“カードゲームやろうよ! 第04話”

紫が幻想戯作を始めてから一週間が経った。

じゃあ、授業終了です。 学級委員長。号令を。

起立。礼。

ありがとうございました。

ふぅ。やっと、授業終わったぁ!

先週も同じ言葉を聞いたわ。

最後の授業覚えている?

数学でしょ♪

………………

そうね。

えへへ♪

アナタが、午前中まで頑張って起きていいることは分かったわ。

そう?

さて、私は帰って勉強しなきゃ。

………………

何よ?

一緒にいたくないの?

私は一緒にいたいよ。

紫ちゃんは、私といるのイヤ?

そんなことないわよ。

アカネといるといつも楽しいわ。

えへへ、じゃあ、また一緒に行こう♪

い、一緒に?

どこに行くつもりよ!

へへへ、カードショップ 「ミナセ」に!

店長ーッ!? どこにいるッスか!?

………………

いないよ~ 店長はいないよ~

いるじゃないッスか!

業者からモノが届いてますよ!

え~後にしてよ。

私、眠いんだから。

さっきまで寝てたッスよね!

さっきはさっき。今は今。

ほら、じっとしてたら瞼がゆっくりとぉ……

………………

起きるッス!!

ッ!?

………………

……ぐぅ~

寝るな!!

はいはい、起きますよ。

ちゃんと仕事してくださいよ!

桃ちゃんも、コスプレばかりしてないで、店の制服着てよね。

それはそれ。これはこれッス。

店長が着てもいいって言ったッスよ。

ああ、少しくらいならね。

まさか、毎日だとは思ってなかったよ。

桃ちゃん、可愛い!!!

えへへ♪

まぁ、お客さん入っているからいいかぁ~

じゃあ、ちょっと入ってきたもの見てくるね。

いってらっしゃ~い♪

カランコロン……

お帰りなさいませ! ご主人様!

………………

なんだ、メスかよ。

アカネ、誰この人?

バイトの「桃ちゃん」さんだよ。

「桃」さん?

違う違う。「桃ちゃん」さん。

………………

うん、もういい。

この店、本当にまともにやっていけてるの?

失礼なこと言う客ッスね。

失礼なこというバイトよね。

キーッ! むかつく!?

あら、嬉しい。

あんた、性格悪いって言われないッスか!

褒めてるの?

貶しているッスよ!

桃ちゃん、可愛い!!

えへへ♪ ありがとう♪

関わりたくないタイプだわ。

アカネ、今日もやるの?

うん、今日も幻想戯作やろう!

!?

幻想戯作!!!

おい! そこの性悪女!

………………

それにしても、アカネ。

どうせ対戦するならここじゃなくてもいいのに。

ちょっと、何で無視するッスか!

………………

そこのロングの黒髪!

何よ。

アナタも幻想戯作をやるのよね!

私と勝負するッス!

アナタ仕事中でしょ。

にゃんと!?

んー……

おーい、グレイ~

きゅ?

私が対戦している間、働いて。

きゅ!?

ちょ、なんで、僕が……

いいから。やるッスよ。

は、はい。

これで、問題なし!

問題なし!

じゃないわよ! アナタ、バカなの!

いや、バカね。

ふふふ、そんなこと言っていられるのも今の内ッスよ。

ギッタンギッタンにしてやるッスからね。

えっ、なに、私とやること決まってるの!?

わー、今度は桃ちゃんさんと対戦ですか。

桃ちゃんさんも強いよ~

桃ちゃんと紫ちゃんの対戦か。

これは見物だね。

私のデッキは炎デッキ!

私を中心として、群を統率するッス!

自分のデッキの紹介ってするものなの?

いや、しなくてもいいよ。

じゃあ、言わない。

私が先攻ね。

そこは、公平にじゃんけんとかダイスで決めるところッスよ!

どっちでもいいでしょ。

どうせ、私が勝つんだから。

なにおー!!

