例えば、奈々美と付き合ったとするだろ？
うん
―妄想・奈々美編―
私は、やっぱり捨てられちゃうんだね・・・
何言ってんだよ、お姉ちゃん
ええっ///!?
俺にとっては義姉だろ？
そ、そだね///。うん、私も幸せだよ
お兄ー！
あ、奈々美。今行くよ
えへへ、どう、かな？
ん？化粧変えた？
気付いてくれたっ!?
当然だろ？化粧なんかしなくても十分可愛いのに
何言ってんの。化粧することが楽しいんだよ？
そうかい
ふふっ、お兄、頭ナデナデするの上手だね。すごく心地よくて、心が安らぐよ
喜んでもらえて、俺も嬉しいよ
お兄、キス、してもいい？
いいよ
もー、屈んでよ。届かないってばー
ははっ、相変わらず背低いもんな。よし、キスしたければやってみろ
うぅ～、意地悪ぅ。ならば・・・
ん？なにする気だ？
とりゃっ!!
うわぁ!!
んしょ。ほら、お兄、こっち向いて？
なるほど。背中をよじ登るとは、賢いな
ん、ちゅっ・・・ん・・・はぁ
可愛いなぁ。結婚しよう、奈々美
っ!!はいっ///
大好きだ、奈々美！
お兄ー///！
―――― ―― ―
ってなるじゃん？
・・・そ、そうだね
奈々美ちゃん、めちゃめちゃ可愛いじゃん？
で？だから何なの？
で、次に茉莉奈ちゃんと付き合った場合を考える
うん
―妄想・茉莉奈編―
私は、やっぱり捨てられちゃうんだね
ごめん
いいよ、もう
本当にごめん
いいんだよ。私は大翔君が幸せになってくれればそれで・・・
ごめん！
・・・・・
はぁ・・・
お兄さん
あぁ、茉莉奈ちゃん
どうしたんですか？そんな顔してると、僕まで悲しくなってきちゃいます
ごめん。そうだよな、いつまでもくよくよしてられないぜ！今はしっかり前を見て生きなきゃ
そうです。その意気ですよ
今日はありがとな、家にお邪魔させてもらった上に、夕飯まで
いえいえ、これくらい
大好きだぞ、茉莉奈
僕も、大好きです、お兄さん///
ありがとう
その、お兄さん？
何だ？茉莉奈
こ、今夜は、ずっと、一緒にいて、くれませんか///？
わかった。側にいるよ
お兄さん・・・。あっ、ん・・・
ん・・・ちゅ。今夜は、離さないよ
お兄、さん・・・///
―――― ―― ―
そしてその後、二人は情熱的な夜を過ごした
一応ここで終わるのね
この後茉莉奈ちゃんが可愛らしく乱れるところも語った方がいいか？
いや、遠慮しとくよ
さて、次はこのまま愛祐美と付き合った場合だな
うんうん
―妄想・愛祐美編―
愛祐美！
大翔、君。いい、よ。来て！
あぁ、いくよ
あぁっ！んんっ、はぁ！あっ、やっ！
愛祐美、すごく気持ちいいよ
ひっ、大翔君。わ、私もっ、んっ！気持ち、いいよ。あんっ！
―――― ―― ―
ストーップ!!
どうした？まだ途中だけど
もういい、もういいです、わかったから///
そうか。じゃあ次は・・・
(ちょっと待ってよ。この流れだと次はあたし。だんだん妄想が過激になってるし、あたしはどうなっちゃうんだろう)
次は紗貴と付き合った場合だ
う、うん///
―妄想・紗貴編―
お兄ちゃん、朝だよ。起きて
ん～？まだこんな時間じゃねぇか。今日は休日なんだし、ゆっくりしようぜ？
ちょっと、二度寝するつもり？起きてってば
きゃっ!?
