ヒロキ ・・・・・・
スミレ ・・・・・・
ヒロキ じゃあ、もう一回やってみよう
スミレ ・・・おう
ヒロキ 大丈夫、きっと今度こそ成功するって
スミレ ・・・だといいけど
スミレ そのセリフも、既に四回目じゃない
ヒロキ 試せる方法がある限りは 諦めちゃだめだと思う
スミレ ・・・そうだな
ヒロキ よし、じゃあ早速やってみよう 何事もチャレンジだよ
ヒロキ そっち、もうちょっと離れて？
スミレ こんくらい？
ヒロキ あと５歩くらい後ろに
スミレ 助走つけすぎじゃないか 大丈夫なのかこれ
ヒロキ そのくらいが丁度良いんだよ むしろ、今までのが温すぎたんだ
ヒロキ ・・・じゃあ、いくよ
スミレ ・・・よ、よし！ こうなりゃヤケだ！ かかってこい！
ヒロキ せぇー・・・・・・のっ！
タッタッタッタッタッタッ・・・・・・
ドコンッ
ヒロキ ・・・・・・ぐふっ・・・
スミレ ・・・・・・痛ぇ・・・・・・
ヒロキ だ・・・大丈夫・・・？
スミレ ・・・これが夢なら・・・ 今の痛みで覚めてほしかった・・・
ヒロキ 衝突もダメか・・・ ベターな方法だと思ったんだけど・・・
スミレ 五回目のチャレンジも失敗だな 次は何をやるよ？
ヒロキ あとは・・・なんだろう 何か他に、あったっけ？
スミレ さあ・・・ほかには・・・うーん・・・
スミレ あ・・・それじゃあ 同時にここの階段から落ちてみるとか
ヒロキ ・・・クラッシュ系はやめない？
スミレ 同感だね・・・ 徒労に終わった時の空しさがすごい
スミレ あ・・・そうだ
ヒロキ 名案でも？
スミレ 一晩、とりあえず寝てみない？
ヒロキ はっ・・・・・・ はぁあああああああっ！？
スミレ ばっ・・・違っ そういう意味じゃないって！
スミレ よくあるじゃん 一晩寝てれば綺麗さっぱり、って
ヒロキ 微熱とかのノリで済ませていいのか
スミレ まぁ、今はまだ昼だから・・・ 時間はかなりあるけど
ヒロキ それは、どうせなら最後にしない？
スミレ んー まぁ、別に最後でもいいか
ヒロキ そうだなぁ～・・・ 他に手段があるとすれば・・・
ヒロキ 魔法？
スミレ 使えるの、魔法
ヒロキ 使えないけど
スミレ ・・・
ヒロキ ・・・
スミレ ・・・なぁ、もうあれしかないよ
ヒロキ 嫌だ
スミレ 可能性は・・・ゼロじゃない！
スミレ いいや、というよりはむしろ 今、最も可能性のある手段だと思う！
ヒロキ 絶対に嫌だ
スミレ もう色々な手段をやり尽くした！ これしか残っていないんだ！
ヒロキ 一緒に黒魔術の勉強をしよう
スミレ 諦めろ！現実を見ろ！ 魔法なんてものは存在しない！
ヒロキ 嫌だー！ 絶対に嫌だったらいやだああああ！
スミレ なよなよすんじゃねえ！ 言いたかないけどきめぇ！
ヒロキ ・・・
ヒロキ ・・・だよね、こんなの・・・ キモいよね・・・
ヒロキ ・・・キモいままなのは、もっと嫌だ
ヒロキ わかった・・・腹を括るよ やってみよう
スミレ ・・・その決断の仕方も、複雑だな
ヒロキ だってもう、これしかないんでしょ
スミレ 考え付く限りではね
ヒロキ じゃあ、もうやるしかないよ
スミレ ・・・良いんだな？
ヒロキ ・・・うん
スミレ ・・・じゃあ、こっちから・・・ で、いい？
ヒロキ う、うん・・・
スミレ ・・・じっとして、目を瞑って・・・
ヒロキ ・・・うん
・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
・・・・・・ ・・・・・・
・・・・・・
――ちゅっ
ヒロキ ・・・・・・
スミレ ・・・・・・
ヒロキ ・・・・・・スミレ？
スミレ ・・・・・・ヒロキ？
スミレ あ、ヒロキだ・・・！ 目の前にヒロキがいるよ！
ヒロキ ・・・ああ 俺にもスミレが見えるよ
スミレ ・・・・・・やったぁ・・・・・・ やっと元に、戻れたんだね！
ヒロキ ああ、ようやくだ！ あぁああああ良かった！
スミレ やっほーい！ 胸があるよー！
ヒロキ ちゃんと付いてる～！
スミレ もう嬉しくて・・・わっほーい！
ヒロキ あっ・・・！ 馬鹿お前！ そっち階段・・・！
スミレ あっ！？ あああっ！ 助けてヒロキ！
ヒロキ うわ馬鹿、俺に掴まるな・・・！
スミレ きゃぁあああ！
ヒロキ うぉおおおお・・・！？
――ドテーン！！
ヒロキ いたたたた・・・・・・
スミレ いてててててて・・・・・・
スミレ 大丈夫か？ スミレ・・・
ヒロキ うん・・・怪我は無いっぽい・・・
ヒロキ ・・・・・・あれ？
スミレ ・・・・・・えっ？
