『作物語(たしか五回目)』

「なぁ、聞いてくれよ」

「なになに?」

「この間、駄菓子屋に行ったんだよ。暇だったし、駄菓子を買いにな」

「へー、駄菓子屋かぁ。この頃、行ってないなー私」

「いいから聞けって、それでな、取りあえず。ふ菓子と、ねり飴買ったんだよ」

「それを駄菓子屋のおばちゃんに持って行って、お金払って買おうとしたらさ。ふと視界に、気になるものがは

いったんだ。それは蛇ガムっていう長いガムでさ。その駄菓子屋においてある商品だったんだ」

「へー、じゃあ商品を食べちゃってたってこと?まぁ、経営者本人だからいいのかな?」

「いいから聞きなさいって、それで聞いたんだよ俺、その蛇ガムどうしたんですか?って、そしたらその婆さんな

なんて言ったと思う?」

「うーん、わかんないなぁ」

「その婆さん、近くにある駄菓子屋、ライバル店なんだけど、そこで蛇ガム買って食べてたんだよ」

「なんでも、婆さん曰く『ライバル店の味を確かめる』だってよ(笑)駄菓子に味も何も全部同じだろ(笑)」

「へー、それじゃあマイナスなだけだね。ライバル店にお金あげちゃってるようなものだよ」

「だろ?……話はそれだけ」

「……」

「…………」

「ごめん、コレ本当の話なんだ」

「作り話なんて望んでないわよ!」

「じゃあ、今の全部、作り話だ」

「今、じゃあって言った! じゃあって言った!」

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公開日 2012/04/29 22:18 再生回数 15

作者からのコメント

なぁ、聞いてくれよぉお

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