“【リレー小説5】一七歳の天使 第三話”

打ったーっ、場外ホームランだぁーっ!!

鈴高の逆転勝ちだーーっ!!

いやぁ、一時はどうなるかと思ったけど、なんとか勝利を収めることができたよ。

これも、誰かさんが飛び入りで応援に駆けつけてくれたおかげ、かな?

応援無くても、楽勝だったろ?なにせ、エースのお前が率いる女子ソフト部なんだから。

まったく、愛の力って、従兄妹同士でも働くのね。美久利ちゃん、まいっちゃう

あのー、そろそろ会話してもらってもいいスかね?

この自意識過剰な女こそ、護の従兄妹にあたる美久利本人である。

で?普段メールも電話もまともにしてこない甲斐性なしの従兄妹の護くんが、わざわざ私になんの用かな?

・・・まぁいいや。美久利。 お前に聞きたい事がある。

・・・はじめては、近所の神社の裏です。

んなこと聞いてねーよ。というか、なんの話だよ。良く分からんが、この罰当たりめが。

あのさぁ・・・、いい加減、従兄妹同士の慣れ合いを見せつけられるの、うんざりなんですけど。

うん、俺も早く解放されたい。

あれあれー、ひょっとしてこの子、護くんのコレェ?

そう言って、小指・・・ではなく、美久利の右手はキツネを形取る。

・・・ど、どれですか?

SIKIGAMI、なんでしょ?護の。コーン、コンコーン。

ワン公、こいつのペースに飲まれるな。突っ込んだら、奴の思うツボだ。

さぁて、話を戻すぞー。 美久利。お前、「一七才の天使」ってフレーズに心当たりないか?

「一七才の天使」?

・・・・・・。

そ、それって、わたしのことかなぁ・・・?

はったおすぞ。お前先日めでたく16歳になったばっかじゃねーか。 天使というより、それはそれは鬼のようにプレゼントよこせと散々俺にねだってきただろう。

護くんもうすぐ18歳だから、私達、結婚できるね?

四親等でもマジ勘弁。

ちょっとー、話がぜんぜん進んでないんですけどーぉ?

おっとぉ、護くんのSIKIGAMIさんもいい加減お冠のようだし、真面目に答えようかね。

うん、知ってるよ。「一七才の天使」。

それって、いつどこで知った?

えっとね、確か。私が珍しく受験勉強に勤しもうと、図書館に足を運んだ時の話なんだけど・・・。

美久利が受験・・・、一年も前の話か。

クスッ、兄妹・・・じゃなかった、従兄妹でも、考えることは同じなのね。

茶々を入れるなよ。ワン公。話が全然進まないじゃないか。

「あんたたちに言われたくない!」と真っ当に怒鳴られてしまったが、無視した。

んで、参考書開いて10分も経たないうちになんかダレてきちゃって・・・。

それで、何気なく手に取った恋愛小説に挟んであったのよ。

「一七才の天使」って書かれたしおりがね。

・・・それって、こんなやつじゃなかったか?

護は、例の短冊状のしおりを美久利に見せる。

おー、おー!そうそう!たしかそんな感じのやつだった!

俺らは先週これを西図書館で見つけたんだ。お前もその時、西図書館に?

いんや、私は北図書館だよ。

北図書館だって!?

もしかして、こうゆうしおりって、他にも何枚かあるのかしら・・・?

いや、単に蔵書の移動があって、その時一緒に混ざったのかもしれないぞ。

あー、あとね。このしおり、 「一七才の天使」ってところは同じだけど、 私が見たやつは、ここに書いてる文面とはちょっと違うんだなー。

なんだと!?

その内容がなかなか印象的だったからね、よく憶えてるよ。

何が書かれていたの?

えーっとね、確か・・・。

─── 月 曜 日 私 は カ エ ル の    姫 に 憧 れ た 。        一 七 才 の 天 使 。──

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・これって・・・。

皆まで言うな、ワン公。 お前が今考えている事はたぶん俺と同じだ。

少なくとも、このしおり。同じようなやつがあと六枚あるはずだ。

私達が見つけたのは「金曜日」。そして、美久利さんが話していたのは、「月曜日」・・・。

もしかしたら、美久利と俺たちの分を除いたあと五枚を探し出せば、このしおりの謎が分かるかもしれないぞ?

にしても、いよいよ楽しくなってきたわね。ちょっとした宝探しの冒険ってわけね。

いったい、七枚集めたら何が起こるっていうのかしらね?クスクス・・・。

短冊状のしおりは他にも存在した!? 新たな展開に更に彼らの探究心は高まった!

さてさて、この続きを再び海東 作者さん、よろしくお願いします!

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Posted at 2013/12/14 18:55 Viewed 13 times

From Author

☆これまでのあらすじ:図書館で偶然見つけた1枚の短冊のしおりの出所を調べるべく、護と一子は、護の従兄妹である美久利に話を聞きに隣町まで足を運ぶことに・・・。次話→http://www.kimip.net/play/QfrQ1

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