『こっくりさん』

十年前、俺はこっくりさんをした。

生き方がわからない俺は、こっくりさんを呼び出し、自分が進むべき道を教えてもらった。

その通りにやっていったら、可愛い彼女もできたし、ホワイトな会社にも就職することができ、

俺は幸せな人生を掴むことができた。

ただ一つを除いて。

こん、こん

あの日から、耳元で「こん、こん」という泣き声がしてうるさいのだ。

こっくりさんの終わらせ方が悪かったのか、憑りつかれてしまったらしい。

こん、こん

こっくりさんを追い返すには、油揚げを差し出すのが良いらしい。

こん、こん

ほら、油揚げやるから帰れ。

すると、こっくりさんはその油揚げにご飯を詰めだした。

何やってるんだ?

ご飯を詰めた油揚げを、俺の前に差し出す。

ホント、私のいいなり(稲荷)だね。

ぷふっ

こっくりさんは吹き出すと、そのまま消えていった。

その日を境に「こん、こん」という声は聞こえなくなった。

そんな下らない事を言うために、わざわざ10年ぶりに現れたのか。

ホント、こっくりさんはよくわからん。

B
e
f
p
q
r
s
K
O
キーボード操作
  • J 次のページ
  • K 前のページ
  • [ 最初のページ
  • ] 最後のページ
  • E フキダシのモーションON/OFF
  • 0 自動ページ送りOFF
  • 1 自動ページ送り (おそい)
  • 2 自動ページ送り (ふつう)
  • 3 自動ページ送り (はやい)
  • P 自動ページ送りの停止/再開
  • ? キーボード操作の表示
もう一度みる
他の作品をみる
公開日 2013/06/05 23:23 再生回数 53

作者からのコメント

前にもこんなタイトルの作品あげたような

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く…