『【リレー小説2】クリスマス・パニック Part5』

クリスマスを一人で過ごしたくない緑泉巧は、幼馴染の森傍薫と一緒に合コンへ!

そこで出会ったのは、玖々里という魅力的なお姉たま。

しかし愛する玖々里を心配し、豚子に成りすまして合コンに潜入していた双子の姉・蝶華により事態は急変!

男の娘好きでもある蝶華が、薫の可愛さに夢中になり、攫ってしまうのだった!

巧よ! お前のクリスマスはどうなってしまうのだ!?

俺が女装する前の話。

チビで気弱な性格が原因で、虐められている所を助けてくれたのがあの人だったんだ。

弱っちいなぁ自分。男ならもっと強うならなアカンでえ?

それが俺の初恋だった。

でも俺もあの人も男の子。周りから見たら、アーッ!♂ってバカにされる。それが嫌だった!そんな汚い関係になりたいんじゃない!

だから俺は、「女」になろうと決心した。

全ては彼に好きになってもらう為に。周りに認めてもらいたいが為に!

身体は男だが心は女な俺に、世間の風当たりは冷たかったが、

ただ一人だけ、俺を受け入れてくれた奴がいた。

そう、森傍薫だ。

彼は身体が男であるにも関わらず、家の事情で女装せねばならなかった。

全ては、緑泉家と森傍家の古からの関係なんだ。

森傍家は古くから緑泉家に仕えた女家系なんだ。

巧の身の回りの世話をするのが、森傍家に生まれてきた僕の使命。

僕は男として産まれてきちゃダメだったんだ。だから見た目だけでも女になるよう女装を義務づけられてきたんだ。

巧は…、何も知らないんだ。僕のこと、世話好きな幼馴染だって思っている。

お前も色々大変なんだな。

そうでもないよ。女装ももう慣れたしね。

それに両性の心を持つと、世界が面白く見えるんだ。今では家の掟に感謝してるよ。

俺たちは不思議な絆に結ばれ、お互い事情を知る者同士、仲良く青春を謳歌した。薫は乙女な俺に女装の全てを教えてくれた。

高校に進学すると、お互い離れ離れになってしまった。

あれから数年…。

俺は薫に教えてもらった女装を武器に、メイド喫茶で更に女らしさを磨くことにした。

お帰り下さいませ、ご主人様♡

客からも、メイドスタッフからも「可愛い」と評判で、ついにはメイドリーダーにまで登りつめた。

そんなある日、ウチのエリアマネージャーの夏川唯に呼び出される。

ガールズバーを経営してる友人がいてね、是非アナタを紹介したいの。

大丈夫よ。 彼、女装には理解のある人だから。

そして俺は、ガールズバーの店長・風間徹と知り合った。

本当に男かよ~、全然そう見えねえなッ!

夏川から、キミの事よぉーく聞かせてもらってるよ。

いや、ウチん所にも、ちょうどキミみたいな事情があって女装してる奴がいるんだけどさー、

と、俺は風間から、その娘の写メを見せてもらう。

森傍薫って言ってさ~、右にいる娘なんだけどね~、

へぇ、あいつもバイトを…

薫の隣に写ってる、この彼…。

ちょっとよく見せて!!

何ッ、どうした?

間違いない、俺の…、私の初恋の相手…ッ!

何だ、知り合いか? 緑泉巧って言ってさぁ、よく薫からそいつの話聞くんだわ。

緑泉……、巧…ッ?!

さーてェ、どのように可愛がってあげようかしらねェ~ん?

ふご…っ、ふぐぐぐっ…!

助けを求めようが縄と猿轡で拘束してるし、ここは私だけしか知らない隠れ家。誰もここへ辿り着けないわよォ?

大人しく私のコレクションになりなさィん♡

ふごぉ…っ! ふごっ…!!

男の娘だから~ァ、やっぱ股間と菊孔を重点的に責めるのが定石かしらァん?それともチクb

バァン!!!

お姉ちゃん、もうやめてッ! 性奴隷なら私がなるわッ!

ぐぬぬ…、玖々里めェ! よくここがわかったわねェ!?

だってェ、ここウチじゃない。

……ッ!!

薫ッ!! この豚の面を被った変態性癖集合住宅め! 薫を解放せえや!

……。

それに、玖々里さんの…、いやっ! 玖々里を性奴隷にするんは俺や! むしろ性奴隷にしてくれへんか?

こっ、こんな時に何言ってんのよォ、バカぁ!

チャラ男風情が、正義のヒーロー気取ってんじゃねえわよォ! 食らえェ!金的攻撃ィッ!!!

カキィン……! 蝶華の膝蹴りが、鈍い音を立てて巧の股間に炸裂する。

はふひ…ッ!!!(巧…ッ!!)

巧くんッ!!?

ざまあ…

なっ、何故だ?! 股間を蹴り上げたっていうのに悶えもしないなんてェ!?

いや、俺も膝蹴りが来た瞬間、悶絶を覚悟してたんやけど、思いのほか痛くなくて驚いとるわ…。

膝の入りが甘かったか…ッ?!

『いいえ…、あなたの蹴りは確実に玉を捉えていたわッ』

誰だッ?!

こんばんわ、豚子さん。雪姫さん。そして未来の婚約者さん。

?! 自分は…、黒井珠里ッ!!

名前を覚えてくれていて嬉しいわ、未来の婚約者。

何しに来おった?! 自分は関係ないやろ!?

関係あるわよ、だって私達、結婚するんだから。

そういうの、もうええって。

いいえ、あなたと私は婚約する運命にあるの。何故ならもう既に親同士が二人の婚約を了承しているのだから。

…ッ?!

はぁ…、何も聞かされていないのね、あなた。

ど、どういうことや?

あなたが今蹴られたのは、ペニスはペニスでも、『擬似ペニス』なのよ?

…ッ?!

ほ…っ、ほへひほぅははへほっ!!(そ…っ、それ以上はやめろっ!!)

えっ…、何ナニ!? 一体どういうこと?!

あなた、森傍家の人間なのに、彼に何も教えていないのね。可哀想な巧…。

まぁ、これからは私が傍にいるから色々と教えてあげるわ。婚約者(ハニー)…♡

ハニー? ダーリンの間違いやないか?

いいえ、間違ってないわ。

だって巧は、本当は女の子なんだから。

…えっ?

ええええええええええぇっっっ!?!?

……ッ!!

巧くんが…、女の子…ッ?!

突如知らされた本当の性…。そして巧を始め、彼を取り巻く女装子たちの恋の行方は…ッ?

聖夜に、巧の隣にいるのは果たして誰なのか? それとも巧はまた独りぼっちのクリスマスを過ごすのか?!

この続きは『紅白昼御飯』さん、宜しくお願いしますm(__)m

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公開日 2012/12/22 15:55 再生回数 40

作者からのコメント

2時間サスペンスで言ったら、身内の何気ない言動でトリックとかわかっちゃうあの時間帯を任されたバンビです。さあ真犯人→港での乱闘へとバトンを繋げましょう! ダメリンゴさんによる第4話◆http://kimip.net/p/Crx43

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