前回のあらすじ！
楓ちゃんと一緒に野球観戦に来て、激辛コロッケでヒーハー！
以上なのだ！！！
えっ！？ ほ、本当にそんなざっくばらんでいいの楓ちゃん？
ふむ、確かにこれではあらすじになっていないのだ。再考する必要があるのだ。
えー、それでは気を取り直して....
前回のあらすじ！
詳しく知りたくば、 『ぐだぐだな日常３０』を読み返すのだ！
それじゃああらすじの意味がないよ、楓ちゃん！
と、いうわけで、本編スタートなのだ～♪
え！？ こんな始まり方でいいの！？ タイトルに忠実にもほどがあるんじゃないかな！？
ワイワイ.... ガヤガヤ.... ワイガヤ....
お客さん、だいぶ入ってきたね楓ちゃん。
ふふふふ、プレイボールまでもうすぐなのだ。屈強な男たちの血湧き肉踊る熱戦までもうすぐなのだ。
楓ちゃん、メガホンバットまで取り出して、もう準備万端って感じだね。
ちゃんとグローブも持ってきてあるのだ。抜かりはないのだ。
って、楓ちゃん、野球は観戦専門で実戦はからっきしでしょ？ グローブ持参して、本当に球が飛んできた時に捕れるの？
気合でなんとかなるのだ！
怪我だけは気をつけてね、楓ちゃん・・・。
あー、まだ始まらないのかなのだ？ ワクワクが止まらないのだ。ついでにのどもカラカラなのだ。
（こんな子どもみたいにはしゃいでる楓ちゃんを見るのはいつ以来だろう・・・）
（動画とか撮ったら、やっぱり怒るのかなぁ・・・）
あ・・・しまったのだ。もうお茶が切れてしまったのだ。
あ、そういえばさっきあたしが楓ちゃんの激辛コロッケを食べたときにがぶ飲みしちゃったんだった・・・。
私の不注意が招いたことなのだ。因果応報、自業自得なのだ、渚が気にすることはないのだ。
とりあえず、自販機でお茶を買ってくるのだ。
だったら、あたしが買いに行くよ！ 丁度トイレにも行きたかったし。
そうか、では申し訳ないが頼むのだ渚。
あいあいさー。
手はちゃんと洗うのだぞー！
もーまんたいー♪
ふぃー♪
さぁて、おトイレも済ませたし、楓ちゃんのお茶を買いに行きますかな～。
おっ早速発見････
って、500mlのペットボトルが250円！？
なにこのぼったくり！ 山奥の隠れ家的民宿の自販機の方がまだ安いよ！
・・・・一応、売店の方も見てみよう。ここよりも安かったらアレだし・・・。
おおぅ！ なんて良心的価格な自販機なんだ（棒読み） ｶﾞｼｬｺﾝ
これより、両チームのスターティングメンバーを発表いたします。先攻....
１番 セカンド ニシオカ....
ウォォォォォオオオ！！！ （ドンドンドンドン！！！）
うわぁ、相変わらずビジターとは思えない声援だね！
何しろ某兵庫の聖地についで、第二の聖地と呼ばれているくらいなのだ。
ホーム側の人たちとしては、複雑だろうねぇ・・・。
球団としては、ビジター中心でも客が入ればそれでいいのだ。
でもそれって、他力本願だよね？ 他球団人気に便乗してるだけで、自分とこの球団ファンが拡大してるわけじゃないじゃない？
球団の体質がそんなんだから、長いこと犬だなんだのってバカにされちゃうんだよ。
こらこら渚、いくらここが３塁側、ビジターファン側とはいえ、そんな悪口を言ってはいけないのだ。
ここはテレビやパソコンの前ではないのだ。公共の場なのだ。さらに重要なのがここはそのホーム球場なのだ。
あまり下手なことを言って、熱狂的なファンにでも掴まると面倒なことになるのだ。そういうことはここでは胸の奥底に秘めておくのだ。
そ、そうなんだ。 気をつけるよ、楓ちゃん。
そういうわけで、今は目一杯選手を応援してあげようなのだ！
どっちかというと、のんびり観戦したい気分なんだけd
ヤマトー！ 頑張ってー！ ヤマトー！
楓ちゃん、意外と渋いとこ好きだね・・・。
シュッ ブン！ バスーン！
ウォオオオオ！！！ あーあーあー・・・
えっ？ さっきの２ストライクじゃないの？
きっちり今の３ストライクの空振り三振１アウトなのだ。きっと１球見逃してたのだ。
えーうそー！？ まだ１ストライクの気持ちで見てたよー。
普段テレビやラジオで実況解説だけ聞いてカウントを認識しているからこうなるのだ。
えー、そんなことないと思うけどなぁ。
意外や意外で、それがありうるから恐ろしいのだ。ちなみに今ので２ストライク２ボールなのだ。
ええっ！？ もうそんなとこまでいってたの！？ あっホントだ！
ちゃんと目で追って、自分の中でカウントを整理できないうちは、しばらく混乱すると思うのだ。
ちゃんと投手の投球を見て、投げ終わったらスコアボードでカウントを確認するといいのだ。
う、うん。 あたし頑張るよ、楓ちゃん！
ガァン！
ああん、もう！ またショートゴロなのだ！
毎回毎回ランナーは出て、得点圏に進めているのに、なんで得点に結びつかないのだ！
いやぁ、相手ピッチャーの術中に見事に嵌められたって感じだね。
