“おコンさま 第一話”

ぼくが、

電 波 少 年 だ!!

くっそう! 世の中クズどもばかりだ!! このぼくが、この世界を粛清(しゅくせい) してやる!!

この電波で!!

くらえっ!! こんなクソみたいな世界なんて滅んでしまえ!!

くらえくらえ!! このこのっ!!

クックックッ! おかしな奴じゃのう。

誰だ!

そうか、ぼくの電波がどこかに干渉して幻聴が聞こえるんだ。

電波? なんじゃそりゃ? 天ぷらの間違いじゃろう?

う、うるさいっ!! 幻聴がぼくに口出しするな!!

クックックッ! 変な小僧じゃのう。 どうれ、付き合ってやるかいのう。

ククク、おぬしの天ぷらとやらを見せてみい。

はっ! ぼくの電波が僕自身に!! なんか幻影が見える!!

すげえ、ぼく、すげえ!

天ぷらをはよ出せ、小僧。

そうか! これはテレビと同じだ! 電波で画像を受信してるんだ!

腹が空とるんじゃ、はやく天ぷら出せ、小僧。

なんだと!? 幻影のくせに生意気だ! くらえ!! ぼくの電波!!

……。

なにが起こるんじゃ?

なんで? なんで効かないんだ、ぼくの電波!!

ぐはあっ!! やられたあ!!

……とでも言えばいいんかえ?

くっそう! どいつもこいつもぼくをバカ にしやがって!! だから、こんな世界滅んじゃえばいいんだあああ!!

うわあああん!!

頭大丈夫か? おぬし。

なんだと?

お前みたいな奴! こうしてやる!!

ちょ、なにをする!!

くそくそくそ!!

(ばしばしばしっ)

やめんかい!!

ハァハァ……。

寄るでない!!

どうせ、幻影なんだ! どうしたって……

やめい!!

ぐはっ!

貴様、わしを舐めるでないぞ。わしは妖術がつかえるんじゃ。

よ、妖術だって!?

中二病設定か!!

くっそう! くっそう! 中二病が流行ってるからって、どいつもこいつも!!

『オレ、ちょっと中二病入っちゃってんだよね! 魔眼がうずいちゃってさあ』

……とか言って、女の子口説いてる奴知ってんだぞ!!

なにが中二病だ!!

だいたいぼくはまだ中一だぞ!! どうやって中二病発症しろって言うんだよ!!

な、なんか悩みがあるなら相談するぞえ?

ほんと?

……ほっといてはいかん気がしてきてな。

その前にな、小僧。聞きたいことがある。

なんだよ?

なぜ、こんな暗くて狭い場所にこもっておるんじゃ?

そりゃ、ぼくが押入れの中が好きだからさ!

なんで嬉しそうなんじゃ?

部屋に引きこもってるなんて古いよ。やっぱ、こもるなら、押入れ! ここ最高!

ダメすぎる。

とりあえず、出るぞ。

うわっ! 引っぱらないで!!

うわっ! まぶしい! 太陽の光がっ!まぶしい!!

うう。お前一体なんなんだよ!

わしか? わしはな、”コン”じゃ。

「おコンさま」と呼べ。

なんで敬称つけるんだよ!

わしはとってもえらい、みすてりあすぷりちーがーるだからじゃ。

日本語なのか英語なのかわかんないよ!

とにかくえらいので、わしを敬(うやま)え。

それよりな、わしは、とーっても腹が空いとるんじゃ。なんか喰うもん持ってこい。 でないと、妖術で……

くっそう! 命令しやがって!

持ってくりゃいいんだろ!

ちくしょーー!!

つづく

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Posted at 2012/10/25 20:05 Viewed 11 times

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実験的に作ってみました。ただ狐っ娘の絵を使ってみたかっただけですけどね。

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