“私のライバルは中二病 その4”

葵からやっと解放されたわ……。

そういえば、なんか忘れていたような。

……。

か、会長!?

優理たらー。席を外しているなら、そう言ってくれればいいのにー。

(うっ……キャラクターは笑っているように見えるけど……)

(中の人は超怒ってる……)

すいません、会長。 実は葵たちが急にやって来て。

あ、そうか……。 それは仕方ないな……うん。

いいか、優理! 私がネトゲにハマってることは秘密だからな!

(めんどいなー)

(まあ、私もあまり知られたくないし。お互い様か)

数週間前……。

(さて、発売されたばかりのゲームをチェックしにゲーム屋に行かないと……)

(ん? あの人はうちの学校の生徒会長じゃん)

(めんどうだな。寄り道してると先生に告げ口されちゃいそう)

(えっ、ゲーム屋に入った!?

すいません、これください。

(ゲーム屋の店員) はい、ありがとうございますー。

私がやってるネトゲのソフトを買った!?

へぇ、マジメそうな人だからてっきりゲームとかしたことない人だと思ってた。

しかも、ネトゲ……。

あ、お店から出てくる。

ふう……。

ついにネトゲに手を出してしまった……。

なんかマジメそうなイメージ定着してたからなー。気を張る為にずっと出来なかったわけだけど。

ようやく生徒会長になれたわけだし、もう私ゲームしてもいいよね!

しかも前から興味あったネトゲ。 これで、私もゲーマーの仲間入り……。

独り言多いな、あの人……。

……!?

(気づかれた!)

今の聞いてた……?

はい……全部。

……。

オワタ

べ、別にネトゲなんて良いじゃないですか。私もやってますし……。

え、このネトゲやってるの!?

ま、まあ結構長い事やってますね。

そ、そうか……それじゃあ頼みがあるんだが!

私にこのゲーム教えてくれないか?

(ええ……めんどいな)

(あっ、でもこれで生徒会長の弱みを握ったようなものなのかな?)

あっ、それと……。

さっき聞いたことは黙っておいてくれ。

は、はい……!

(この人怖いわ……!)

(あれから数週間か……)

(でも会長のゲームの腕筋が良くて、すぐ強くなっちゃったんだよね)

(このままだと先越されちゃいそうだわ)

よし、それじゃあ今日はこれでログアウトする。

あ、おつかれさまです会長。

またな!

さてと……。

私は一人でレベル上げでもしますかね。

見つけたぞ……。

……。

結構、高レベル向けのダンジョンに入ったけど。

まあ楽勝よね!

あら、ここに隠し扉が……?

隠しボスエリアに侵入しました。

ちょっ……! 隠しボス!?

パン……ダァアアアー!!

ジャイアントキリングパンダが現れた。

パーティがかりで倒すボスじゃない! いくら私でも無理よ!

ジャイアントキリングパンダの攻撃。 ユウリに200のダメージ。

くっ……。ボスエリアはボスを倒すまで脱出不可能だし。

私は魔法使いだから、呪文の詠唱に時間がかかる……。それにHPも残り少ない。

ああー、今日は厄日だなぁ。

ジャイアントキリングパンダの攻撃。

させるかっ!

パン……だぁああ……。

ジャイアントキリングパンダは倒れた。

危ないところだったな。

あ、あんたは昨日のチーター!

人聞き悪い事言うな。せっかく助けてあげたのに……。

あ、ありがとう。確かに悪かったわ。

気にするな。それにお前に用があったしな。

えっ、私に?

ああ、魔王を倒すのには魔女の力が必要だからな。

そ、その言葉……今日もどっかで聞いたような。

申し遅れたな、俺の名はヒビキ。

人は俺をダークスレイヤー響鬼という……。

……。

あ、あんたかぁあああ!?

お前の部屋のネトゲ見た時、もしやと思ったんだけどな。

キャラの名前とお前の名前が一致してると思って、付いて行けば案の定だったわけだ。

もしもしGMさんですか?

ストーカーされるセクハラにあってるんですけど……。

通報はやめてくれ!

だって、本当のことじゃない?

ふっ、お前が通報するとなれば、こちらだって黙っていないぞ。

な、なに?

お前がネトゲしていることをお前のしもべにバラす。

ひ、卑怯な……!

まあ諦めろ、魔女よ。

ちっ、それで用はなんなのよ。

ああ、あの暴力おん……いや魔王の弱点が知りたくてな。

じゃ、弱点……?

何か知っているんだろう? お前に対して魔王は変な対応をしていた。

(ああ、ネトゲをやっているということか)

(ということは、こいつさっきまで一緒にいた会長のキャラを会長だと気付いてないわね)

残念だけど、知らないわよ。 他を当たりなさい。

力づくでも教えてもらおうか……。

あ、そうそう。

もう詠唱は完了してるから。

な、何!?

フレイムバースト!

助けた相手に不意打ちとは卑怯な……。

だって、さっきのボスの戦利品がほしかったし。

まあ、あんたにはリベンジしたかったしね。

ユウリは戦利品を手に入れた。

じゃあ、これでログアウトするねー。おつー!

……。

本当に魔女だ……。

続く……。

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Posted at 2012/10/10 20:24 Viewed 41 times

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もうその4とか。

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