……。
……快晴。
……今、会いに行くの……。
……ふぁ……ぁ……ねむ……。
ロク！おはよう！！
あれ？凛じゃないか、おはよう。
相変わらずボーっとした顔してるわね……気合入れなさいよ気合！！
しょうがないじゃん……眠いんだから……。
だったら早く寝ればいいだけでしょ！！自己管理も出来ないようじゃこの先やっていけないわよ！！
分かってるよ！ 全く……凛は口喧しいんだから……。
なっ、何ですってええええぇぇ！！！！？？
しまった！口が滑った！！
あ、こら待ちなさい！！ 逃がさないわよロク！！
……。
あれが文月 緑(ふみづき ろく)……か。
はぁ……はぁ……疲れた……。
なにこれくらいでへばってるのよ！ 男でしょ！？
無茶言うなよ……僕運動苦手だし。 凛はスポーツ万能だからそんな事言えるんだよ……。
(足だけは速いんだよね……)
大丈夫？ 急にぶっ倒れたりしないでよ？
元はと言えば凛が本気で追いかけてくるから……。
何か言った？
何でもないです……。
皆さんおはようございます。 今日は皆さんに重大な発表があります。
重大な発表ー？
もしかして先生、彼氏が出来たとかー？
違います！ 変な話はしないように！！
……。
気を取り直して……今日、このクラスに転校生がやってきます。
な、何だってー！？
では転校生の人、入ってきてください。
……。
う……うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！
きた！！美少女きた！！ というか本当に中学生か！？ どう見ても小学生にしか見えないぞ！！
きゃあああぁぁぁ！！可愛いいいいいぃぃぃぃ！！ お人形みたいで物凄く可愛い！！
(す、凄い熱気だな……)
(はぁ……騒ぎすぎでしょ……)
はいはい、皆さんお静かに。 ……じゃあ転校生に自己紹介をしてもらいましょう。
私は水無月 サツキ(みなづき さつき)、今日からこの学校に通う事になったの。 よろしくお願いしますなの。
水無月ちゃあああぁぁぁん！！ よろしくううううぅぅぅぅぅ！！！
誕生日と星座は！？
生まれはどこ！？
罵ってください！！
変態、最低、さよなら。
いやっほおおおおおおぉぉぉうう！！
(だ、駄目だこのクラス……というか罵ってくださいって……)
(何でドMが居るのよ……)
はいはい、皆さん質問はこの後にしてくださいね。 ……じゃあ水無月さんの席は……。
あそこ、空いてるの。
……え、ぼ、僕の隣！？
あらあら、丁度いいですね。 では水無月さんの席は文月君の隣にしましょう。
何だよー、文月の隣かよー。
(ああぁぁ……視線が痛い……、というか僕のせいじゃないよ……)
(ロク……転校生が隣だからって鼻の下伸ばしてないでしょうね……)
よろしくなの、ロク。
あ、うん、よろしく水無月さん。
駄目、苗字じゃなくサツキって呼んで欲しいの。
え、えええええぇぇぇ！！？
早く呼んで欲しいの。
(な、何なのこれ……)
え、えーと……さ……サツキ……さん？
……名前で呼んでくれて嬉しいの、ロク。
っ！！！！！
っ！！！！！！！
ちょ、ちょっとアンタ何してんのよ！！！？
抱きついているの。
みりゃぁ分かるわよ！！何でロク……文月に抱きついてるのよ！！
抱きつくと暖かくて気持ちいいの、ロクに抱きつきたいから抱きつくの。
喧しい！！ ロクも何デレデレしてんのよ！！
(何で矛先が僕に……)
ロクを虐めちゃいけないの。
別に虐めてないわよ！！ 虐めるわけないでしょ！！
それに私が誰に抱きつこうと貴女には関係ないの。
貴女に怒られる筋合いは無いの。
な！！ ……く……っ！！
すげぇ……あの葉月が言い負かされてるぞ……。
口喧嘩では適わないあの葉月が転校生に言い負かされるなんて……。
あ、あのー二人とも？ 喧嘩はやめて……。
喧嘩じゃないの。 ロクは何も心配しなくていいの。
(あああああぁぁ……抱きしめる力が強くなってる……というか胸が当たってるんだけど……)
(ムッカーーーーーーーッ！！！)
……はいはい皆さん落ち着いて。 水無月さんもあまり文月君を困らせない様にね？
分かったの。
じゃあこれで朝のHRを終わります。 すぐに一時間目が始まるので皆さん準備はしっかりとしてくださいね。
(あぁ……何だというんだもう……)
～続く～
