夢を見ていた
それはおぼろげな夢
いつも見ているあの夢……
やぁ、おはよう。
今日もそのリボン、素敵だよ。
夢にいつも出てくる私の王子様。 いつも私を見て褒めてくれる。
あの人は一体……
…………ら。 ………くら。 ……さくら!
ふにゃっ!?
やっと起きたわね……。 おはよう、お寝坊さん……?
え、あ、お、おはよう……。
そ、そんな顔してどうしたの……?
あんたが全然起きないから、私が起こさせに来たのよ、おばさんに頼まれてね……。
え、わわっ!? こんな時間!?
時計を見ると08:15との表示があった。 すぐ準備しなきゃいけない時間だった。
あわわわわっ! ど、どどどどうしようっ! 遅刻だあああっ!!!
さっさと着替えて準備しなさい! 5分でやれっ!
ひゃいっ!
そして30分後……
はふぅ……、なんとか間に合いそう……。
まったく……、私が起こしに来なかったら新学期早々遅刻するはめになったのよ? 十分感謝することね。
うぅぅ……、天音ちゃん感謝してますぅ……(くすんっ
よろしいっ。
まっ、なんとか間に合いそうだし、勘弁してあげるわ。
えへへ、いつもありがとっ。
そしてのんびりと歩き出そうとした瞬間……
(どんっ
きゃっ!?
おっと、ごめん。 怪我はなかったかい?
あ、いえ、大丈夫ですっ。 すみませんでしたっ。
oO(あ、あれ……? どこかで見たような……)
ふふっ、僕もちょっと周りを見てて気が付かなくてね。 僕の方こそごめんね。
い、いえっ、私の方こそごめんなさいっ。
ん、まぁ怪我なくて何よりだよ。 それより、時間は大丈夫かな?
そう言われて自分の腕時計を見ると、始業式まで10分を切っていた。
あわわわっ! もうこんな時間っ! あ、天音ちゃんっ! 体育館に行こうっ!
まったく何やってるのよ! ほら駆け足でいくわよ!
ひゃいっ!
天音ちゃんに急かされて私は体育館へ走っていった。
さっきの男性……どこかで見たようなある気がしたけど……、だれだったのかな?