ある暮方のことである。 僕は、春の涼しい風を肌に感じながら目を覚ましたんだ。
眠気眼をこすりながら、視界に広がるものを確認する。
そこは神社だった。 時は暮方、夕日が僕を包み込む。
「ふぅ……あれ? なんで僕は、こんな場所で眠っていたんだ?」
僕は、周囲を見渡しながら、制服についた土汚れを掃い落とす。
「……ん? あぁっと、そういえば、僕は待ち合わせをしていたんだっけか!?」
思いだし。そして昨晩は、あまり睡眠をとっていなかったことを思い出す。
「面白いTV番組がやっていて、それを見ていて、全くといっていいほど寝てなかったんだっけ」
ガサガサっ
「ん? なんだ?」
ガサガサガサっ
視線の先。 神社の入り口近くの草むらから何やら物音が聞こえた。
「だ、だれかいるのかい?」
ガサガサガサガサっ
次第に、その物音は激しさを増す。 人か? いや、動物?
がさがさがさがさっ!?
「う、うわああぁぁぁ!?」
次の瞬間、草むらの中の何かが、その姿を現した。
「ぷはぁー、やっと出れたぁ」
「あ、あれ? ミツキじゃないか、どうしたんだ」
「あ、けいちゃん、あのね私、実は魔法少女なの」
「へ?……」
「魔法少女なの!」
「へえー、そうなんだぁー」
「あんた信じてないでしょ!? いいわ変身したげる」
「えい!」
「とう!」
「え……」
「どう? 驚いたでしょ?」
そうだ……彼女は、魔法少女なのだ!★☆★☆
「という夢をみたんだが、どうなんだ? ミツキお前、魔法少女なのか?
「んなわけあるかぁ!!””」
「ですよねー」