ふああ・・・ 今日も学校、かったりぃなぁ・・・
学校終わってゲーセン行って 家帰ってネットゲーム朝までやったら 寝る時間なんかねーっつうの!
世の中のすべてが 今すぐ爆発しちまえばいーのに・・・
あっ、それだとゲームできない! そいつは由々しき事態ってやつだ!
はああ・・・仕方ないので 今日も俺様は 立派に学校に行くのでした
おっはよー! 今日も眠そうだね、しー君!
みーのほうこそ、 今日も朝から無駄に元気だな。 元気の閉店セールかよ。
あたしはアキバの宝石屋じゃないわよ はっはーん、しー君、 またゲームで徹夜したね?
うるさいっ! なにしてようと俺の勝手だろ
ま、それはそうだけど。 また授業中に居眠りぶっこいて 先生に怒られないよーにね!
はいはい・・・
にー にー
あら? なにかしら 箱の中から声がするわ
にー にー
こ、これは・・・ ウワサの都市伝説 「喋るダンボール箱」か!?
って、まさかな 開けてみようぜ!
にー にー
きゃ かわいい 捨て猫かしら?
にー にー(私は 神だ)
・・・! こいつ、直接「脳内」に・・・!
にー にー(私はおなかが) にー(すいている) にー(早く何か食わせるがよい)
神だと・・・?
にー にー(そこは冗談だ) にー(腹減った) にー(食べ物をよこせ、下僕)
とりあえず、ここに食べ物はないわ 一緒に学校に行きましょう
えっ、学校つれてくのかよ 先生に怒られるぞ
じゃあこの子、ほっとくっていうの? あたし、しー君がそんなに冷たい 人だって、思ってなかったな
わ、わかったよ・・・
にー にー(話のわかる下僕だ)
どうでもいいけど、 なんか腹立つな、この猫・・・
よし、じゃあお前はここで待ってろよ 購買部で何か買ってきてやるから
にー(急げよ、下僕)
(ふむ、ここが「くー」の職場か)
というわけで、朝っぱらから 謎の生物に 食料をたかられたんだよ
その生物・・・脳内に語りかける、と そう言ったな?
ああ、最初はびっくりしたけどな ゲームで寝なさ過ぎて 俺の頭がおかしくなったかと
でもでも、あたしにも聞こえたのよ あの子、思ってることを 人間の言葉で伝えられるのね
ああ、しかも、それは別に 珍しいことじゃない
そうなんだよな・・・ なんたって・・・
きーんこーん かーんこーん
授業をはじめるクマー! みんな席につくクマー!
(ほら、な・・・)
(ああ・・・)
ほらそこー 私語は慎むクマー
くくく・・・
人間どもの学校の 教師になりすますとは 貴様も出世したものだな、くー
なっ、貴様は・・・にー! 「規格」を満たせず、「施設」を 「卒業」できなかったはずでは!?
貴様への恨みが忘れられず 「規格」を満たすために 血のにじむような努力をしたのだ
その「結果」を 貴様に見せてやる・・・
くっ・・・仕方あるまい 諸君、すまないが午前は自習とする!
いっ・・・一体、 何が起こってるの?
やった~! 昼まで寝放題だ~!
ちょ、ちょっと! くー先生のこと心配じゃないの!?
普通に考えて、猫が熊に 勝てるものだろうか・・・
そ、それはそうかもだけど・・・
面白そうじゃない? みんなで見に行こうよ!
(だ、ダメだこいつ・・・ 早くなんとかしないと・・・)
えー、いいよ眠いし・・・
うっさい! ほらほら行くわよ!
私は「規格」を満たすだけでなく 独自の暗殺技を「開発」した 積年の恨み、今こそ晴らす!
ちょ、ちょっと待つクマー! そもそもにーは 何をそんなに怒っているクマ?
忘れたとは言わせん! 5年前、貴様が「施設」を 「卒業」するとき・・・
卒業祝いの席で出た 「鮭のハラス焼き」 みんなの分食べちゃっただろ!
えっ、いや、うん だってみんながくれたから・・・
そう・・・皆がそう言うから 私も仕方なく・・・ うえええん鮭たべたかったにーー!
そ、それなら何も戦わなくとも 今すぐ一緒に市場にいくクマ!
好きな魚介類を好きなだけ 食べさせてあげるクマよ?
えっマジで? 行く行く!
「とれとれ市」に行くクマ 買った魚をその場で刺身にしたり 炭火で焼いて食べれるクマ!
干物もある?
もちろんあるクマ! 新巻鮭もあるクマよー!
わーい!
こうして、世界の平和は 守られたってわけ。
「施設」とは? 「規格」とは? そのヒミツはまたこんど。
さしあたっての問題は 俺の寝不足が解消されてねーってこと。 くー先生は出かけたし 今日はこのままオヤスミな!
しゃべる猫vs熊の 世紀の対決はどこいっちゃったの!
(やっぱダメだこいつ・・・)
おしまい。