夏の思い出づくりの定番と言えば、 海、山、田舎、そして・・・ 夏祭り。
そんなわけで、 我々はお祭り会場の神社に やってきたのだ~!
それにしても、 有名な神社のお祭りだけあって いろいろな屋台が出てるわね~
あっ、あそこにタコ焼きの屋台が! 私、ちょうど食べたかったんだ~ さっそく買いましょ!
えっ、ちょ、ちょっと・・・
タコ焼き屋のおじさーん! 1パックちょーだいっ!
あいよっ!500円ね。 ありがとうよ。
あんた・・・ もう買っちゃったの?
うん、そだよ。 お腹減ってたから、つい・・・
・・・あっちの屋台のタコ焼きを 見てみなよ。
んんっ、どれどれ。 ・・・ああっ!?
あの屋台のタコ焼きの方が、 私が買った店のより 明らかに美味しそう・・・
ボリューム感があるし、 鰹節もたっぷりかけてあるし、 何よりテクニックが違う・・・
タコ焼きの形を崩さずに 手際よくひっくり返していく・・・ まさに、名人芸。
そういう店は売れ行きもいいから 商品の回転が早くて、 常に出来たてを食べられるのよ。
そう言われて見れば・・・ 私が買ったタコ焼きは、 形が崩れてて、ソースも少なくて、
作り置きしたやつだったから 微妙に冷めてる~ぅ・・・
ううっ、がっかりした~っ! さっきの店で買わなきゃよかった!
そうよ。だから衝動買いせずに、 全ての店を一通り見て回ってからに した方がいいわよ。
はーいっ。 今度から気を付けるよ・・・
分かればよろしい。
あっ、見て! あそこに金魚すくいの店があるよ!
あら、楽しそうね。 夏祭りの屋台の定番だし、 遊んでみたらどうかしら?
うん、うん! 私やる~っ!
おじちゃん! 金魚すくい1回、お願い!
はい、これが金魚をすくうための ポイという道具。 これでうまくすくってね。
よーし、やるぞー!
・・・・・・・・・・・・・・・・・
べちゃっ(紙の破れる音)
う~・・・ 失敗して破れちゃった・・・ こんなの無理ゲーだよぉ~!
お嬢ちゃん、泣かないで。 はい、これ。
・・・えっ!? 失敗して一匹も取れなかったのに、 金魚をくれるの?
うちの店は失敗しても、 お客さんに2匹、金魚を 差し上げることにしてるんだよ。
やった、ありがとう~!
どういたしまして。
ねぇねぇ、ゆきちゃん! 失敗したけど、金魚がもらえたよ! ずいぶん良心的な店だねぇ。
まぁ、金魚すくいの場合は、 取れなくても大抵、金魚をくれる 店が多いわよね。
し・か・も! 赤い普通の金魚と、黒い出目金を 1匹ずつくれたんだよ!
あら、良かったわね~。 生き物なんだから、 大切に飼いなさいよ。
はいはい、分かってますよぉ~!
夏休み明けの学校にて
うう、ゆきちゃん。 黒の出目金が、死んじゃった・・・ 悲しいよぉ~
あんた、もしかして・・・ 出目金と普通の金魚を同じ水槽で 飼ってなかったかしら?
うん。一緒にしてたけど、 それがどうかしたの?
あちゃ~っ、ダメだこりゃ・・・
出目金は動きがゆっくりだから、 他の金魚に餌を横取りされる事が 多くなりがちだし・・・
大きな目が傷付きやすいから、 活発に動きまわる他の種類の金魚とは 一緒に飼っちゃダメなのよ。
そうなんだ、知らなかった・・・ 出目金さん、ごめんなさ~い!
過ぎたことは仕方ないから、 まだ生きている方の金魚を 大切にしてあげてね。
うん、分かったよ。 ぐすんっ、ごめんなさい・・・