『山田銀行:中編』

【吉永】 須崎くーん♪

【須崎】 ん・・・。 オレに用かい?

【吉永】 あの・・・よかったら・・・。

【須崎】 デートの申し込み?

【吉永】 う、うん・・・。 ダメ・・・かな?

【須崎】 もちろんいいよ。

【吉永】 わあ! うれしい!

【須崎】 ただし・・・。

【品田】 須崎くぅ~ん♥

【鈴川】 須崎クン・・・♥

【道原】 須崎ィ・・・♥

【町野】 須崎さん・・・♥

【須崎】 みんなまとめてだけどな!

効果はめざましいほどだった。

姓を変えた翌日から、驚くほどのモテオーラを放ってしまったのだ。

【須崎】 いやぁ~。 最高だな、これ!

【須田】 こんな経験しちゃったら、二度と山田には戻れないな。

【須崎】 こうなったら学校中の女の子、全員と仲良くなっちゃおうかな~。

【山崎】 おっと・・・そういえば、あいつにも声をかけてみるかな。

【須崎】 よぉ、金子! あいかわらず一人か?

【金子】 ん? 一人だよー。

【山田】 一人でヒマなら、デートでもしてやろうか?

【金子】 え? 山田と?

【山田】 あれ・・・?

【金子】 調子に乗るなっ! ばーか!

【山田】 どうしよう・・・。 また・・・山田に戻っちゃった。

【店員】 お客様の山田力は、かなりの強さをお持ちのようですな!

【山田】 今度は、もっと長続きするやつでお願いします!

【店員】 では、こちらの・・・。

【吉永】 紫藤くぅ~ん

【紫藤】 おいおい。 朝から激しいな。

【品田】 紫藤くぅ~ん♥

【鈴川】 紫藤クン・・・♥

【道原】 紫藤ォ・・・♥

【町野】 紫藤さん・・・♥

【紫藤】 わかったわかった。 順番にな!

今度もビックリするくらいモテた。

【紫藤】 いっやぁ~。 こりゃたまんねーわ。

【山藤】 この姓が続く間、タップリ楽しむとするかな。

【紫藤】 おっと。 一人忘れてたっけ。

【紫田】 どうした、金子! 何ショボくれてんだ?

【金子】 な・・・なんでもないよ。

【山田】 なんでもないってことはないだろ。

【山田】 相談に乗るから、話してみろよ。

【金子】 山田はさ・・・自分の好きな人が、いろんな相手と付き合ってたら、どう思う・・・?

【山田】 え・・・あ、うん・・・。

【山田】 その・・・あの・・・今、山田って呼んだ?

【金子】 べっ、別に・・・山田のことが好きなわけじゃないからねっ!

今度もまた、銀行まで走った。

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公開日 2012/10/20 14:48 再生回数 9

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