さーて、今日から新学期! 気合い入れて、いつもより早く家を出た けど… さすがにまだだれも来てないかなぁ
あ…あの…
あれ…誰かな? うちの学校の制服だけど…
見たことない生徒だな。
「あ…あの、そこのあなた…」
「はい、何ですか?」
「えっと…その…すみません… 水の森学園に行くのはこの道で いいんでしょうか?」
「はい、この橋を渡ってまっすぐ行けば すぐですけど…」
「よかったぁ…! 僕、引っ越してきたばかりで何もわからなくて…ありがとうございます!」
「あ、僕、水の森学園に転入してきたんです」
「転入ってめずらしいね。 何年?」
「2年です」
「ホント? じゃあ私と一緒だね」
「僕、山田みずきといいます。 よろしくお願いいたします」
へえ…礼儀正しくて、いい感じの男の子だなぁ… しかもちょっとかっこいいかも…
「あっ、私は府野かなめ。 多分同じクラスだよ。 よろしくね!」
「あの…できれば一緒に学校に行ってもいいですか? 実は僕…」
「…極度の方向音痴で…このままだと 学校にたどり着けないって心配で…」
「え? あ…うん。別にいいよ」
迷うほど難しい道じゃないと思うけど…。 まあ、転入生なら色々不安だろうし いっか。
「ありがとう! 府野さんのおかげで、初日から遅刻、 っていうのは免れそうだよ」
あ…やだ。 そういう顔すると、ちょっとかっこいい かも…
こりゃぁ女子大騒ぎになるかもしれないなぁ…
おーい!かなめ!
「お前家出るの早いよ! おばさんに言われてあわてて出てきたじゃないかよ」
「あのねえ…涼太。 いくら幼馴染だからって、この年になってまで、毎日一緒に学校行くことないでしょ」
「ていうか、こいつ誰?」
「あの…ええと…」
「ああ、今知り合いになったの。 転入生の山田みずき君。私と同じ2年だって」
「いちおう涼太より先輩なんだから、ちゃんとあいさつしなさいよ」
「チーッス!鈴木涼太、1年でぇっす! センパイ、よろしくでーす」
「えと…あの…よろしく…」
「涼太!チャラい挨拶してんじゃないの! あんたはただでさえ見た目チャラいんだから」
「もう少し真面目にしゃべりなさい!」
「ぶーーーーー! チャラくないし!」
「…ぷっ… 鈴木くんって…おもしろいね」
「あ、なんかそのカオいいじゃないッスか、センパイ! 地味系よりモテますよ」
「あの…もてるとか…そいうの苦手で…」
「…とにかく、二人とも、学校行くわよ!」
「はーい! 新学期からかなめといっしょぉ!」
「よ、よろしくお願いいたします」






