“■男嫌いなサキュバスとTS魔法少女”

はあ、なんか面白いことないかな?

地元から離れた学校へ通うため一人暮らし……まだこっちの友達も少ないし退屈なんだよな……なんか面白いこと……

……そう、例えば異世界から来た女の子が現れたり、俺がヒーローに変身したりとか……!!

って、そんなファンタジーあるわけないよなぁ。

ちょっと、姫様! 落ち着いてください!!

ん? なんか向こうから声が……。 『ヒメサマ?』 気になるな。 見てこよう。

姫様! 人間を襲おうなんて馬鹿な考えはおやめください!!

あなたはいずれ『サキュバス』として人間と交わり、共存することになるんですよ!?

それが嫌だって言ってるの!! だいたい「人間と交わる」って、つまり……。

お、男の人とエッチな関係になるってことでしょ!?

そのことで魔界の男子にからかわれたんだから!! もう男の人なんて嫌い嫌い嫌いなの!!

むむむ……サキュバスの姫としてあるまじきお考えを……。 でも事情が事情ですし、どうすれば……。

(な、なんだ? 喋る猫に……サキュバス……? まさか本当に異世界から来た女の子、とか……!?)

あ、そこの殿方! こっちに来てくださいまし!!

(げ、気付かれた!?) お、俺のこと……ですか?

そうですそうです、人間の殿方! よかったらここにいる女の子とお茶会でも……

ふ、ふぎゃーー!? お。男の人――――!?

ちょっ、なにす……

――げふっ!? (な、殴られた――!?)

男の人なんて……根絶やしに……焼き尽くして……

ちょっ、なんか炎出してる!?

うわああ! 荒療治すぎました!! 姫様落ち着いて!!

は……ははは…… 俺……死ぬのかな……?

軽率に巻き込んでしまってすみません! どうかこの力を使ってご自身の身をお守りください!!

これは……?

魔力を持たない人間でも一時的に魔法を使うことが出来るアイテムです!!

特別にお貸しします!! さあ、叫んでください!!

――『変身!!』と!!

ま、まさか本当に変身ヒーローになれる日が来るなんて……!!

ちょっとデザインの可愛いさが気になるが……試してみよう!!

――いくぞ! ――変身!!!

――カッ!!

――っ、なんだ?! 身体の内側から力が溢れてくる!! ――これが……魔力ってやつか!!

私の炎がかき消されていく!? な、なに……? 何が起こってるの!?

……待たせたな、これが――

これが俺の変身した姿だ!!

……って。

お、女になってる――!!?

ええ、このアイテムは『魔法少女』の力が込められた指輪ですから。

『変身ヒーロー』じゃなくて『魔法少女』になるアイテムだったのかよ!?

……む、むむむ……男の人が女の子になっちゃった……。

……でも、これなら普通にお話できるかも。 ……さっきはごめんなさい。

あ、あれ? さっきまでの凶暴性はどこに……?

姫様はサキュバスとして致命的な『男嫌い』を克服するため、父君と母君の計らいで人間界に送られたのです。

……でもやっぱり魔界で男の子にイジメられてたのがトラウマで……怖くて……その……本当にごめんなさい。

そっか、君も辛かったんだな。 俺でよければ話を聞くよ?

――いや、男の俺が男嫌いな女の子の相談受けるってのも変な話か。

ううん、そんなことないよ。 ありがとう。

――えへへ、男の人でも優しい人はいるんだね。

(……見た目が女の子になっているとはいえ……姫様が父君以外の男性と親しく話していらっしゃる……)

(……これは、いい機会なのでは!?)

そうだ、もしよければ姫様と一緒に暮らしていただけませんか!?

え、俺とこの子が!?

ええ、女の子になったあなたに姫様は心を開いてらっしゃる。

これは姫様が男嫌いを克服できるまたとないチャンスと思いました!

もちろん、あなたさえよければ……ですが……。

……実は俺もこの辺りに引っ越してきたばかりで、ちょっと寂しい思いをしてたんだ。

元々一人暮らしだからちょっと窮屈かもしれないけど……俺でよければいいぜ?

おお、なんと寛大なお言葉!! 姫様、いかがなさいますか?

うん、私この人となら一緒に暮らしても大丈夫そう。

――不束者ですが、よろしくお願いします。

お、おう。 こちらこそよろしくな。

……って、あれ? なんか俺……身体の様子が……

――カッ!!

あ、男に戻った……?

……なんか、嫌な予感が……

あ…あああ……お……

男の人――――――――っっっ!!!

――ぐふっ!!!??

ああああ!!! ご、ごめんなさい!! つい反射的に!!!

……

(頑張ってください、姫様。 この方とならきっと、男嫌いを克服できますよ)

だ、だだだ大丈夫ですか!?

あ、ああ……なんとか……立て…… あ、駄目だ、身体がフラついて……

ひやああああ!!! こっちに来ないでくださーーい!!

――げぶぅぅっっっ!!!?

ああああ!!! またやっちゃった!!!

(……たぶん、大丈夫……なはず。 この殿方の身が持てば)

こうして、男嫌いなサキュバスと青年の暮らしが始まったのだった。

■おまけ

(……こ、このままだと……死ぬ!! なにか、何か手は……あ、そうだ!!)

――変身!!

――カッ!!

ぐっ……こ、これでどうだ!?

ああ!! よかった!! 女の子になってくれた!!

急いで回復魔法を施します!! ささ、服を脱いで!!!

ええ!? お、女の子の姿でか!?

恥ずかしいなら私が脱がしてあげますから!! ――それ!!

いや、そっちの方が恥ずかしい……って聞いてない!! ――ちょ、待って……ら……

……らめええええええ!!!!

おしまい

B
e
f
p
q
r
s
K
O
Keyboard Shortcuts
  • J Next page
  • K Previous page
  • [ First page
  • ] Last page
  • E Enable/disable bubble animation
  • 0 Manual page turning
  • 1 Slow page turning
  • 2 Normal page turning
  • 3 Fast page turning
  • P Start/stop auto page turning
  • ? Show keyboard shortcuts
Play Again
More Stories
Posted at 2018/01/01 21:16 Viewed 80 times

From Author

久々に書いてみました。 50Pくらいで終わらせるつもりでしたが楽しくてついつい筆が進んでしまいました。

Comments

Login to Write your comment
魔法科高校の劣等生(27) 急転編 (電撃文庫) やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (13) (ガガガ文庫) ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか14 (GA文庫)