“【リレー小説2】クリスマス・パニック Part7.77”

ぐおーーーっ!!また負けたーーーッ!!

玖々莉さん、UNO強すぎです!神ですかあなたは!?

私って、UNOの家元7代目なの。 ゴメンね?

UNOに家元って・・・初耳なんですけど!?

ササッ、ググっといっちゃいなさい!

それでは遠慮なく・・・ぐびっ、ぐびっ・・・

ぱわわわ~、おいしいです~ぅ!

はいはーい、皆さんお待ちかねのクリスマスケーキのご入場ですよー!

いやっほー!待ってましたーーッ!!

・・・・・・。

(そう、あれは夢なんかではなかった・・・)

(俺は、確かにあの奇妙な合コンに参加したのだ)

(ただし、それは今年ではなく、1年前の出来事・・・)

(言い換えるなら、俺が俺でなくなった日・・・)

そういや、あの日。俺の正体が明らかになって薫を救出した後の記憶がおぼろげなのは何故か。

そして、今日までの1年間の記憶がまるでないのも不思議・・・

はーい、ハニー?楽しんでるゥ?

く、黒井珠里ッ!?

どう?あれから生まれ変わった自分は?

・・・まぁまぁ順調やな。

なぁ、教えてくれや。 あの晩、全てが終わった後に何があったんかを。

そ、それを今、ここで聞いちゃうの?

教えてくれ!

・・・・・・実は

私たち、あの後婚約したの。

えええええええええええっ!!?

・・・ってのは冗談。

驚かすなや!

いくら冗談とはいえ、こんな可愛い美少女と婚約できたなんて、ちょっとは喜びなさいよ!

それで、真実は?

・・・全てが終わって、私達は再びカラオケボックスに戻ったの。

そして、夜も更けてきた頃、あなたはトイレに行くために席を立ったの。

それから1時間、2時間・・・あなたは一向にトイレから戻ってこないじゃない。

不安になって様子を見に行ったところ、

なんとあなたは、女子トイレの個室の中で意識がなくなっていたのよ!

え、えええ・・・

どうやらあの豚子・・・赤野目蝶華が最期の悪あがきに、あなたの飲み物に毒薬を仕込んでいたようなの。

あなたはすぐに病院に担ぎ込まれたわ。昏睡状態が何日も、何ヶ月も続いたって聞いているわ。

ってことは、つまり、その年のクリスマスは・・・

病院のベッドの上で、1人寂しくクリスマスを迎えてたってことかいなァ!?

1人・・・って訳でも、なかったみたいよ?

え?

・・・あのメガネ女が、付きっきりであなたの傍で世話してたらしいから。

・・・薫がか?

・・・結局、私達の縁談も気付けばポシャってしまって、私の望まない結果に行きついてしまったけれど、

私は諦めないわよっ、ハニー!

・・・・・・。

雪姫さん・・・

イケナイ感情だと分かっていた・・・

私の・・・、幼い頃から積み重ねてきたこの思いをひとえに伝えるには、世界はあまりにも残酷に出来ていて・・・

いや違う・・・単に私に勇気が足りなかったから、この思いが中途半端だったからッ・・・

病室であなたの意識が回復したとき、一番にあなたに泣きながら抱きついた彼の姿を見て、

あぁ、私はこの人には敵わないなぁって、気付かされたの・・・

でも、私も諦めたわけじゃないわよん?隙あらば、あなたの心も貞操も奪っちゃうんだからっ

・・・・・・。

玖々莉さん・・・。

(あなたが彼氏持ちだって知った時はとても残念でしたが、今ではほっとしてる自分がいます)

(そしてあの時、芽生えた感情・・・)

(薫を見ていると、胸が苦しくて、時々泣きたくなるような気持ちになる・・・この正体はいったい?)

なんだ巧?ぜんぜん食が進んでいないぞ?まさか恋患いか?

あ、あほか!?何抜かしてんねん!俺は玖々莉さんに彼氏がおったことにショックやねん!大失恋や!

そーかそーか、可哀想な巧ちゃん。

恋愛で傷付いた心は、新たな恋で癒すのが一番!

早くイイ彼氏ができるといいな!

見つかるかのぅ・・・そんな相手?

僕の大切な幼馴染の恋だぞ!応援しないわけがない!

うん、おおきにやで!薫!

(例え俺がどんな俺であったとしても、これから先どんなに辛いことが待ち受けていようとも、)

(こいつとなら・・・薫と一緒なら、きっと大丈夫だ。)

巧はまだ知らない。自分の中に芽生えつつある感情・・・その正体に気付いた時、どうなることやら?

しかし、それはまた別のお話なのである・・・

『クリスマス・パニック』 これにて、完結──ッ!!

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Posted at 2012/12/24 22:00 Viewed 14 times

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リレー小説・シークレットトラックへようこそ(全然オープンだけど気分で)。本当は100ページに収め切れなかったんだな。というわけで、『クリスマス・パニック』延長戦、突入!

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