じゃんけん中………

はい、じゃあ、私が先攻ね。

ムキー!!!

「金に宿る岩妖精」を配置して、ターン終了。

じゃあ、私のターンッス。

「傷ついた片翼の天使」と……

「盾を構える天使」を配置。

そして、「傷ついた片翼の天使」で攻撃意思を示すッス。

才気持ちね。

「金に宿る岩妖精」を守備意思を示すわ。

相打ちね。

相打ちッスね。

これで、桃ちゃんのターン終了ッス。

私のターンね。

「小賢しいバルグ・ベン」と「呪われデュラハンのキリリコ」を配置。

「情報の乖離」があって、呼び出したすぐ後は攻撃できないので、私のターンは終了。

うーん、炎属性と金属性か。

相性的にはどっちが有利なの?

これは金属性が圧倒的に有利だね。

ベン一家……

「小賢しいバルグ・ベン」と「狡賢いベルナ・ベン」には、相手の種族を変えるスキルを持っているんだ。

炎属性は天使の集団。

天使は、天使限定だが仲間の力を上げられるスキルを持っている。

ベン一家が種族を変えてしまうと、折角スキルでパワーアップしたのに意味がないということ?

うん。そうだね。

ただ、逆に言うと、そこを対処してしまえば、怖くはない。

なんたって、カードが出そろえば、最高の攻撃力と体力を誇る炎属性だ。

金属性は攻撃力も体力も低いから、軍団を揃えられてしまうと、歯が立たなくなっちゃうからね。

なるほど~

じゃあ、ゲームはベン一家がどうなるかってところに注目なんだね!

そうだね。

私のターンッス。

「リランドウの番人」を配置ッス。

で、攻撃しなくてターン終了ッス。

じゃあ、私のターン。

(ここは呼び出さないでコストを貯めましょう)

「呪われデュラハンのキリリコ」で攻撃意思を示すわ。

なんで、「小賢しいバルグ・ベン」は攻撃に参加しなかったの?

もし、この状態で「リランドウの番人」が守備意思を示すとどうなる?

お互いが攻撃力20で体力20だから……

相打ちだね。

うん。

そこで、「盾を構える天使」だ。

このカードは、同じ場にいる天使の体力を10プラスするスキルを持っている。

あっ! じゃあ、紫ちゃんが一方的に負けちゃう!

となるところなんだが!

ここで、紫ちゃんが「小賢しいバルグ・ベン」のスキルで「リランドウの天使」の種別を変えるとどうなる?

えーーと、体力が上がったけど、種別が変わるから、体力が上がったことがなかったことに……

相打ちになる?

そうだね。

だから、桃ちゃんは相打ちかライフダメージを受けるしかないんだ。

(もっとも、桃がライフダメージを受けるのは、仕方がなくではないんだが……)

ライフダメージにするッス。

当然よね。

本性現したッスね!

これで、私のターンは終了!

桃ちゃんのターンッス!

「剣を掲げる天使」を配置。

そして、シンの増長を配置ッス!

あら、攻めないの?

攻めないッスよ。

私のターンね。

「古書の魔物」を配置。

そして、さっきと同じく、「呪われデュラハンのキリリコ」で攻撃意思を示すわ。

どうするの?

守備意思を示さないっす。

じゃあ、ライフダメージね。

あら、手も足も出ないんじゃないの?

私のターンッス。

「剣を掲げる天使」を配置……

そして、もう一枚配置ッス!

最後に、「シンの貯蓄」を貼り付けて終了ッス。

弱いカードばかりね。

確かに、一枚一枚は弱いっす。

ただ、集まると怖いっすよ。

桃ちゃんのファンたちみたい!

桃ちゃん、可愛い!!

当然ッス!

(何もしてこないというより、何もできな見たいね……)

(もしくは、するとしても時間がかかりそう……)

(なら、念の為、もう一枚……)

「狡賢いベルナ・ベン」を配置。

……厄介ッスね。

当然!

