“私の周りが変人すぎる!? 第2話”

~入部する10分前の佐藤~

く~も~りガラスの向こうは風の町♪ 問わずが~たりの心が切ないね♪

それにしても、楽しみだわ! まさかこの学校に、「変人部」なんて部活があるなんて。

まさに私にぴったりの部活よね!

目立たない所に勧誘チラシ貼ってあったから、きっと新入部員は私だけよねー♪

誰も知らない変な部活に入る私……。 最高に変! まさに変な子の権化よ!

顧問の先生に即入部届出したから、部員を誰一人知らないっていうのが不安だけど……。

ま、それも私らしくて良いか♪ 一応名簿だけは貰ってるしね♪

「大先輩」に「ドッグさん」、 あと「花子ちゃん」かあ……。

変わってる人達っぽいけど、 変わってる者同士、上手くやれるよねきっと!

って、また独り言しちゃった。 これ以上「変な子」になってどうするのよ私☆

まだ何も知らない―― テンションMAXで若干ウザい佐藤であった――

それでは第一回! 「八時じゃないけど全員集合!~佐藤ちゃんの入部試験はっじまるっヨ~」

……を、開始いたしま~す!!

『い――――えぇぇぇぇぇい!!』

審査員はこの私、 なんかケモノくちゃい「大先輩」と

貢がせる(年配者のみ)「花子ちゃん」

ともかくむせる「ドッグさん」 ……で、行うぞ。

いぇいいぇい、 い――――えぇぇぇぇい!!!!

(ノリがウザい……)

あれ? 佐藤ちゃんテンション低くないですか? おなか壊しました?

別に。 ただ私が想像していた『変人部』とのギャップにね、いまさらだけど……

落ち込んでるのよ……。 さっきのテンションの反動が……。

あきらかな、 ばっとぅこんでぃしょん!

けどその程度で手加減してあげる あたし達じゃないしー

試練とは常に厳しきものよ。 獅子は我が子を谷に落とすとも言う

そうですよね! 可愛い後輩のために、あえて鬼となって試練を与えるのが、正しい先輩というものですよね!

(いつの間にか『試験』から『試練』にランクアップしてる……)

では改めまして! 「八時じゃないけど全員集合!~佐藤ちゃんの入部試験はっじまるっヨ~」はじめますよ!

略して「八ヨ」でいいんじゃない? 略さないとかJKじゃないっしょ!

(いやあんた地蔵じゃない……)

それではまず、 佐藤ちゃんには「変人アピール」をしてもらいます。

「変人アピール」……?

ええ。 日常でやった、あるいは起きた「変なこと」を話してもらい、変人度を測ります。

全員が「変良い」のボタンを押せば合格。一人でも「う~ん」を押したらやり直し。

チャンスは五回やろう。 それまでに小娘。主は我々に「こやつは変人だ」と思わせねばならない

ま、あたし達に「こいつ(頭が)チョヤバじゃん!」って思わせた奴なんて、一人もいなかったけどねー。

ルールは以上です。 なにか質問は……ん?

ふふふふ……

勝ったァ! この勝負、 はじまる前に私の勝利は決定しているっ!

え? え?

「変な子」と言われ続けて15年…… この私が「変な子アピール」で負けるはずがないわ。

ちょっと有利すぎるくらいだけど、 勝負って残酷なものだからね。 仕方ないわよね。ふふふ……。

(なんか変なスイッチ入っちゃいましたよ?)

(まあ面白いからよかろう)

(なんかキンモー☆ ばくウケなんですけどー)

それじゃ早速、 「変人アピール」させてもらうわね

これは私が小学一年生のときの話よ。

給食でね、ゴーヤチップが出たのよ 幼稚園出たばかりの小学生。 誰もゴーヤを食べることはできなかったわ。

私を除いてね!

私、子供のときから「変な子」だったのよ。 周りと違って困ったわー。

………………

えっ、えーと。 今ので終わりですか?

そうよ! さあ判定は!

『う~ん』 『う~ん』 『う~ん』

満場一致で『う~ん』ですね。

変人とは程遠いな小娘。 ゴーヤではなく「悪〇の実食べた」などであれば評価はできたが。

せめて「100寺の貞操を食った」とかならねえ。 あたしも認めてあげたんだけど。

ま、まだよ。 私の変人力はこの程度じゃないわ……

これだけは誰にも話さないと決めてたんだけど……仕方ないわね。

そう! 私は、時を止めたことがあるのよ!

中学生の頃の話よ。 ふとあるとき、アナログ時計を見たらなんと……!

秒針が止まっていたの!

信じられないのも無理ないでしょうけど、間違いなく止まっていたわ。 もちろん電池切れなんてオチはなしよ。数秒後普通に動いてたから。

まあ結果はわかってるけど、 判定は?

『う~ん』 『う~ん』 『う~ん』

満場一致で…… って、そんな今にも飛び降り自殺しそうな顔しないでください!

ど、どういうことよ……。 時を止めるなんて普通じゃないでしょうが。 理由を説明しなさい理由を。

いやな、小娘。 それはむしろ「よくある勘違い」だと思うのだが。

勘違いじゃないもん! 絶対秒針止まってたもん!

仮に、だ。仮に時を止めていたとしても……時を止めるなんてことは、ノリで出来るものだぞ?

え?

