“だらるれろ その3”

………

…………

……………ん?

これは……写真?

……誰だろ

~~♪

このやたら元気な鼻歌は…ステラか。 丁度いい、聞いてみよう

おーい、ステラー ちょっと来ーい

♪そしてーかーがやーく  うーるーとーらー?

ちょっとステラ聞きたいことが

ある……んだけどなんで そんな顔してんの

お嬢様ノリ悪いですよう

あのさステラ。メタい発言したくないけど、結構危ない橋渡ろうとしてるからね?

まあお嬢様のノリの悪さは 昔から変わらないので どうでもいいんですがね

え、ちょ……なんか私が悪いみたいになってないか!?

それでお嬢様、ご用件は

こ……こいつ……!

まあ、いいわ。 引き出し漁ってたらこんな写真 出てきたんだけどさ?

写真、ですか

うん。これなんだけど

この女の人、誰だか分かる? 何故か私の部屋の引き出しに入ってたから気になったんだけど

あら懐かしい写真……しかしお嬢様? この方をご存知で無いのですか?

知らないから聞いてるんだけどさ

この御方はお嬢様のお母様ですよ?

………

は?

ですから、お嬢様のお母様です

マ、マジで言ってる?

私が嘘ついたことありますか?

普通にあるよね?

バレた。 ただ、この写真の御方は間違いなく お嬢様のお母様ですよ?

へぇ……

その反応ですともしかして…… 初めて奥様を見た、とか?

ん、まあね。母様は私産んですぐ 死んじゃったって聞いたし 今まで写真見たことも無かった

そうでしたか……

ステラが母様の事知ってるって事は、面識あったって事?

ええ、まあ。奥様のお腹にお嬢様が 宿ったとの知らせを受けた日に 私がこのお屋敷に雇われましたから

へえ……母様はどんな人だったの?

生前、奥様は新米の私を良く 面倒見てくださいました……

優しく、時には厳しく 私にメイドのいろはを叩きこんで くれた御方です

母様直々にって事?

ええ。もともと奥様も何処かのお屋敷のメイドだった様ですね。

なるほど……

時は流れ、私が漸く一人前として 認められる頃、お嬢様がお生まれに なりました。

ですが、出産直後に奥様の様子が 急変したのです。

……それで

はい。当時の医療技術では 奥様を救う事は出来ませんでした

お亡くなりになる寸前 奥様は私にこう告げました

私が愛すことが出来なかった あの娘を沢山愛してあげて どうかお願いします。 涙を拭いて──

──と。 そんなことが有りまして 今に至るわけですよ、お嬢様。

……うう

そういったわけで奥様の愛を 私が代わりにお嬢様に注いでいると。 そういうことなんですよ?お嬢様

………母様、天国で怒ってるかな こんな娘になってるなんてさ

そうやって奥様の事を 考えることが出来るのなら大丈夫。 きっと笑顔で見守ってくれてますよ

……ありがとステラ。 ちょっと考え変わったかも

それはなによりです。 これもひとえに奥様の愛、ですかね?

まあそういう事にしといてあげるわよ

……今からお墓参り、してこようかな

でしたら私もご一緒しますよ?

うん、母様に伝えたい事 いっぱいあるから。 先に準備してくるね

……

うふふっ

次回へ続きますとも!

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Posted at 2012/10/28 17:15 Viewed 8 times

From Author

怠惰なお嬢様とそのメイドさんのだらだら日常シリーズ。シリーズのどこから読んでも大丈夫な様に書ける努力がしていきたい。

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