・・たすけて。
またこの夢だ。
・・・たすけて。
掠れた小さな声が助けを求めてる。
・・・・たす・・けて。
ん…………… 。
……… 。
俺は目が覚めた。 あの夢はいったい何なのだろう…。
「お兄ちゃーん!朝ごはん出来てるよーっ!」
直哉「わかったよ…、すぐ行く。」
直哉「今日だるいから学校サボろ。」
「サボったら駄目~っ!!」
これは妹の鈴。 俺の2つ下で同じ学校に通ってる。
直哉「朝からうるせーよ…。てか何で聞こえるんだよ。」
鈴「そういうズルをしようと企んでる人の声はどこに居ても聞こえるのですっ☆」
直哉「はいはい。」
鈴「最近、直哉冷たいぞ… クスン」
直哉「泣くふりしたって変わらねぇよ。」
鈴「っ!…もう知らないっ! 先に行ってるから、朝ごはん食べてちゃんと学校に来てよね!!」
鈴「行ってきますっ! バタン」
直哉「朝からうるさい…。」
直哉「飯どこだ?」
直哉「…あったあった。」
直哉「うわっ!何だこれ… 食べ物か?」
テーブルの上にあったのは、 真っ黒になった卵焼き。
直哉「…見なかった事にしよう。」
直哉「朝飯でも調達しに行くか…!」
直哉「そういえば今日、親帰って来ないんだっけ… 。晩飯も買った方が良さそうだな。」
直哉「鈴が作った晩飯は絶対に食べたくないし…(汗」
直哉「…ん? こんな道、ここにあったっけ…。」
直哉はその道を何も知らずに入ってしまう。その行動が、のちに大変な事になるとも知らずに。 END