『【リレー小説5】一七歳の天使 第一話』

11月。 寒さもいよいよ身に沁みだしてきた 季節。

京都の、とある図書館にて。

烏森がまじめに勉強だなんて、 今年は大雪にでもなるのかしら?

仮にそうだったら、さぞ大喜びだろう、ワン公?

わ、ワン公言うな!

この2人。男は烏森護(まもる)。 女は千恩地一子。 同じ学校に通うクラスメイト。

と、いうか。いざ勉強するとこ探して、図書館とか安直すぎやしない?

まず形から入るからな、俺は。 ここは落ち着いて勉強できる、格好の良い場所だ。

ハイハイ、そりゃご苦労さまですねー。

おいおい、人ごとみたいに・・・。 お前もけして成績がいいわけでもないだろ?

あ?わたしは一芸で大学入るからいいもん。

あん?お前、なんかやってたっけ?

バイオリン。

しずかちゃんか。

一子ですけど。

お前、芸人でもなるんか?

私は真面目にプロを目指すの!

(ワン公が楽器やってたなんて初耳だし、第一上手そうな印象ないんだけどなぁ・・・)

てゆうか、だったらお前なんで俺についてきたんだよ?

別にー。ヒマだったし、ちょっとスコアでも覗いていこうかなと思って。

あ、そ。

さてさてー、物理の試験で役に立ちそうな参考書はーっと・・・。

ふと、本棚に気になる本を見つけた。

これってたしか、何年か前に世を騒がせたベストセラーだっけ?

と言っても、当の俺は名前だけ知ってる程度で、実際読んだことないんだよなー。

・・・せっかくだし、ちょっと読んでみようかな。

ぴら・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

俺、あれだ・・・活字アレルギーだったの忘れてたわ。

小学生の頃から、読書感想文だけが苦痛で仕方なかった・・・。

ひら・・・。

なんだぁ?

ページを開いた本の中から、何か零れ落ちた。

拾い上げたそれは、黄色い画用紙でできた、小さな短冊だった。

以前にこの本を借りた誰かが、本のしおりとしてそのまま挟み忘れてしまったものだろうか?

ん?なんか書いてあるな・・・。

── 金 曜 日 は ウ チ は    き ま っ て カ レ ー な の。   一 七 才 の 天 使 。──

なんだコレ?

やぽぽーいっ、やっぱりサボってやがんな、アホ烏森は。

アホなのはお前だ。どうみても今の俺は、純文学を嗜むステキな好青年だろ。

あっ、それ昔めっちゃ人気のあった恋愛小説だよね?なつかしー。

へぇ、お前読んだことあんのか、この本。

当たり前よ。わたしが世の流行から遅れるわけないじゃない・・・ってか、その紙、どうしたの?

この本に挟んであった。

ふーん・・・?

この時の俺たちは、まだ知るすべもなかった。

この一枚のしおりが、俺たちの人生を大きく揺り動かす原因になるとは・・・。

~この後の展開をーーっ、 海東 作者さんお願いします!~

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公開日 2013/12/10 00:00 再生回数 25

作者からのコメント

七男一から始まるリレー小説・シーズン5。第2話→http://www.kimip.net/play/uLHIL

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