「シンの回収」を使って……

「呪われデュラハンのキリリコ」と「古書の悪魔」が攻撃意思を示すわ!

さぁ、どうする?

守備しな~い♪

何もしないまま終わるつもり?

っと、その前に、エイドカードの一炊の夢ね♪

私のターンを……

何もしないまま終了ッス!

あらあら、私のターンね。

(強いカードを一枚か。中堅どころを二枚か……)

(相手が動けない今、数を展開した方がよさそうね。)

「古書の悪魔」と「嫌われデュラハンのサララコ」を配置!

「呪われデュラハンのキリリコ」と「古書の悪魔」が攻撃意思を示すわ!

守備しませ~ん。

また!?

もう、ライフが半分以上減っているじゃない!

私のターンっす。

「ネハシム・セラフィム」を配置っす

!?

そして、「デュナミスの軍隊長」を配置っす!

また、「シンの増長」を貼ってターン終了ッス。

次に炎属性の神髄を見せてあげるっす!

私のターン……

(今の天使のスキルを合わせると攻撃力プラス50……)

(全ライフが250でその内、100のダメージを与えられるの!?)

(絶対防がなきゃ……)

(でも……私にはまだベン一家がいる。)

(天使の修正を無視すれば、何とか……)

「小賢しいバルグ・ベン」をもう一枚配置して、ターン終了。

どうしたッスか? 攻撃しないッスか?

くっ……

(ネハシム・セラフィムが強すぎて手が出せない……)

さて、私のターンっす。

先ずは、「シンの回収」ッスね。

「ランス・オブ・ロンギヌス」をセラフィムにつけて攻撃意思を表示!

っと、ついでに、エイドカードの「のた打ち回る火の鼠」を使用して、「小賢しいバルグ・ベン」を一枚破壊するッス。

どうするッス?

(まだ、修正を受けていない状況。)

(ロンギヌスを装着して、攻撃力90。)

(ライフダメージは絶対ダメ!)

(ベン一家は絶対無理だから、未だしている中で一番弱いカード)

呪われデュラハンのキリリコで守備意思を示すわ。

じゃあ、一方的に破壊ね♪

残念ながら。ロンギヌスはここで破壊されちゃうのです。

でも、最後にロンギヌスの力で、誰か対象に40点のダメージが与えられるッス!

当然、ベン一家ね。

うっ……

さて、私のターンは終了。

私のターン。

(このまま、強化されたセラフィムと軍隊長が攻撃し続けたら、私は勝てない...…)

(唯一の希望はまだベン一家が一枚残っていること……)

(これが破壊されたら絶対に勝てない ……)

(ここはコストを貯めるのが正解のはず!)

ターン終了よ!

桃ちゃんのターン♪ 桃ちゃんのターン♪

「踊る火鼠」を配置!

キープ!

エイドカードの「戒厳令」を使用!

それは出させないわ!

ちぇっ

さっきまで押せ押せムードだったのに、ちょっとは金属性らしい動きになったじゃないッスか。

でも、もう遅いッス。

エイドカードの「のた打ち回る火の鼠」を使用!

場にいる最後のベン一家を破壊!

(最後の希望が……)

(破壊された……)

負けました……

えっ!?

まぁ、確かにどうしようもないか~

桃ちゃんの勝ち♪

………………

また……負けちゃった……

次回予告      紫、ゲームを止める!?

これだけやって勝てなかったら諦めるしかないよね!

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Posted at 2012/09/29 23:21 Viewed 26 times

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中々、勝てない紫ちゃん。今日こそは? まともに対戦を描いちゃうとかなり長くなることが分かりました。次回からは抜粋して描くことにします。<<第03話 http://kimip.net/p/GR3J3 ・ >>第05話 http://kimip.net/p/SSrxY

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