我も昔は良くやったものだ。 最高に「ハイ!」なときは、9秒ぐらいは時を止めたものだな。

そうそう。 大先輩殿には「時止め返し」もやられたな。あれは驚いたものだ。

時止め返し? なにそれ初ミミなんですけどー 詳細キボンヌ♪

い、いえあれは若気の至りというもので。ドッグさん、そんな恥ずかしい昔話しないでくださいよー!

『聞かせてよドッグ~』 『だ、ダメですよドッグさん!』 『ふむ。どうしたものか』

(ほ、放置……! 変人で常にみんなの注目を集めている私が、放置……!)

ふふふふ……これはイヤみにもなるから、言いたくはなかったんだけど、 もうこうなったら仕方ないぶつぶつ……。

実は私、いままで彼氏一人できたことないから!

すごく身持ちが堅いのよ私。 父親以外、異性の手を握ったこともないわ。

どう? 女子高生にもなって男性との接触はほぼゼロ! これを変と言わずして、何を変という!

『う~ん』 『う~ん』 『う~ん』

満場一致で……

なんでじゃゴラァァァァァァッ!!

今時いないわよ!? 私みたいな女! 他に誰がいるっていうのよ!?

じ、じつは私……

なにっ!?

かれこれ1000年近く異性と接触してませんが。

……………………………………………………

にこっ

にこっ

そんなん ちーと や! ちーたー や!

ずるっ! ずるいっ! のーかん! のーかん!

ああっ、なんか佐藤ちゃんが…… 壊れました!?

もう決まりだな。 小娘は我々と時間を共にするには、 あまりに普通すぎる。

別にあたしはどうでもいいけどぉ やっぱ、住む世界が違うのよね。 あたし達とは。

せっかくの、72年振りの新入部員なのですが……

ど〇えもんがなんとかしてくれる! どら〇もんがなんとかしてくれる!

佐藤ちゃん……。

わたしが いちばん へんなのよ! こどものころから へんなこ っていわれるのが かいかん だったんだから!

えっ、なにそれ怖いです……

いつも どうすれば へんなこ っていわれるか けんきゅうしてきたのよ! (さとうから のーと がおちたぞ)

え、なになに。 変な子研究ノート……? 中身は……

花子ちゃん!? どうしたんです花子ちゃん!? ドッグさん、花子ちゃんが地蔵のように固まって!

これが原因か。 どれ……………………

ぐはっ!

ドッグさん!?

あ、頭のハートがなければ即死だった。

こ、これは封印せねばならない。 常人が見れば発狂する。 常人でなくとも発狂する。

わたしが わたしたちが へんじん だ!

小娘……どうやら貴様の器を見誤っていたようだ。

ではドッグさん……!

ふむ、入部を認めても良いだろう。

仕方ないわね、 あたしも認めてあげるわ。

花子ちゃんも! というか普通に復活しましたね!

佐藤ちゃん、佐藤ちゃん! やりましたよ! 入部決定です! あなたは私達が認めし「変な子」ですよ!

ふつう に なったら まけかな とおもってる………………えっ?

あれ、私。 いままで何を。

(記憶が飛んでる……!?)

(やはり只者ではないな)

(こいつ(頭が)チョヤバなんですけど)

と、とにかく! 佐藤ちゃん、入部おめでとうございます~♪

あれ、私いつの間に入部が決定して……?

ハッ、そうか!

私、無意識のうちに変な子オーラを放っちゃっていたのね。 ごめんごめん、ホント完全に無意識だったわー

(おバカな子ですね……)

(イタい子ね……)

(末恐ろしい若人だな……)

(なぜだろう。みんなの視線が生暖かい……)

(あれ? それに私、なんでこんな必死に入部しようとしてたんだっけ?)

(………………)

(ま、いっか。 目的を忘れて気にしない私も、 相変わらず『変な子』ね!)

つづく!

次回予告

今回こそは真面目に次回予告やりますよ!

わかっている。 ……と言いたいところだが、 少し用事があってな。 今回は大先輩殿に任せる。

えっ、私だけで…… と、もういませんね。

(………………)

(………………)

とある高校の第一階層に上がった変人部たちは、 そこで剣道部のゴリ松というおじさんに出会ったり出会わなかったり!

このゴリ松、変人部には初見で マ〇ターボールは取れっこないって言うんです!

そんなことはない、絶対に取ってやりましょう!

そこへまたまた、 セイトシドウのバトルゴリラが現れた。も~、しつこいやつ!

次回、魔神英雄伝っぽい変人部  『やっぱりサブタイ考えてない』 はっきし言って、 おもしろかっこいいぜ!

ジー………………

ハッ! い、いつからそこに!?

大先輩殿も、ノリノリのようで。 大変結構結構。

うわぁぁぁぁぁぁぁん!!

おまけ 登場人物紹介

佐藤 ぴちぴちの高校一年生。 変人部の新入部員。

「変な子」といわれることに快感を覚える、 変人部をドン引きさせる変な子。 でも普段は普通のツッコミ役。

変な子研究ノートを作成してる。 内容見るとヤバい。なにがヤバいって超ヤバい。

カラオケでは、同年代が知らない昭和歌謡を歌ってドヤ顔するとか。 友達は少ないほう。

ちなみに、一応主人公である。

おまけ おしまい

ご視聴ありがとうございました!

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Posted at 2012/09/22 19:07 Viewed 47 times

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