(僕は今、人生初の『修羅場』を迎えている……誰か助けて……)
「○○○君。 あたしのことが一番……好き……なんだよね」
「あたしは、世界で一番……誰よりも、○○○君の事……好きだよ。 例えば、学校にゴスロリの格好で登校する末期の中2病患者で年中・邪気眼発症中のイッタイ女よりずっと……」
「……貴様、その中2病とか、邪気眼とか、我(ワレ)――極黒のレイ・フランソワ・ルーン・ド・ラ・ヴェインナード・皇(スメラギ)――の事か……呪うぞ……3秒以内に謝らんと、とんでもなく呪うぞ……」
「ま、まぁまぁ、大山田さ……」
「我の名は、極黒のレイ・フランソワ・ルーン・ド・ラ・ヴェインナード・皇(スメラギ)!」 ビッシィイィィ!
「あ、うん、レイさん」
(……本名、大山田 花子なのに)
(大山田さんって、留年くりかえして、たしか20歳なのに。選挙権もあるいい大人なのに……)
(まぁ、見た目はローティーンのロリ美少女なので、手を出してしまったんですけどね)
(さらに、この娘……幼馴染で同級生の真奈にも手を出していた事がバレてこんな状況なんだけど……)
(いや、僕が悪いんじゃない……悪いのは……)
(真奈のけしからんオッパイだ。Fカップ美少女のオッパイが僕を狂わせんだ。オッパイの重力に僕の魂が吸い寄せられたんだ!)
「……○○○君。」
「何、オッパイ……あ、いや、真奈、何?」
「あたしとこの痛い女と、どっちを選ぶの?」
「そ……それは、その」
「……○○○。我を選ぶに決まっておるよな。我と○○○は百万年と二千年前と10日前から愛しあっている、魂で引かれあった永遠の恋人――魂恋人――なのだから」
「ナ~ニが――魂恋人――よ、この20歳過ぎのロリババア! 百万年とか、あんた馬鹿ぁ?」
「フ、――魂恋人――である我と○○○は魂の転生を繰り返し、常に愛し合ってきたのだ。凡庸な人間風情には理解できんだろうが…………な」
「ええ、痛すぎて理解不能ね。 アンタ、病院行きなさいよ。脳の」
「理解力の無い低能な人間が何か言ったか? そうそう、お前の理解力が無いのは、胸にばっかり栄養がいって、頭に栄養が足りてないからだと思うぞ。 プッ、クスクス」
「……殺す。 このぺチャパイロリババァ、殺す……」
「ペチャパ……」 プッツン 「……滅する……。我が最強の闇魔術の最終秘奥義 ――惑星落とし(プラネット・ストライク)――をもって……」
(や、ヤバい。ホントに殺し合いになりかねない。バッドエンドのよ・か・ん)
(真奈の奴、カバンから包丁出してきたし)
(大山田さんは、コンピュターゲームのファンタジーRPGとかで、最終ダンジョンの奥底にありそうな、秘宝(アーティファクト)級の大賢者の杖を、スカートの中から、出してきたし)
……ガラッ 「アレ? ここ…………3-Bの教室?……あ、部屋を間違えちゃった」
!
!
(……見つけた……真の……魂恋人……を)
(すっごい美少年……やだ、見ているだけで胸がキュンキュンしてくる)
「……ボク、昨日3-Aのクラスに転校してきた、新宮 ミッシェル 五郎です。 3-Bの皆さんとは隣のクラスですが、これから、よろしくお願いします。じゃあ、ボクはこれで」 ペコリ。 …………ガラッ。
「あ、ま、待って」 ……ガラッ! タタタタタ
「待ってくれ、永遠の真魂恋人よ」 ……ガラッ! タタタタタ
シ~~~~~~~~~~~~ン 「…………………………」
「…………び…………」
「美少年キタ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「さぁ ミッシェル 僕の胸に飛び込んできなよ」
「○○○~~~!!! ボクをメチャクチャにして!!!」
(コレだ!!! )
「見えたぞ! 僕のトゥルーエンド!!!」
「ミッシェル! ビッチどもの魔の手から今、助けに行くからね! 君のDTは僕のモノ!!!!!!!!!!」 …………ガラッ! ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!!!!!
(完)