『天才とバカは紙一重 1』

なんだよ、学の奴。大変なことが起こったから、すぐ来てくれって言ってたくせに。

どこにもいねぇじゃん。あー、もう部活行く気も無くなったし、このまま帰ろうかな。

ん?

誰だろ、初めて見る娘だな。この下駄箱の前にいるってことは、同じ学年だと思うけど……

……さっきからキョロキョロして、誰か探してるのか?

ん?ああ、いたいた。 いや、急に呼び出して悪いな。何分この恰好じゃ動きづらくてさ。

え?あの……人違いじゃない?俺はキミと会ったことないと思うけど。

(随分馴れ馴れしい奴だな)

は?お前、幼馴染の顔を……

……ああ、そっか。何も説明してなかったな。俺だよ俺、向田 学だよ。

は? 何言ってんの?(この娘、頭大丈夫か?)

まぁ、そうなるよな。 んー、まずは信じて貰わないと何も始まらないな。

そうだな……中学校の修学旅行で行ったお化け屋敷にビビッて漏らして、水がかかるアトラクションでごまかしたり

野球部で坊主だったから、あだ名がおにぎり……なんてことを知ってても、証拠にはならんだろうしな。

な、何故それを……お化け屋敷のことなんて、一緒に歩いてた学しか知らないはずなのに……

……もしかして、本当に学?

ああ、お前の幼馴染で親友の学だ。

ええ!? 何で、何でそんなことになってんの!?

……今から説明する。

説明中

……つまり、惚れ薬を作って飲んだら、実は性転換の薬だったと?

ああ、人の愛情という感情を分析するための実験をするつもりだったんだが、どうやら失敗したみたいだな。

どうやら失敗したみたいだなって…… ただでさえ化学部はいろいろ注意されてるのに、部長がこんなことになってどうするんだよ?

返す言葉もない……

だが、完全な失敗では無い様だぞ。惚れ薬としての効能もちゃんと機能している。

は?

単純に言えば「刷り込み」だ。 どうやら薬を飲んでから初めに見た元々の同性……俺で言えば男に強烈な好意を抱くみたいだな。

おい、ちょっと待てよ。 それってもしかして……

相変わらず察しがいいな。 それで一つ頼みがあるんだ。

お前が大好きだ。 俺……いや、私と付き合ってくれ。

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公開日 2014/02/16 22:29 再生回数 19

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