『私のライバルは中二病 その3』

まったく、お前はロクな奴連れてこんな。

すいません。この子、今日転校してきたばっかりだったので……。

MPが……MPが足りてれば……。

(なんか戦意喪失してるわね)

それより優理!

なんですか、生徒会長。

今日の夜も付き合ってくれる?

(めんどくさいなー)

もちろんです! いいですよ。

わーい!

か、会長のキャラがいつもと違う。

優理、何の話?

えっ、まあ……うん。

ちょっとした家庭教師みたいなもんだ。

なんだ優理に勉強教えていたんですか。 もう、そんなの私に言ってくれればいいのにー。

(私が教えてもらっているんだがな……)

……。

なんだ、まだ用か。

いつか俺はあんたを越える。

その時までせいぜい待っておくんだな。

喧嘩ならいつでも買うよ。

あっ、その……暴力はいけないと思います。

(やっぱ気が小さいはこいつ!)

放課後……。

それじゃあ、お先にー!

本当、誰よりも早く帰るわよね。優理って。

ちょっと聞きたいことがある。

なに? まだなんか用があるの?

あの優理という魔女のことを詳しく教えてほしい。

あんた優理をどうするつもり!?

まあ待ってくれ。

あの魔女は魔王となんらかの契約を結んでいるようだ。

け、契約?

危険だと思わないのか? あの暴力女……もとい魔王が魔女のところに出向く可能性があるんだぞ。

で、でも生徒会長に限ってそんな危険なことは……。

ふふ、これで今日も邪魔をするものはいないな。

せ、生徒会長……今日は勉強を教えてもらうだけの話じゃ?

もちろん教えるさ……。

保険体育をな……?

ありえる……。

魔女の命があぶない……。 早くあの子の家へと案内するんだ。

ええ、分かったわ!

(ふっ、別に魔女がどうなろうと知らん)

(あの子は魔王のなんらかの弱点を知っているかのように思えた)

(その弱点さえ知れば、魔王を倒すなど容易い……)

優理宅――。

さて、ログインしてと……。

会長はもういるのかしら。

優理ー!

もうログインしてたんですか、会長。 生徒会の仕事があったんじゃないですか?

それがな、放課後になって教頭に仕事を押し付けられたんだけどな。

全部、副会長に任せてきた。

(鬼や……)

それじゃあ、今日もご教授の方よろしく頼む。

任せてください。

(初心者と組むと、レベルが上がらないんだよなー)

(でも知り合いの頼みは断れないし、仕方ないか)

今日はここらでレベル上げか。

私が回復しますんで、会長はどんどんとモンスターを倒しちゃってください。

うむ、任せたぞ。

カエルスライムが現れた。

む、敵か。

先手必勝! くらえ、ファイアーパンチ!

ケ、ケロー!

カエルスライムを倒した。

よしっ!

やりましたね! さすがは会長!

優理の回復があったお陰だよー。

(やっぱ回復役は退屈だわ)

よし、次来い!

(母)優理ー、あんたにお客さんよー!

えっ、こんな時に!?

やっほう、優理ー。来ちゃった!

あ、葵?

あれ、会長は一緒じゃないんだ?

(や、やば。モニター見られないようにしないと)

(ネトゲオタクってあまり知られたくないしね……)

でも、優理が無事でよかったよー。

な、何の話?

ふっ、どうやら間に合ったようだな。

(な、なんでこんなところに中二病が!?)

ん……?

(やば……ネトゲの画面見られた)

へぇ……。

と、とりあえず下でお茶でもしない? せっかく来たんだから。

おっ、いいねー。

悪いが、俺にはやることが出来たので帰らせてもらうよ。

そ、そう……。

かえれーかえれー。

別にそこまで言わなくても……。

(気が小さいってもんじゃないわ、こいつ)

(そういえば、なんか忘れているような……)

優理! そろそろ回復を頼む!

……。

ゆ、優理?

……。

ちょ、やば……体力がもう!

あぁあああ!

(まっ、いっか!)

続く……。

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公開日 2012/10/10 12:03 再生回数 49

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