メッチャ美人な嫁に、よしよししてもらいたいな。
あれ、風間さんの奥さんってブサイクですよね?
妄想ぐらい夢を持たせろ。
俺が仕事で疲れてクタクタで家に帰ってくるとするだろ?
ただいまー。あーッ、疲れたぁーッ!
おかえりなさい。あなた、頑張ったわね。
よしよししてあげるから、私の膝枕においで♡
うん!
よしよし~(なでなで)
うわぁ~、疲れが吹き飛ぶ~ぅ!
なっ! いいだろ?
俺はなでなででも、違うなでなでがいいですけどね。
ほぉ、聞かせてもらおうじゃねえか。お前のなでなでという奴をよ。
めっちゃ可愛いクラスメイトがいてですね?
(学生時代)
聞いてくれ、杏奈。俺にもついに彼女ができた!
二次元の彼女なんて、空しいと思わないのかしら?
三次元の話だよ。
なんと。あまりにも好きすぎてストーキングしている内に、自分は彼女の彼氏なんだと思い込んでしまったのね?
いや、ちゃんと俺から告白して付き合うことになったんだってば。
ふーん、どうせ17でチェリーなんて嫌とかそんな変なプライドで妥協してそこらのブスに声かけたんでしょうけど。
相手はなんと、三上春名だよ。学園のマドンナさ!
三上春名・・・。
ふーん、あの子と付き合ってるんだ。
あの子はやめといた方がいいよ。良い噂聞かないし。
おいおい、早速彼女に対する悪口か? 俺には別にいいけど、彼女の悪口を言うのなら幼馴染のお前でも許さないよ?
私は止めたからね。
ひどい奴だ。自分には春が来ないからって、幼馴染の俺の彼女に八つ当たりするなんて。
春名ちゃん!
雪緒くん!
なんかその…、私たち付き合ってるって思うと、照れるねッ///
そうだねッ(可愛い・・・)
あの服可愛いなー。
うん、可愛いね。春名ちゃんにすっごく似合うと思うよ。
欲しいけど・・・、高いなー。うーん、どうしよー。
買ってあげようか?
えっ、そんなの悪いよー。
君に着て欲しいんだ。僕がプレゼントするよ。
ありがとう。雪緒くん、大好き♡
ご注文はお決まりでしょうか?
あれ、雪緒じゃない。バイト始めたんだ?
うん、彼女の為にバイトすることにしたんだ。
彼女の為?
彼女がこれ欲しいあれ欲しいとか言うもんだから、お小遣いじゃ間に合わなくてね。
それって、財布として利用されてるだけじゃないかしら?
そんなことはない。彼女は俺の中身も愛してくれてる! いっつも俺のこと大好きって言ってくれるし!
あー、さては杏奈、俺に先越されたからってひがんでるなー?
はぁっ? 何それ? 私は雪緒を心配して言ってあげてんのに! もう知らないっ。
何だよ、アイツ・・・。
あー、バイト疲れたー。でもこれも春名ちゃんの喜ぶ顔を見られると思えば。
そうそう、これ買ってもらったんだー。
あれは・・・、春名ちゃん?
おーい、春名・・・
そうそう、雪緒っていうATMにね。
えっ?
ちょっと愛想振りまいたら、惚れたみたいで告白してきたのよ。
最初は遊びのつもりで付き合ってあげてたんだけど、私がおねだりしたら何でも買ってくれるからさー、
これは利用しない訳にはいかないじゃん? だからバッグとかアクセとかたくさん買わせてやったのよ。
何か買わせる度にアイツマジで喜んじゃってさー。お前、私に利用されてんだっつーの、って思うと笑えてきてww
好きか好きじゃないかって? 勿論好きに決まってんじゃん、だって叩けばどんどん金吐き出してくれる豚の貯金箱よ?
金を生み出せない豚なんて、ただの豚よ。付き合う価値もないわ。
え? 圭くん、欲しいものあるの? いいよ、私が奢ってあげるー。豚にお金おねだりすればちょろいもんよー。
私は、圭くんが一番大好きなんだから♡
・・・春名ちゃん。
(コンコン)入るわよー。
雪緒。学校来ないで何してんのよ。
俺、なんか騙されてたみたいでさ。
だから言ったじゃない。雪緒は騙されたのよ。バーカバーカ。
そうだな、俺はバカだよ。杏奈の忠告素直に聞いておけば良かったよ。
雪緒・・・。
ナデナデ
私なら、雪緒にこんな思いさせないのに・・・。
傷心中のなでなでほど、心に凍みるものはありませんよ。
妄想にしては、やけにリアルな前置きだったな。
ええ、事実ですから。杏奈は俺の今の嫁です。
けしからん、俺の嫁と交換してくれ!
ブサイクな嫁は要りません。