あ~~今度は独り言言い出しちゃったよ)
(な、なんでも良いから弁解の言葉を)
な~~んて事言っちゃったりして、てへぺろ☆
もう、なに泣いてるのよ☆冗談にきまってるでしょ
ホントにも~~~うダーリンのお.ば.か.さ.ん☆
ガチャッ (ドアオープン)
母 「……あんたら何してんのよ」
終わり