うぅ～さむさむっ。早くこたつの中へ還りたいな～
うーん、それにしても、街はいっそう増してクリスマスムードが漂っているなぁ・・・
やーいやーい、独身女～
しばき倒しますわよ、同じく独身女
それで、有馬が人目を避けてまで話したかったことって？
よくぞ聞いてくれたね、志佳チャン。 実は・・・。
じゃーん！ 宝くじ買っちゃったぁ！
おぉ買ったのか、宝くじ
昨日偶然売り場の前を通りかかったから、つい手が出ちった
お決まりだけど、当たったら半分ちょうだいね
・・・当たったら？ ノンノン、違うんだよなぁ
この宝くじは、既に当選が約束されている、未来の宝くじなのだよっ
･･･あぁ、あれだろ？ 10枚に1枚、申し訳程度に入ってる300円の･･･
実質スカくじと大差ないお情けの6等のアレじゃないよ！
たかが300円をバカにするんじゃない！私のお昼代に相当するんだぞ！
だいたい、当選が約束された宝くじだなんて、信じられるか！
嘘じゃないよ！この目で見てきたんだから
2年後、この当たりくじを持って、銀行に入っていく志佳チャンの姿を！
・・・？
今それがここにあるってことは、つまり・・・
さては、2年後の私から盗ってきたんだな！？
大正解。志佳チャンだけ幸せになろうったってそうはいかないよォ？
それはもともと私のものだろう？ おとなしく返しなさい。
くそー、バレたなら仕方がない･･･
ぱくっ
ごくん！
あーっ、この女飲み込みやがった！
返せー、今すぐ吐き出せーっ
フフ、当たりくじを飲み込んだ私は、さしずめ億万長者そのものだねェ
うまいこと言ってるつもりか、このっ！
やばっ、ひとまず未来に逃げるぞ！
わーぷっ
な、なにぃっ！？
あいつ、窓から飛び降りたっ
いたたた･･･
有馬っ！
大丈夫か！？どこも怪我してない？
志佳チャン・・・
ごめんね・・・、ワープした瞬間、時空の摩擦熱で当たりクジが燃えちゃって・・・
せっかくの6億円が消し炭に・・・
このバカ！6億なんかより、アンタのほうが大事に決まってるじゃないっ！
え・・・
だから、その・・・
た、宝くじに自分の夢を預けるよりも、私は有馬と一緒に夢を見ていきたいってことっ
し、志佳ちゃん・・・
自分でめっちゃ恥ずかしいこと言ってんの、わかってるぅ？
う、うるさい！とにかくアンタは私と一緒にイブの夜を過ごす罰決定ね！覚えてなさい！
・・・うん、私も大好きな志佳チャンと一緒にクリスマス楽しみたいなァ