まぁいいのだ。まだ１周り半なのだ。２周り目からが本当の勝負なのだ！
燃えてるなぁ、楓ちゃん。
アライー！ 打ってくれー！
見てみて楓ちゃん。あそこにも未来の熱狂的野球ファンがいるよ。
いやいや、むしろ我がたいがーすの不動のエース、もしくは４番バッターかもしれないのだ。
ちょっと期待しすぎじゃないかな楓ちゃん？
そんなことはないのだ。むしろ期待するべきなのはこのチャンスで打席が回ってきたアライの方なのだ。
アライー！ ガンバレー！ アライー！
本当に一生懸命応援してるね♪ あんなに純粋に応援してて、なんだか選手よりもあの子を応援したくなっちゃうなぁ。
（むむむ、子どもとはいえ、私の渚に応援してもらえるとは・・・）
（・・・うらやましいのだ）
バスーン！
ストラック、アウトォ！！
あー残念、見逃し三振だ。
外角のきわどいところとはいえ、しっかりカットして欲しいのだ！
あの子も、がっかりしてるんだろうね。あんなに声援を送って
アライー！ バット振れよ、バーカ！
・・・・・・。
渚。
・・・・あの子、きっと立派な熱狂的野球ファンになるよ、楓ちゃん。
・・・・なのだ。
６回裏が終わって未だ均衡破れず、 ０－０の同点･･･。
両投手とも一歩も譲らない白熱した投手戦なのだ！
白熱してるのはいいんだけどさぁ・・・。せっかく球場に来て生で観てるんだし、そろそろホームランが観たいなぁ。
っていうか、投手戦って生で見ると案外飽きちゃうんだね。いやどっちも抑えててすごいんだけどさ！
なんというか、そろそろここら辺で華が欲しいというか、なんというか・・・ねぇ楓ちゃん。
ふーん。
あ、あれ？ 楓ちゃん、なんでちょっと不機嫌そうなの？
・・・別に。 不機嫌じゃないのだー。
もしかして、投手戦がつまんないって言ったことで、怒っちゃった・・・？
べっつに～。 投手戦なんてただ投げてるのを見てるだけでつまんないのだ～。
１点を争う、緊張感の漂う水面下の攻防なんて、目に見えないだけで面白くもないのだ～。
ご、ごめんね楓ちゃん！ あたし、変なこと言っちゃって・・・！
別によいのだ、渚。 私は全然気にしてないのだ。
投手の意地とプライドの駆け引きなんて、見ていても確かに飽きてしまうのだ。つまんないのも無理ないのだ。
ねー楓ちゃん、あたしが悪かったよ、だから機嫌直し･･･
パカァァン！
おぉ！？
え？
ウォォォォォォォォォオオオオオオオオオオ！！！！！！！
ホームランなのだー！ 均衡を破る値千金の勝ち越しホームランなのだー！
うわぁあああ！！！！ すっごーい！
やはり野球の醍醐味といえばホームランなのだ！ 息詰まる投手戦もいいが、やはりホームランこそが野球の華なのだ！
え？ 何その手のひら返し・・・。
応援しているチームの選手が打ったのだ！ これを喜ばないファンがどこにいるのだ！
いやでも、さっきまであんなに投手戦こそが野球の醍醐味みたいな風に語ってて･･･あれ？
おお～♪ おっおお～♪ は～んし～ん･･･
聞いちゃいないよ！
はー、よい試合だったのだ～♪
８回裏にまさかの代打の代打逆転３ランホームランを浴びた時はどうなるかと思ったけどね（主に楓ちゃんが）
９回の満塁での代打ヒヤマの逆転タイムリーでもう全身の血が沸騰するかと思ったのだ！
おおお！ 思い出すだけで足が武者震いしてきたのだ！！
でもなにより、応援してるチームが勝ってよかったね、楓ちゃん！
そうなのだ！ それがなにより一番嬉しいのだ！ 今日はいい日になったのだ！
して、渚の方はどうだったのだ、今日は？
初めての球場に足を運んでの野球観戦を終え、球場処女を捨てた渚の感想を聞かせて欲しいのだ。
うーん、そうだね・・・。
最初は、生で見るのもテレビで見るのも対して変わらないって思ってたんだけど、
実際にこうして足を運んでみると、まず周りの雰囲気がすごかった！
テレビでもよく応援しているファンとか抜いてるけど、やっぱり現地だと全然違うね！
もちろん選手のプレーもね！ やっぱり生で、自分の目で直に見ると、躍動感がハンパないね！
これはもうしばらくはテレビじゃ満足できなさそうだよ、楓ちゃん！
そうであろう、そうであろう♪
でもね・・・
？
楓ちゃんと一緒に観れたのが、一番楽しかった要因かな♪
あーでも流石に疲れちゃった。ファールボールとか直接は飛んでこなかったけど、それでもやっぱり目を離せないから、大変だったよ。
では、今日は早く帰ってゆっくり休むといいのだ。
そうだね。帰ってお茶でも飲んで、それからゆっくり休むとするよ！
もしよかったら、楓ちゃんも一緒にお茶どう？
お言葉に甘えて、御呼ばれしちゃうのだ。
今日の試合だけでも、まだまだ語れてない部分は沢山あるのだ。帰ってゆっくりと語ろうとするのだ。
興奮冷めやまぬご様子ですな、楓ちゃんは～。
（あたし、本当に休めるのかな？）
それじゃあ、駅に向かってレッツゴ三匹なのだ～♪
レッツゴー♪
～終劇～