一緒に、寝よう？
う、うん///。しょ、しょうがないから、寝てあげるよ
ありがと。無理矢理引き倒して悪かったな。それと、今日も可愛いよ
ばかっ、急に何を言い出すのよ///。別に、怒ってないよ？
お前が側にいると、心が落ち着いて、安眠できそうだ
ホント？嬉しいな。あたしも、同じだよ？
ははっ、そう言ってもらえて、俺も嬉しいよ
ねぇ、おやすみのキス、してほしいな
いいよ。おやすみ、紗貴。ちゅっ
ん・・・。おやすみ、お兄ちゃん
―――― ―― ―
なんか、普通だね
いや、言ってて結構恥ずかしくてさ///
今更ですか
本人がいるといないじゃ全然違うって
あれって、兄貴の欲望なの？
まぁ、そうかな
ふーん
(なるほど。兄貴はあたしにああいうのを求めてるのか・・・。ハードル高いなぁ)
さて、最後に、誰とも付き合わなかった場合を考える
うん
―妄想・非ハーレム編―
あ、大翔君。私ね、結婚することになったんだ
へ、へぇ。よかったな。お幸せに
あの、実は僕も・・・
マジで？
おめでとう、茉莉奈さん
な、奈々美ちゃんは？
あははっ、私には婚約者がいるから
そ、そうなんだ・・・
兄貴。あたし、お嫁にいくことになったんだ。今まで、ありがとう
うわあああああああああああああああああ!!!!!!
―――― ―― ―
あぁ・・・、ハッピーエンドとは、言えないね
うん・・・
じゃあさ、逆に全員と付き合った場合を考えてみたら？
皆と、付き合った場合・・・？わかった、やってみよう
―妄想・ハーレム編―
お兄ちゃん、起きて。起きないと、寝顔にちゅーしちゃうぞ？
ぐーぐー
まったく。甘えん坊だなぁ、お兄ちゃんは。ちゅっ
お、おはよう、紗貴///
おはよう、お兄ちゃん///
何朝からイチャついてるのよ
ま、茉莉奈!?
お兄さん、朝御飯できてますから、早く降りてきてくださいね？
朝御飯、茉莉奈ちゃんが作ってくれたのか？
は、はい！あの、あまり上手じゃないかもしれないですけど・・・
そんなの関係ないよ。茉莉奈ちゃんが作ってくれたっていうのが大事なんじゃないか。ありがとう
お兄さん・・・
あ、大翔君。おはよう
おはよう、愛祐美
洗濯しちゃうから、できれば早く着替えてほしいな
わかった。ありがとう
いいよ。私ね、今すごく幸せなんだ。ありがとう、大翔君
俺も幸せだよ、愛祐美
あ、奈々美を起こしにいってあげてくれる？
まだ寝てるのか。わかった、いってくるよ
ありがとう、よろしくね
奈々美ちゃん、そろそろ、起きて
すぅ・・・すぅ・・・
起きないと、ぎゅーってしちゃうぞ？
すぅ・・・すぅ・・・
よし、えいっ
・・・お兄///
やっぱり起きてたな
ごめんなさーい！だって、起きなかったらぎゅーってしてくれるって言うから
あぁ、あんまり可愛かったから、つい
いいよ。私が可愛いのがいけないんだもんね
あぁ、そうだ。そんな可愛すぎる奈々美ちゃんには、こうだ！・・・ちゅっ
ん・・・ちゅっ。あはっ、嬉しいな///
さ、みんな待ってるぜ？
うん、行こう、お兄
―――― ―― ―
な、何て幸せなんだ!!
