こんな所で何してんだ?姉貴
い、いや……。その、なんだ
へっ……、部屋にだな……
何だよ、じれってぇなぁ
何があったかハッキリ言ってくれよぉ
い、言えるか!馬鹿者!!
いや、別に言いたくないんなら良いけど
ただ、俺の部屋のベランダに居る理由を教えてくれよ
そ、それはだなっ……
………うぅ
何だ?何かマズいことでもあるのか?
だ、駄目だ!言えない!!
もー…、何だよぉ
言わないなら別に良いけどさ
ってか、友達くるから出てってくんない?
その格好でベランダに居られると厄介なんだけど?
ほぅ?私はお前にとって、その程度の 存在か
えぇ、そうですが?
そうか!なら、良かった♥
は?どういう事だよ
ほー?言わせるかね?
ここまで来れば気になるじゃん?
さぁ!ネタ晴らしの時間だぜぇ!!
……実はだな
わ、私の部屋に黒き悪魔が出たのだ!!
……黒き悪魔ぁ?
あぁ、ゴキブリか
……それで?
わ、私って博愛主義者だろう?
幾らアレでも殺すのは可哀想でな
かと言って、外に逃がしては車にひかれてしまうかも知れない……
ならば、最適の場所に逃がしてしまおう…、と思ったのさ
最適の場所って何だよ?ゴミ箱か
はははっ!まさか!!
お前の部屋だ♥
……え?
それはもう、嬉しそうに這いずり回ってだな
私としても嬉しかったんだが、あまりの嬉しさにお前秘蔵のエロ本を掘り出してしまってな
何だって?
机の上に置いておいたぞ!
はぁああああああああ!?
しかし、お前もアブノーマルだなぁ……
お姉ちゃんは嬉しいゾ♥
何してくれてんだぁ!?
やぁ、久しぶりだね
もう来たのかよ!?
早めに来たのさ
いやぁ、久しぶりにお姉さんに会いたくてね
ほう、嬉しいことを言ってくれるじゃないか
だが、私は心に決めた人間がだな……
おい!そんなの初耳だぞ!!
当然だ!愛する人間になど恥ずかしくて言えないだろう!
俺かよぉ!?
おやぁ?お姉さんはこんなアブノーマルな趣味を持つ野郎が好き、と
テメェ!?見たのかぁああああああ!!
親友として悲しいぞ?
貴様がこんな趣味を持っていようとは…
そこが良いんじゃないか♥
いやはや、やはりお姉さんは奇想天外 ですね
我の嫁に相応しい……!!
テメェに姉貴はやらねぇぞ!?
わ、私の為に争わないでくれ……
あ、やっぱりあげるわ
何故だぁ!?弟よぉ!!
いや、もう勘弁してください
あはは!式の日取りを決めなくちゃね!
コイツは生理的に嫌だ!!
弟の友人を生理的に、ですか……
黒き悪魔と共にある人間なんて、無理
はははっ、ご冗談を
お、お前……、肩……
うん?
カサカサッ
助けてくれ
……無理
お姉さんは諦めよう
廃品回収をお願いします
廃品とは何だ貴様ぁあああ!!
お、俺!部活があるんで!!
貴様は帰宅部だろう?
いや、ホント勘弁してください
フフフフ………
助けてくれ
ここから飛び降りれば良いじゃない♥
博愛主義はどうしたぁっ!?
彼は別に決まってるでしょ?
……鬼畜だ
お姉さんの命令とあれば……
行くか
お、おい!!
お姉さん!俺と結婚してください!!
無理♥
ドゴッ
一件落着ね♥
おぃいいい!生きてるかぁああああ!!
大丈夫よぉ、彼は黒き悪魔並みにしぶといから♥
さ、部屋に帰って寝ようかしら
き、鬼畜だ……