それは、とある日のこと……
もうすぐ例のブツが届くはずだ…… 俺の、俺達の、もてない男の夢が！
ちわーっす！宅配でーすっ！
どうやら来たようだな……
判子お願いします。
あっ、はい。 ここですね。
まいどありー！
ククク…… ついに手に入ったぞ…… 夢のギャルゲーが！
これで、女にもてない俺でも 彼女ができる！
部屋に持っていくか。
意外と重かったな…… そんなもんか？まあいいや。 開けてみよう……
ガサゴソ……ガサゴソ……！！
ギャルゲだと思った？ 残念！幼馴染ちゃんでした！
…………
お前は何をしているんだ？ 怒らないから言ってみろ。
ちょっとしたサプライズという事で ダンボールに入ってみました。 てへっ！
…………
…………
もしかして、怒ってる？
当然だ！俺が！どれほど！この日を 楽しみにしていたことか！ 俺の心はドッボドボッだっ！
お前は俺のハートを傷つけた。 その罪は重いぞ、覚悟しておけ。
覚悟って、どんな？
…………
え〜と、その〜、なんだぁ……
はは〜ん？ さては勢いで言ったはいいが、 何も考えてなかったパターンね？
なあ、頼むよ…… 俺の胸のドキドキを返してくれ……
（うわぁ…すごく落ち込んでるよ… こいつ、早く何とかしないと）
ヌフフ…… 今こそ話すときが来たようだな……
な？何をだ？
誕生日おめでとう！
今なんと？
誕生日おめでとう！ 大事なことなので二回言いました！
ほ〜う…… お前が俺の誕生日を覚えていたとは 驚いたぜ……
一昨年くらいから祝ってくれなくなったから忘れているものかと……
そっ……それはだなあ！ えっと……う〜んと……
とにかく私が祝ってやるんだ！ 喜びやがれ〜！
ああ……嬉しいよ…… 涙がちょちょぎれるぜ！
やった！第一部完！
それでね、誕生日プレゼントを用意してあるんだ。
なんだ？言ってみろ。
プレゼントは……
プレゼントは？
わ・た・し♡
…………
どういう……ことだ……？
ええい！私はっ！ あんたのことが好きってことだ！
言わせんな、恥ずかしい。
なるほど……そういうことか……
じっ……実はよ………… 俺もなんだよ、俺もお前が……
ひゃっほい！！両想いキタコレェ！ そうと決まればこれからデートだ！ 四十秒で準備しよう！
ああ、その前にだ。 俺のギャルゲーはどうした。
何ぃ？彼女が出来たんだ、それくらい良いじゃないか！
いや、それとこれとは別だ。 俺はアレに小遣いをつぎ込んだんだ。
なんだと！ギャルゲーと私、どっちが大事なんだ！
おやっ？誰か来たようだ。
おい、兄貴。 少し話がある。 入れてもらおうか。
なっ、何奴？
妹だ。 入れ。
よう、兄貴。
どうした？我が妹よ？
ギャルゲーは私が頂いた！
はい？
返して欲しくば私を捕まえてみろ！
フフフ……良い度胸だな…… 鬼ごっこの鬼検定１級の俺に挑戦 するとはっ！
いくぜぇっ、覚悟しなぁ！ 用意……ドンッ！
ドタドタドタ…………
えと……何コレ？デートは？
デートはアイツを捕まえてからだっ！
えぇ〜っ！
…………
そしてなんやかんやで私たちは恋人になったのでした。
なるほどねぇ〜そういうことか〜。 よくわかったわ。 あなた達が最近イチャついてる訳。
えへへへっ！
噂をすればなんとやら。 来たわよ、彼。
待ちやがれっ、この野郎！
私は可憐で、か弱い乙女だ。 野郎じゃないぞ！
そういう事じゃねーよ！
あははっ！
と、言う訳で。
第二部完ね。結構面白かったわ。
（どこが面白かったんだよ？）
とりあえず 完