何か奈々美ちゃんだけ長くない？
気のせいだ
で、結局どうするの？
どうしようかねぇ
おいっ！
誰か一人だけを選ぶなんて、俺にはできないよ
兄貴・・・
・・・・・
ってことがあったんだけど、奈々美ちゃん、どう思う？
『何それ。私も参加したかったなー』
あたしは兄貴の妹だから、別にあたしと付き合ってくれなくても、ちゃんと構ってくれればいいかなって思うの
『私も、お兄がお姉ちゃんと結婚すれば、私とは義兄妹だし』
ぶっちゃけ会長さんか奈々美ちゃんだったら、兄貴を任せてもいいなぁって思うよ
『茉莉奈ちゃんは？』
茉莉奈にだけは、兄貴を渡したくない。何か負けた気がするから
『そっか。まぁ、何だかんだでお姉ちゃんを選ぶと思うけどなー』
あたしもそんな気がしてるよ
『あ、もう3時間も話してたんだ。じゃあ、また今度ね』
うん、またね
・・・・・
はぁ、言っちゃったよぉ。まさか、あんな形で伝えることになるなんて・・・
それにしても、なんかすごいことになってるけど、どうなるんだろう
やっぱりお兄さんは、会長さんを選ぶのかな
僕の気持ちは、ちゃんと届いたかな・・・
・・・・・
愛祐美、会って話したいことがあるんだけど、いいかな？
『・・・わかった。明日の昼休みに屋上でいい？』
あぁ
『大翔君・・・』
何？愛祐美
『ううん。何でもない』
そう、か・・・。じゃあ、また明日
『うん、また明日』
・・・・・
あ、愛祐美
また先を越されちゃったかぁ
いや、本当に俺もさっき来たばっかりだよ
そっかぁ。それで、話って？
あぁ、落ち着いて聞いてほしい。実は・・・・・・ってことがあって
そう、なんだ。それで、どうするの？
もし、別れようって言ったら・・・？
そりゃ怒るよ？私の気持ち、知ってるくせに。ってことは、誰か思う人が他にいるってこと？
例えばの話だよ
ふーん・・・
俺が愛祐美を裏切ったら、愛祐美は俺を軽蔑しますよね
俺は、愛祐美を裏切ったりしないって誓ったのに。信用させてみせるって言ったのに・・・
泣かないで。さすがにそこまでは思わないよ？裏切られたとは違うからね。大翔君はちゃんと事前に相談してくれたじゃん
愛祐、美・・・？
そりゃ、突然別れようって言われたら、裏切られたって思うけど、
大翔君はまだ迷ってる段階で、ちゃんと事情を説明して、私の気持ちを考えてくれた
でも、俺は・・・！
だから、裏切られたなんて、思ってないよ？実は少し前から気になってる子、いたでしょ？
え゛っ!?
素直に言っていいよ？
実は、自分でもよくわからなかった。でも、会長と付き合ってるんだから、そんなこと考えちゃいけないって、
自分の気持ちを押し殺してたって気付いたんだ。ごめん
ありがとう。少しの間でも、私に幸せをくれて、本当にありがとう
愛祐美！好きだ！でも、それよりももっと好きになってしまった人がいるんだ。だから、その・・・ごめんなさいっ!!
いいよ。じゃあ、私よりも好きになった子の名前を、教えて？
―――さんです
やっぱりかぁ。そうだと思ってたんだ。でも、それなら安心して大翔君を任せられるよ
気付いてたんですか!?
もちろん。だって、私は大翔君のこと、大好きだもん。すぐわかるよ？
愛祐美・・・
さて、大翔君にフラれちゃったし、受験勉強でもしようかな
愛祐美、ごめんなさい！それから、ありがとう！
思い止まってほしくないから、涙は見せないよ。ありがとう
愛祐美、最後に・・・
うん、大翔君・・・///
ん、ちゅ・・・ん・・・はぁ///
んん・・・ちゅ・・・ん・・・はぁ///
・・・あぁ、ダメだ。堪えようとしても、涙が止まらないよ
どうして？
きっと、俺の初めての恋が、終わったからだ
・・・そっか
・・・・・
ただいま
おかえり。って大丈夫？
あぁ、大丈夫だ。しばらくすればたぶん
そう？ならいいけど。ひどい顔してるよ？
大丈夫。それより、今回の件に、ピリオドを打つことにしたよ
・・・そっか。辛かったね・・・
・・・
ゆっくり休むといいよ、お兄ちゃん
続く
