かくして 私たちはそれぞれ別行動をとりながら
私が先日見た影について調査することとなった…
とは言っても… 私も何をどう調べればいいか わからない…
う～ん… 今日の買出しをしながら考えよう…
へいらっしゃいっ
ごぼうとなすびと 大根ちょーだい…
あいよっ 全部で１２０円だよっ
２００円出しましょう…
おつりの８０円ね!! お使いだなんて偉いね 嬢ちゃん
いまどきこんな八百屋も珍しい…
都心部と落差が激しいからねぇ ほとんど人が都心部に移っちまって この町も寂れる一方さ
かなしいね…
でも嬢ちゃんみたいな子が この町に留まっているし この町も捨てたモンじゃないねぇ
この町だっていいところはある… みんなそれをわかってないだけ…
嬢ちゃんの言うとおり!! あんたよくわかってるねぇ
この町のこういう雰囲気は好きだ…
気に入ったよ サービスでニンジンもあげるよ!!
やったーー･･･
それと これも
なにこれ…？
俺にもよくわからねぇが この町を気に入ってくれる人に渡してるって
町長が言ってたんでな
へぇ…
おれ自身も嬢ちゃんを気に入ったからな それにうちには腐るほどあるからなぁ
んー… そういうことなら頂こー…
おう 受け取ってくれ
ニンジンを手に入れた 謎のお守り袋を手に入れた
ありがとー
また来てくれな!!
いいともー
ちゃらららん
八百屋のおっちゃんと 仲良くなってしまった…
そういえばこのお守り袋 中身なんだろ…
ゴテゴテ
なんか石みたいなの入ってるけど… 大丈夫かな…
ま いいや かえろー
すみません 見つかりませんッ
ん？ なんだろ…
この辺で落としたはずなんですけどねぇ…
バカ野郎 もっとよく探せ!!
アレはウチにとってもどれだけ重要かわかってんのか！？
す、すみませんッ!!
誰かの手に渡る前に見つけ出せよ!! いいな!?
は、はいッ!!
そろ～…（誰かの手に渡ったらまずい物…??）
（そもそも…こんなところでなんの話を…）
ガタンッ
誰だ!?
…!?（まずい…）
タッタッタッタッタッタ
ハァハァ…
（これで走るのは二回目だ…）
ちぃ 人混みに紛れたか!! 探せ!!
まずい… 見つかるのも時間の問題…
こっちだ…
…!?
グイ
ちぃ!! どこ行きやがった どんな奴かみたか!?
黒っぽい服は見えたんすけど…
しっかり探せや!! まだそんな遠くに逃げてねぇ!!
へ、へい!!
ハァハァ… ここは…？
どうしたんだい そんなに慌てて
牛肉のおじちゃん…
すごい認識のされ方… そうそう 牛肉売ってたおじちゃんね
こんなところで何してたの…？
取引先と丁度仕事を終えてね… 今から帰るところだったんだよ
また宅配魔法…？
そうそう 宅配魔法だよ ……… そんな魔法ないんだけどね…
嬢ちゃんこそ 何やら物々しい雰囲気だったが どうした？
じつは…
説明中
なるほどねぇ そりゃこの辺を拠点にしてる 赤旗組だね
赤旗組…？
簡単にいえばならず者の集団 正直言ってヤクザよりタチが悪い
そんな人達がいたんだ…
あらゆるところから物資の横流ししてたり、海外のマフィアともつながりがあるらしい
おかげで連中いろんな物を扱って商売しやがるから こちとら商売あがったりだよ
そんな人達が一体何を探してるんだろ…
さぁね 横流しで手に入った物を下っ端が無くしたか…
あるいは パクられたか…
話を聞く限りじゃパクられたっていうのはなさそうだが… どちらにしろ首を突っ込まない方がいいな
うん… さすがに恐かった…
はははは!! あんたみたいな子でも物怖じすることはあるんだな
れでぃーですから…
ははは 違いねぇ そこの裏道を出ると連中にバレずに 帰れるはずだ
一応注意しながら帰りなよ
うん… 何から何までありがとう…
いいってことよ ウチをひいきしてくれる奴になんかあったら大変だからな
そりゃそーだ…
じゃあな
ばいばーい…
それから このまま裏道を出てなんとか家につくことができた…
おひるごはんを買いに行ったはずなのに 家についたころには夕方になっていて長老に怒られちった…
しかし… 一体ホントに彼ら（赤旗組）は何を探していたのだろうか…
