“異世界(後編)”

前回のおさらい。

神社で涼しんでいた会長と落葉香。 しかし二人は謎の光を浴びてしまう。

光がなくなったと思ったら、なんと二人は異世界に飛ばされていたのだ!

はたして元の世界に戻れるのか! 後編スタートです!

いろいろ試したけど結局駄目でしたね。

そんなことない! 絶対いけるはずデス!

か、会長!?

早く戻って副会長に抗議するデス!

元の副会長は関係ないような。

これからどうしよう。

ん? 私以外の人が珍し…

あ。

ど、どどどどうしよう!

お、おおお落ち着くです!? わ、私たちは通りすがりのよく似た変装屋デス!

それ怖いですよ!

じゃあ他にどうしろと!

えーと、もしかしてあなた達は別の世界の?

うぐ、そ、そうです。

なるほど。 納得。

ええ!? それだけ!?

ここにいたら他のみんなにも見つかる可能性があるからとりあえず家に来ませんか?

おお♪ 別の世界の自分の部屋には興味がある。

まあ、これ以上ややこしい事態になるのは避けた方がいいデスね。

麦茶でいいですか?

お願いします~♪

お菓子もつけてくれます?

確かお母さんがなんとなく買って来たバウムク―ヘンがあったはずですから持って来ます。

こっちの落葉香ちゃんはいい子です!

私だっていい子!

二人は落ち着きを取り戻す。

さて。 聞きたいことがあるけど聞いていいですか?

二人「「何でも聞いて!!」」

どうやってこの世界に?

それがよくわからなくて、確か神社の鏡が光ってそれに触れようとしたらここへ。

うん。

なるほど。 あの鏡には不思議な力があると言われているんですよ。 光を浴びたら腰痛が治ったとか、探し物が見つかったとか。

なんだか便利道具みたいデスね。

そう言われると否定できませんね。

だけどあの鏡が原因ならあの鏡を調べればきっと元の世界に戻れるかと。

おおー! 希望が…

ただ私もそこまで詳しいわけではないので…。

いやいや、少しでも帰れる方法があると解っただけでも十分な情報デスよ!

あくまで推測なんですが、あの鏡は願いを聞いてくれるのではと思いました。

願いデスか?

会長! そういえば私達あの鏡の近くでつまらないって会話してましたよね!?

確かに! 刺激が欲しいとも言いましたデス!

ということは鏡がそれを聞きとって叶えたと考えるべきだと思いますね。

じゃあまた鏡にお願いすれば!

元に戻れるかもデス!

可能性はあるね。

よーし! 早速行くデス!

あ、でもバウムクーヘンは全部食べてからデス♪

会長! 早く帰りましょうよ!

鏡よ! 私達を元の世界に戻すデス!

し~~~ん

戻してください!

し~~~ん

この人達を戻してあげてください。

し~~~ん

だ、駄目みたいですね。

もうぶっ壊すデス!

だ、駄目ですよ! 帰れなくなります!

でも願いが通じないと戻れないデス。一生こっちで生きて行かなきゃいけないデスか?

元の正ちゃんや解ちゃん、眞流山さんに会いたい。

二人「「うわーん!! 戻して~!!」」

ん? 鏡が光出した!

ふえ?

な、なんと!

二人とも今ですよ!

二人「「おりゃー!!」」

シュー、バリン。

ううん、どうなったの?

二人がいない。 どうやら戻れたみたいだね。

鏡も割れちゃったか。

この鏡、私の願いも叶えてくれたんだね。

ありがとう、不思議な体験がしたいっていう願いを叶えてくれて。

ほんの少しだけだったけど素敵な体験だったよ。

ドシャン、ボキ!

うう~、お尻打った~。

今腕から嫌な音がしたデスよ…

会長? 落葉香? 二人ともどうしてそんなところから?

せ、正ちゃん!?

どうした? そんな始めてみるような顔をして。

解ちゃん!? 正ちゃんは解ちゃんのお姉ちゃん?

正奈の方が私より姉に見えるって言いたいのか?

あ、いや。 その…

お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ。

そして未来の私のお姉さんです!

お前には絶対正奈はやらん!

全力で奪います!

元のみんなだ!

何がどうし…

うわーん! 正ちゃ~ん!

え? 何?

もう会えないかと思ったよ~!

なんだかわからないけど…

ちゃんといるから安心して。

うう、ありがとう。

いいなぁ、あんなふうに私も正奈さんに…

おまえは絶対阻止する!

会長~。

おお! 副会長?

何故疑問形なんですか? それより…

仕事がたまって手におえないんです~。 戻って来てください!

う。 それは…

そうデスね、たまにはちゃんと仕事しますか。

か、会長! ありがとうございます!

それじゃあ、善は急げデス!

はい!

二人は走って行った。

ねえ、正ちゃん。 もし私がテストでオール100点とっても友達でいてくれる?

うん。 それでも友達だよ。

正ちゃん!

もっともオール100点は無理そうだけどね。

ひどいよ!

この後、落葉香はみんなで商店街へ遊びに行くことになった。 そんなみんなの何もなかった反応を見て、落葉香はあれは夢だと思った。

しかし落葉香は気づいた。自分の頬にはもう一人の自分の家で食べたバウムクーヘンが付いていたと知り、落葉香はあれが夢でないことを確信した。

不思議だけど、十分刺激のあった体験をしたのだと心の中で密かに思った落葉香であった。               終わり。

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Posted at 2012/07/10 15:20 Viewed 16 times

From Author

あなたも異世界に飛ばされたらどうしますか? というのは置いといて。前篇から再生してくれた方々、ありがとうございました! よかったら感想コメントよろです。

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